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婚約破棄されましたが、最強のお兄様がただでは済ませません  作者: 百鬼清風
第一部 王太子の婚約者

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第11章 学園襲撃3

 私が外壁沿いの通路へ着いた時、三人の男が壁を越えて降りてきた。左右の二人が剣を抜き、真ん中の男は私を見るなり叫んだ。


「いたぞ。妹の方だ!」


 私を知っているようだ。

 剣を持つ二人が広がって進み、その後ろで男が魔法を使おうとしていた。私は水の帯を作り、先に右の男の剣へ巻きつけた。


「アクア・リボン!」


 武器や手足を縛る水魔法だ。剣を横へ引き、隣の男とぶつけようとしたが、相手は逆らわずにこちらへ踏み込んできた。

 もう一人も走ってくる。剣だけを捕らえていては、そのまま斬られる。

 私は水帯を解き、足元から風を噴かせて後ろへ跳んだ。移動を速めるシルフ・ステップで間合いを離すと、さっきまで立っていた地面でファイヤーボールが爆発する。

 頬へ熱を感じた。


「逃がすな。建物の壁へ追い込め!」


 違う。私が下がる先を狙っている。

 私は風の魔法を終え、水の帯を二本作った。左の男の足首と右の男の手首へ、それぞれ伸ばす。二人は同時に剣で水を切ったが、水帯を繋ぎ直すと、今度は簡単には外せなかった。

 それでも男二人を同時に拘束するには魔力が多く必要だ。この魔法は柔軟だが、氷よりは拘束力が強くない。私は魔力を強めて踏ん張り、奥の男を見た。

 赤い魔法陣が、もう一つ出来かけている。


「アース・シェル!」


 目の前に、何層も重ねた土の防壁を作った。火の塊が外側を砕き、次の層にぶつかって弾ける。火の粉が壁の上を越えて降り注いだが、私は水の帯を離さなかった。

 同時に魔力を維持するのは難しいが、何とか耐える。

 拘束が弱まった瞬間、左の男が私の後ろへ跳んだ。私は水の帯に魔力を込めなおし、男がよろめいた瞬間に足首を横へ払った。男は地面へ転がり、剣を落とした。

 右の男は手首を拘束されたまま、私の防壁の横へ迫ってきた。そのまま両手で剣を構えている。

 私は魔力を強め、剣を手から落とす。

 胴と両腕をまとめて縛り、膝も結ぶ。男は、そのまま横倒しになった。


「動かないでください。怪我をさせたくありません」


 奥の男は返事をせず、私の土壁へまた火を撃ち込んだ。壁が崩れ、私は散った火の粉から顔を庇った。

 男は再び魔法陣を展開していた。地面を伝う水に気づいたのは、片足へ巻きつかれてからだった。

 私が引くと男は膝をつき、出来かけた炎が無散する。それでも両手をこちらへ向けようとするので、二の腕から胴へ水を巻き、肘を伸ばせなくする。


「やめてください」


 男が歯を食いしばった。赤い炎がまた現れる。私は水の帯で体を横へ引き倒し、両腕を地面へ押さえた。詠唱が途切れ、今度こそ炎が完全に消える。

 私は三人から離れず、教師が来るのを待った。魔力を維持し、額から汗が流れる。引き継いでもらうまでは拘束を緩められなかった。

2026年09月12日 20時00分 次話アップロード予定。

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