sideフロランシア フードコート視察(上)
誕生日が2回来て、私は14歳になった。
あと2年で学園入学「推定乙女ゲーム開始」だ。
まぁ行かんけど……。
ヴシュターク領を形作るヴシュタークダンジョンのダンジョンマスター「ヴシュ君」はすっかり健康を取り戻した。
それによりヴシュタークダンジョンは広く深くなった。
ローレンツ4号のダンジョンと接続して今は合併に近い状態です。
それによりヴシュターク領の領民は少し太り肌艶が良くなり健康です。
ヴシュ君が弱っていた期間は領地が徐々に狭くなっていました。
作物は実らず水は枯れ領民は飢え、全滅覚悟だったそうです。
今はフォード&ローレンツ&ヴシュタークダンジョン全域にローレンツ1号が走り回り小麦が余りまくりです。
どこかに輸出しないともったいない。
☆☆☆☆☆
ダンジョン内に建物を建ててもダンジョンマスターが「嫌だな」と思うだけで1週間もしないうちに建物が消滅するという研究結果がある。
私はその現象を心の中で【デフラグ】と呼んでいる。
ヴシュ君もローレンツ4号も私に懐いているので建物が消滅しない。
なので私の土魔法が火を吹いた。
元ヴシュターク領は日本建築にした。
家屋のほとんどが武家屋敷だ。
領主館は「お城」だ。
かっこいい。
領主館の使用人は黒装束にしてもらった。
忍者屋敷みたいでかっこよい。
元々それっぽい人たちだったので衣装がすぐ馴染んだ。
モブ君の祖父母父母兄兄には強制してないのにみんな黒装束になってしまった。
モブ君までも黒装束だ。
全員同じ装束なので誰が誰か区別がつかなかったが暫くしたら体格や歩き方で区別がつくようになった。
14歳のモブ君は体格がしっかりしてきてちょっとかっこいい。
少しときめくんだが。
(私はショタコンじゃない!)
前世33歳+今世14歳の47歳の自分が14歳の子供に惚れちゃだめでしょ?
ときめく気持ちには気付かなかった事にしようと思う。
☆☆☆☆☆
今、私はローレンツ4号から貰った転移陣を使って中央ステーションを作っている最中だ。
ダンジョンマスターは時々転移陣を産む。
ダンジョンマスターの卵を産卵する時もある。
産んだ転移陣はクリームサンドビスケットの形をしている。
上下を分けて使う。
フォード&ローレンツ&ヴシュタークダンジョン内で移動に便利なようにあちこちに転移陣を敷設していたんだけど移動先が増えて覚えきれなくなった。
たとえば、ヴシュターク領に新設された研究所からウシュアイア砦へ跳ぶには
「研究所地下→ヴシュターク城門前広場地下→ローレンツ研究所地下施設→フォード領迎賓館地下→訓練砦地下商店街転移ステーション→ウシュアイア砦」だったので覚えきれない。
たまに迷う。
なのでセントラルステーション式に敷設し直した。
ちょっと綺麗な駅舎も作った。
駅舎には将来ショッピングモールを作ってもいいように駅ビルを付け足した。
設計図を見ながらまじめに建築していたら
モブ君が忍者のポーズで現れたり消えたりしているのが目に入った。
「ドロン」とか「どろろん」とか口で効果音を出している。
私を笑わせようとしているのか?
うっかり口角が上がってしまった。
私の口角を見たモブ君が満足そうな顔をして消えていった。
私に何か用事があったんじゃなかろうか?
まぁいいか。
用事があったらまた現れるだろう。
☆☆☆☆☆
ちょうど半刻後
モブ君がおめかしして現れた。
珍しく貴族の服を着ていた。
モブ君が貴族服を着ているのを見たのは初対面の時だけだ。
普段は忍者の黒装束。
たまに冒険者初期装備を着ている事もある。
本人は嫌がっているが、貴族服も割と似合っている。
特に肩のラインが綺麗なのだ。
腰のラインも綺麗に見える服だから全身がカッコよい。
モブ君がカードを差し出してきた。
カードには
「訓練砦フードコートリニューアルオープンセレモニー招待状」と書いてある。
かわいらしいスミレを漉き込んだ紙だ。
スミレの退色を防ぐ魔法効果が掛かっている。
こんな手の込んだ乙女チックなカードは誰の趣味だろうか考える。
シルキーのシルリンだろう。
モブ君が着飾っているので自分も着替える。
セレモニーなら少し華やかにした方がいいのかな?
モブ君が正礼装だから合わせよう。
インベントリ内に数枚あるドレスを眺める。
ドレスはあんまり持ってない。
社交界に出るつもりがないからだ。
手持ちの数枚は全て【軍服ロリータ】というやつばかりだ。
普段からそれしか着ていない。
仕方ない。
一番ゴリゴリ軍服テイストのドレスにしよう。
そもそも今回は訓練砦のパン屋とかハンバーグ屋の椅子や植木鉢を並べ替えて
リニューアルオープンwとか言ってるんだろう。
まぁピクシーのする事だからなー。
インベントリから装着と念じると一瞬で衣装が換わる。
モブ君が左肘を微かに浮かせたので自分の右手を隙間にスポッと手首まで突っ込んでみる。
何も言わないので合ってるようだ。
作ったばかりの駅舎からフォード領訓練砦に跳ぶ。
訓練砦1号砦1階のフードコートは以前見た時より充実していた。
有り余る小麦を消費するための施設だ。
小麦はほぼタダなので単価を抑えられる。
「測量パン」の店が大きくなっている。
コーヒー部門が別店舗になっている。
測量士のおっさんの負担を減らすために分けたんだろう。
ハンバーガー屋、ジュース屋、串カツ屋、ピザ屋、バル、ホットドッグ屋が出来ている。
「測量パン」でパンを2個買い、テーブルを確保する。
隣のテーブルに頭が花の魔族がいる。
チラ見したら軽く挨拶された。
頭が花って何だろう。
アルラウネ?マンドラゴラ?わからん。
鑑定飛ばしたら睨まれた。
魔族はそういうのがわかるらしい。
鑑定結果
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名前:未設定
種族:アルラウネ
性別:女
年齢:24
レベル:16
魔法:土魔法、草魔法、水魔法、調薬
スキル:魅了
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調薬魔法持ってる!!
兄嫁さんに紹介しようかな。




