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崩壊した世界で自分を探して 〜終わらない再構築のループと、夢の中で出会う謎の少女〜  作者: スズミヤ
第一章 全ての終わり

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氷月、砕ける

大切な人を守るための覚悟。

その先にあるものとは――。


どうか、最後まで見守ってください。

その後、どん底から立ち直ったミカは再び市場へと向かった。以前と同じように、彼女は急いで走りながら、今度こそミヤが市場にいるようにと願い続けた。

「ミヤ、お願い、今度こそあなたに会えますように」


時間が過ぎ、ついにミカは市場に到着した。彼女は辺りを見回すが、ミヤの姿はどこにも見当たらない。ミカはそこで諦めず、市場の隅々まで探し続けた。そしてついに、ベンチに座ってぼんやりと空を見上げているミヤを見つけた。


「ミヤ!」ミカは叫びながらミヤのほうへ走った。ぼんやりしていたミヤは、その声で我に返る。

「ミカ?どうして——」


瞬時にして、ミヤは驚いた。ぼんやりしていたかと思うと、今はミカに抱きしめられていたからだ。

「え、えっ、ミカ、な、なにを……どうして抱きしめたりしてるの?」ミヤは照れた表情を見せ、顔を赤らめた。しかし、ミカの表情を見ると、その様子は長くは続かなかった。


「ミヤ……よかった……本当に、あなたを見つけられてよかった……うっ……うっ……ごめんなさい」

涙が激しく流れ、顎を伝って落ちる。唇は震え、眉は下がり、まるで彼女の顔全体が後悔とともに崩れ落ちていくようだった。


「え、えっ、ミカ、どうして泣いてるの?何があったの?」ミヤは戸惑いながら尋ねたが、ミカの抱擁はますます強くなる。ミヤはそこで初めて、ミカが何かを深く悲しんでいることに気づいた。理由はわからないけれど。そしてミヤはミカを抱き返し、その頭を優しく撫で始めた。


夕暮れの空はゆっくりと色を変え、人けの少なくなった市場の静けさの中、ミカとミヤはようやく帰路についた。


帰り道、二人の間は非常に静かだった。ミカはまだ恐怖を感じていたが、これから起こるすべてに覚悟を決めていた。彼女たちはようやく家に到着し、中へと入った。中に入ると、ミヤが少し話しかけた。


「ミカ、先にお風呂に入ってね。私、晩ご飯の準備をするから」そう言ってミヤは台所へと歩いていった。


「ミヤ、ちょっと聞いてくれ」ミカはふくれっ面をし、とても落ち込んだ様子を見せた。ミヤは足を止め、ミカのほうを向く。

「どうしたの、ミカ?何を聞けばいいの?」ミヤの顔は、落ち込んだ様子のミカを見て、とても心配そうだった。


「ミヤ、もしこれから戦いになったら、すぐに学園に行ってヨースケを探してくれ」ミカははっきりとそう言うと、玄関の前に構えた。

「わかったわ、ミカの言う通りにする」ミヤはミカの状況をよく理解していた。詳しい話を聞かされていなくても、その苦しみは彼女の顔から十分に伝わってきたからだ。ミヤは階段に座り、ミカの後ろで待つことにした。秒が、分が、時間が過ぎていったが、敵の気配はまだなかった。


その時、ミヤはミカがドアに向かって手を上げるのを見た。ミヤはすぐに学園へ走る準備を整える。ドアが開き、そこには黒いローブをまとった人物の姿があった。


「ミコウト!ファズマブラスト!」


ドーン!

家の扉は粉々になり、辺りは一瞬で冷気に包まれた。木の破片が舞い、粉塵が彼らの周囲を覆う。その中から、一人の大柄な人物がミカに向かって歩いてきた。ゆっくりと、ゆっくりと。


トク……トク……トク……トク……トク……


そしてついに、彼は粉塵の向こうから姿を現した。彼はキヨ。かつてミカを救ったあの教師だった。


「えっ、キ、キヨさん?」ミカとミヤは驚いた。

「はあ、なんだこれは。お前さんに学園長からの贈り物を届けに来たっていうのに、まさか攻撃してくるとはな、はあ?」

「え、す、すみませんでした、キヨ先生。訳も分からず攻撃してしまって」ミカは理由もなくキヨを攻撃したことを申し訳なく思った。

「ふう、まあいいさ。それに、私は怪我なんてしていないからな」


そうこうしていると、すぐに強大な力が彼らに向かって迫ってきた。キヨはすぐに何が起こるかと構え、ついに本物の敵が姿を現した。暗殺者が動き出し、ミヤ目掛けて一直線に襲いかかる。しかしキヨも即座に盾を投げ、その暗殺者を弾き飛ばした。ミカはこれが大きな戦いになると悟り、すぐにミヤに叫んだ。


「ミヤ、早く逃げて!」


ミヤは家から走り出たが、戦士に立ちはだかれてしまう。ミカは応戦しようとするが、力で劣っていた。戦士の剣がミカの頭目掛けて振り下ろされる。しかし、それが届くよりも早く、ミカは領域を発動した。


「ミコウト!スモールドメイン——フロストムーン!」


全ての敵はミカの創り出した領域へと引きずり込まれ、姿を消した。これを見たミヤは、ためらうことなく壊れた家を後にして走り出した。一方、別の世界が広がっていた。ミカが創り出した領域は全ての敵を引き込み、キヨまでも巻き込んでいた。夜空と広大に広がる青い花畑、吹きすさぶ風の冷たさ、そして領域に浮かぶ巨大な氷の月。


「おい、ミカ、まさか領域を使えるようになったのか?やっぱりお前は才能があるみたいだな、ヨースケが言っていた通りだ」キヨは目の前の敵と戦うことに意気込んでいた。


タンクと戦士の敵がキヨに突撃するが、キヨはそれを耐えきる。上空からはミカもキヨを援護する。

「ミコウト!フルリリース!ファズマファントム!」


ミカの放った攻撃は戦士とタンクに向かって一直線に飛んでいくが、それは敵の魔術師によって防がれてしまう。魔術師と弓使いも黙ってはいなかった。弓使いはミカを狙い、雷の矢を放つ。それは凄まじい速さで飛来し、魔術師がその攻撃を増幅させる。避ける間もなく、ミカは防御に徹する。

「ミコウト!フルリリース!氷の防護壁!」


攻撃はミカの防護壁に命中する。止むことなく降り注ぐ攻撃。しかしキヨが白金に変じた盾を投げつけ、二人の魔術師と弓使いを妨害する。

「プラチナシールド、拡大!」


弓使いと魔術師はキヨの攻撃で吹き飛ばされる。盾はキヨの手元に戻ってきた。

「ふん、敵はこの程度の力しかないのか?弱すぎるな!」キヨは高らかに笑う。


ミカはこの好機を逃さず、切り札を放つ。

「ミコウト!トゥルーアウトプット!スターグレイザー!」


現れたのは、先ほどまでよりもはるかに巨大な獣の頭蓋骨だった。それは口を開け、力を充填し、極めて強力な氷の攻撃を放つ。かつてグロクを倒した時よりも、はるかに強力だ。敵のタンクはその攻撃を受け止めようと構える。


ズシン……ドォーン!


その攻撃は凄まじい破壊力で炸裂した。周囲一帯は破壊され、氷に覆われる。岩の破片が舞い散り、粉塵の雲が彼らを包み込む。


「わあ、お前は本当にすごいな、ミカ。それがお前の切り札か?実に強力だ。私がもしも魔——」キヨは敵を挑発するように言ったが、彼は油断しすぎていた。


「キヨさん、早く避けてください!」

「は?」


「トゥルーアウトプット——空間を断つ深淵の斬撃」


なんと、暗殺者は神器を手にしており、先ほどから切り札を放つ準備をしていたのだ。その攻撃は空間そのものを切り裂く。キヨの周囲、その斬撃の軌道上にあったもの全てが両断される。キヨの体は真っ二つに断ち落ちた。その攻撃の余波で、ミカの領域は崩壊した。


暗殺者の斬撃はそれだけでは止まらない。その軌跡は家を、雲を、空を切り裂き、宇宙へと達した。


ミカはその攻撃を目の当たりにして、硬直した。ありとあらゆる感情が彼女の中に押し寄せる。そして、暗殺者は仲間を置き去りにして、どこかへ姿を消した。


「い、いったいどこへ消えたんだ、あの暗殺者は……?……あ、ちょっと待て、ミヤ!」


一方、ミヤはようやく学園の門のところまで到着していた。彼女が中に入る前に、ミカたちが戦っている方向から巨大な爆発を感じ、そしてあらゆるものを両断する斬撃を目撃する。


ミカは一瞬硬直したが、すぐに自分が何をすべきかを思い出す。彼女はすぐに学園の中へ入り、学園長の名を叫んだ。

「はあ……はあ……ヨースケ、助けてくださ——」


その言葉を最後まで言い終える前に、暗殺者がミヤの目の前に現れた。空からは雷がその暗殺者に向かって真っすぐに落ちようとしていた。しかし、あまりにも悲しいことに、暗殺者の斬撃のほうが速かった。そして、ミヤの首は暗殺者の剣によって斬り落とされ、続けて雷が暗殺者に直撃する。その爆発で全てが吹き飛び、ミヤの首は学園の門のところまで転がっていった。


別の場所では、ミカの全身に無数の矢が突き刺さっていた。ミカは激しい痛みに叫び、もがくが、それは無駄だった。ついに、苦痛の最中、弓使いが再び矢を放つ。今度は雷の矢がミカの頭を目指す。矢は放たれ、ミカの頭を粉々に打ち砕いた。


そして、ミカの視界は一瞬にして、病院の前の夕暮れ時に変わる。絶え間なく吹き付ける冷たい風が、彼女にトラウマを植え付ける。

いつも応援していただき、ありがとうございます。よろしければ、ブックマークや評価を通じてご感想をいただけますと、とても嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。


また、更新についてですが、16-20時10分ごろに、1~3日おきに行うことにしました。ご安心ください。4日以上空くことはありませんので。


どうぞ次回の更新もお楽しみに。

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