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雨宮くんと櫻木さんがイチャイチャ(※自覚無し)でお送りする青春応援委員会!!  作者: いちごモンブラン


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5/22

覗き見

自信を取り戻したのか山本の表情は先程までと比べて明るくなっていた。


「じゃあ後は週末の試合で。いまから緊張してきたぜ!」


少しテンションが高い気がしたが、これくらいの方がいいだろう。


「ドアは優しく閉めてくれ。」

「分かってるよ!またな。」


そう言うと山本は言いつけ通りに静かに部室から去っていった。

どっと疲れが身体を襲う。


「う〜ん。疲れた。」


腕を伸ばし、関節を軸に回していく。ゴキゴキと音が鳴った。


「凄いよ!雨宮くん!私感動しちゃった。」


隣に座っている栞がやけに興奮した様子だった。


「さっきのことか?今にして思えば少し説教臭なかったか?」


俺は先程の言葉を脳内で反芻する。やはり恥ずかしいことを言った気がする。自分語りみたいになっちゃったし…。


「そんなことないよ!心に沁みたよ〜。山本くんもきっとそうだよ〜。」


そうだったらいいけどな…。部室から去るあいつの顔を見るに大丈夫だろう…。


「なんか昔のことを思い出してきて泣けてきた…。」


栞は目に浮かべた涙を拭いていた。…そうだったな…栞は……。


「ま、後はあいつ次第だな。本番は俺達も頑張りますか!」


こうしてこの日はお開きとなった。



〜練習試合の前日〜


「とうとう明日だな。」


俺と栞はクラスで山本と談笑していた。


「ああ。明日は俺に取っての公式戦。それもIHや選手権と同じ。いや、それ以上のベストを尽くすつもりだ。」

「さすがにそこに肩を並べるのか?」


山本は鼻息を荒くしていた。気合は充分といったところか。


「あまり張り切りすぎて変なミスはしないでよ〜。」


栞は茶化すように注意する。やる気があるのはいいことだが、空回りしないかだけ心配だ。


「大丈夫さ。心配有難う。こう見えて落ち着いているよ……っっ!」

「どうした?」


突然、山本が言葉に詰まる。その顔は驚きの感情に支配されている。目線の先は廊下側を見ている。


「ああっ!」


間髪入れずに栞も声を上げた。いったい何だっていうんだ。俺も二人の視線の先に目を向けると…。

…そこには男子生徒と一緒に歩く佐藤さんの姿があった。


「あの人は!!」


放心状態だった山本が口を開く。面識があるのだろうか…。


「知っているのか山本?」


恐る恐る俺は尋ねる。


「もちろんさ。あの人はサッカー部のエースの剛田林先輩だ。この学校における人気男子。彼氏したら自慢できるランキングでも常に上位をキープする人だ。」


そんなランキングがこの学校にあったのか…。いや、そんなことはどうでもいい!


「とりあえずどういう関係が確かめに行かないと。」


俺は半ば強引に二人を引っ張っていった。


二人は何処か目的の場所へと歩いていく。それを追いかける俺達。さながらスパイ映画やアニメのような状況だ。

下駄箱で靴に履き替え、校舎裏へと向かう。こんな所で何をする気なんだ…?

二人の声が聞き取れるまで接近。気付かれないかドキドキする。

開幕早々、剛田林先輩が口を開いた。


「俺と付き合ってくれないかな?」


まさかの告白…!このタイミングで…!


「俺ずっと佐藤さんが入学した時から気になってたんだよね。可愛い娘がいるなって…。今フリーだよね?もしそうなら俺と。」


スラスラと言葉が紡がれていく。ナンパなやつはあまり好きではないが、こういう風に女子相手に緊張しない方法は教えて貰いたいものだ。

状況に関わらずに関心していると、引っ張ってきた二人が渋い顔をしているのに気付いた。


「剛田林先輩にはもう一つの顔があってね。女癖が凄く悪いらしいんだ…。直接見たことは無いけどそんな噂を聞いたことがあるんだ。」


山本が俺に説明してくれた。そうか、だから恋愛脳な栞もつまらなそうなのか…。


「でも所詮噂の類だろ?もしかしたら意外と紳士的ないい先輩かもしれないぞ?…それはそれでまずいか…。栞も何とか言ってやってくれ。」

「御免だけど、それは無いかな〜。」


…その声には感情が籠もっていなかった。いや、正確には心底呆れたような…そんな声色だった。


「どうした?お前迄そんなこと言って。」

「だって、入学早々に私も告白されたし。しかもまっっっったく同じ台詞だし。」


ああ…なるほど。色々な娘に声を掛けてる訳ね…。


「メタメタに罵ってこっぴどく振ってやったのに懲りずにまだやってたの。」

「意外だな…。櫻木さんがそんな風に人に接するの…。もしかして絶えず告白する男子達皆にも同じことを…。」


恐怖を感じた俺と山本が栞との距離を取った。


「ちょっと!露骨に避けないでよ!1年生の時の話よ!今そんなことはしないわよ。あの時は若かったから…。」

「いや、1年前だろ…。…そんなことより佐藤さんの返事は!?」


俺達は食い入る様に佐藤さんの返事に耳を澄ませた。二人の息遣いが聴こえる。緊迫した空気の中、佐藤さんが口を開いた。


「御免なさい。私、先輩のことそういう風には見れません。」


隣の栞がぐっと拳を握る。おいおい、気持ちは分かるけど俺達、一応青春応援委員会だぞ…。


「そうか…。他に好きな人でもいるの?」

「気になる人は一応います。」


悔い下がる先輩に律儀に答える佐藤さん。


「じゃあまだ好きな訳ではないんだよね?ならさ明日時間空いてる?サッカーの練習試合があるんだ。俺頑張るからさ。佐藤さんに良いところ魅せて上げるよ。」




どうしよう!? 予定が被ってしまったんですが!?






































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