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推定悪役令嬢【出来ちゃった婚】でルート回避を目指す‼︎  作者: 猫モフ師団
間章 踊る王国

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side農兵ケネス

28 side農兵ケネス


俺はケネス・フォルトア(22)

半月前、父が処刑された。

全くの冤罪(えんざい)で国王のただの八つ当たりだ。


ローレンツ領を襲撃するのに王国軍だけで事を進めようとしたのだが王国派の貴族にそれが漏れてたくさんの貴族が参加してしまった。

それにより奪った麦畑の分配を惜しんだ国王が中立派の我が父をみせしめに処刑した。


どこが問題点かといえば全てだ。

「突っ込みどころ満載」という慣用句しか出ない。



問題点1.ローレンツ領への襲撃。

「ローレンツ家のご令嬢を無断で婚約させた」という罪状で謀反の疑いを掛けた。

「いやいやいやいや。王子2人は性格が終わってるという評判だから急いで婚約者を決めるのは当然でしょ?」

我が家も姉と妹と妹は国外に逃がした。

フォルトア家はすでに俺しかいない。

母は姉が連れ出した。

使用人も追い出した。


問題点2.たくさんの貴族が参加してしまった。

「全部、王国派の貴族でしょ?足並み揃えるのは当然」


問題点3.奪った麦畑の分配。

奪うって……ラーン王家、モラルとか道徳とかモラルとか終わってる。

「世紀末」かな?


問題点4.分配を惜しむ。

モラルとかモラルとかモラルとか……。


問題点5.我が父を処刑。

これといった罪状もなく、証拠もなく、裁判もなく、議会の同意もなく。

これは俺に「クーデターを起こせ」との御神託かな?

いいよ?

起こすよ?



☆☆☆☆☆

手始めに噂の「ピクシー解放軍」に繋ぎを作らなくては。

実際に存在するかは不確かだ。

規模は数万。

解放軍の戦闘力は1人で1個大隊を制圧できるそうだ。

おとぎ話の世界か?とは思う。

ピクシー解放軍が「反王家」なのは推測できる。

ぜひ繋ぎ(つなぎ)を……繋ぎを作りたい。

なのでローレンツ領進軍に混ざる事にした。

解放軍は反王家だから今回の戦場に現れると思う。

俺は真ん中からやや後方をたらたら歩いた。


正面をぼんやり見ていると他の貴族家の農兵が次々消えていく。

スッというかシュッという感じで消える。

もう半数消えた。

俺の前にピクシーが現れた。

ピクシー解放軍という名称なのだから使役獣にピクシーがいるんだろう。

俺は「ピクシー様お話が!!ピクシー様〜!!」と叫んでいた。

振り返ったピクシーは面倒くさそうな表情で俺を見た。

「お前、顔は貴族なのに服は平民だな。どっちなんだ?」

俺は爵位を返上したので

「へ……平民です!」と叫んだ。

「で、話って何よ?」

俺は堂々と宣言した。

「繋ぎを……つ……繋ぎを作りたいのです!!あなたたち解放軍と!!」

気付くとピクシー1匹とシルキー1匹が増えていた。

ピクシーたちは会議を始めた。

「ルンルン、この人繋ぎを作りたいんだって。繋ぎって何?」

「難しい言葉わかんない」

「シルリンわかる?」

「ん……多分だけど、パン粉……とか?」

「へ?」

「ほらハンバーグ作る時、牛乳でふやかしたパン粉とか卵とか入れるでしょ?あれ繋ぎ(つなぎ)って言うんだよ」

「あ!なるほど。この人は私たちと一緒に繋ぎを作りたいと言ってるんだね」

「「「よし!フォード領へ拉致(らち)ろう」」」




☆☆☆☆☆

次の瞬間、景色が変わった。

「こ……ここは……?」

「ここはフォード領の訓練砦。訓練砦1号砦の地上1階」

「??」

「ここでパン粉を作ってほしいの」

「パン粉……」

「パン粉屋さん開いて」

「パン粉じゃ、商売にならないと思いますが」

「んじゃパン粉で何か作って商売にして」

「わかりました」

ピクシーに逆らってはいけないと祖母に習った。

今は雌伏(しふく)の時。

パンを削って何かを作る。

この場合ハンバーグだよな普通。

コロッケやフライもありかな。



☆☆☆☆☆

半月後、俺は毎日ハンバーグをたくさん作っていた。

解せぬ(げせぬ)

料理なんてした事なかったので困っていたら、隣の店「測量パン」の店主がハンバーグの作り方を教えてくれた。


店の前に椅子やテーブルを並べるとぞろぞろお客が来た。

時々頭が花の人が来る。

頭が花といっても脳内花畑状態という意味ではない。

物理的に頭が花なのだ。


怖いけど、所作が穏やかで上品だ。

毎日「パン粉屋」か「測量パン」に交互に来る。

忙しくて困っていたらピクシーが時々人間を連れてくる。

2人ほど雇った。

2人は元貴族で家族が近衛だった人たちだ。(2人とも全てを過去形で語る)



ある日、ピクシーが「エレメント」を連れてきた。

手のひらのハンカチの上に乗ってるらしいが、存在がぼやけててよく見えない。

「パン粉屋、おまえにこのエレメントを預ける。しっかり面倒を見るように」

俺は受け取ったエレメントを眺め困惑していたのでピクシーの次の言葉を聞き逃してしまった。

ピクシーは「火のエレメントだからコンロに入れると薪を使わなくて済む」と言っていたが俺はその部分を聞いていなかったのでエレメントをテーブルに乗せ、毎日祈った。

「エレメント様、本日も健やかであられますようお祈り申し上げます」

祈ると少しだけ体積が増えるので間違っていないはず。

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