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婚約破棄されましたが、最強のお兄様がただでは済ませません  作者: 百鬼清風
第一部 王太子の婚約者

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第11章 学園襲撃4

 レオポルドは門をくぐってきた三人のうち、先頭の男が大剣を担いでいるのを見た。借りた真剣を両手で握り、待ち受ける。

 背後に人影はない。避難する生徒を巻き込まずに剣をふるえる。


 男は走り込んだ勢いで大剣を振り下ろした。レオポルドは剣へ金属を硬化させる魔法をかけ、刃を斜めに合わせる。地面との固定を強めるグランド・アンカーも使い、押し倒されるのを防いだ。

 受け流した大剣が、脇の土をえぐる。

 レオポルドは切り返そうとして、止めた。後ろの二人が、左右から槍を突き出していた。固定したままでは避けきれない。

 片方の槍を剣で払うと同時に、もう片方との間に土壁を立てた。槍先が壁へ突き刺さる。すぐに足元の固定を解き、後ろへ下がった。


「学生にしては、やるようだな」


 大剣の男が、にやりと笑った。刃を土から引き抜き、今度は大きく振らず、短く突いてくる。

 レオポルドは半身でかわし、剣の腹で男の腕を打った。男がうめいてが、大剣は落とさない。逆に柄頭で胸を殴られ、レオポルドは息を詰まらせた。

 下がれば槍の長さが有利になる。そこで踏みとどまり、もう一度、男の腕へ剣の腹を叩きつけた。


「放せ!」


 男は大剣を落としたが、そのまま、つかみかかってきた。レオポルドは相手の上着をつかみ返し、足を払って横へ投げる。

 土に倒れた男の前腕を膝で押さえたところへ、槍使いの一人が迫った。

 レオポルドはその進路にも壁を立て、男が回り込む間に倒れた敵の手足を土で挟んで拘束した。


「来い。俺はここだ」


 二人の槍使いが離れて構える。レオポルドは片方へ向かった。背を狙う槍は土の壁で防ぎ、正面の穂先だけを見て踏み込む。

 男は槍を引き、柄の中央へ持ち替えた。レオポルドの剣を柄で弾こうとする。

 だが、短く使うなら互いに届く。レオポルドは踏み込みを緩めず、柄へ剣を叩き下ろした。折れて、穂先のついた半分を失う。

 男が残りの柄を振り上げるより先に、レオポルドは肩から体当たりし、倒れた男の腕を押さえた。土で手首と足首を固める間も、もう一人から顔を逸らさない。

 残った槍使いは、槍を握ったまま門へ逃げようとした。


「止まって、武器を捨てろ!」


 止まらない。レオポルドは出口の前へ土壁を立て、駆け寄った。壁を乗り越えようとしていた男が振り向きざまに槍を振る。

 腰を落として槍をかわし、剣の腹を両手へ打ちつけると、男は槍を取り落とした。レオポルドは男の服をつかんで壁から引きずり落とし、うつ伏せに倒して拘束した。

 剣を構え直す。敵は三人とも動けなくなった。

 胸を打たれたところは痛むが、呼吸はできる。大事は無い。レオポルドは門の外を見て、誰も来ないのを確認し、こちらへ向かってくる警備員に声をかけた。

 全員が縄で縛られるまで剣を構え、警備員が敵の武器を回収してから土の拘束を解く。後を頼み、建物へ引き返した。

2026年09月12日 21時00分 次話アップロード予定。

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