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雨宮くんと櫻木さんがイチャイチャ(※自覚無し)でお送りする青春応援委員会!!  作者: いちごモンブラン


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14/20

考えてきたよ

…こそこそ…。

 下駄箱に潜む怪しい影。周りの生徒は奇妙な眼でその女性を見る。

 彼女の名は櫻木栞。この学園で一番の美少女と専らの噂だ。見た目だけではなく、成績、運動能力、その他諸々優れている彼女だが、今のこの姿を見て、そう思う生徒はいないだろう。


「そろそろ、雨宮くんがくる時間ね。」


 彼女は待っていた。ある男子生徒を。その為にわざわざこんな奇行を実行しているのである。


「あっ!来たわね!…っしょ。あれ?雨宮くんおはよう。」

「ああ、おはよう栞。珍しいなこんな時間に会うなんて。お前何時ももっと早い時間に来てなかっけ?」

「今日はね。偶々遅くなったの。」


 丸で偶然会ったような雰囲気を醸し出す。こんな茶番を演じたのにも、勿論理由がある。

それは………。


「先輩!おはようございます!」

「うお!」


 突如、後ろから現れた女子生徒が雨宮俊哉の左腕に抱きつく。その反動で少しよろめいて倒れそうになる。


「ちょっと香織!危ないからいきなりは辞めてくれ!それと、ここは人の目があるから控えてくれると助かるんだが…。」

「えー?いいじゃないですか。私達付き合っているんだから♪」

「恋人役ね…。あくまで依頼だから…。」

「分かってますよ。でも、いいじゃないですか?役とはいえ恋人なんですから。」

「いやいや、周りの眼が痛いから!」


 そう、この女子生徒こそ今現在、櫻木栞の悩みの種である。

 

「花宮ちゃん…。流石にこういう所では良くないんじゃないかな?他の人も観てるし…。」

「あっれ〜?先輩なんか余裕ないですね〜。どうかしたんですか?」

「…………。」


 嘲笑うかのように挑発する花宮香織。だが、その程度では、完璧美少女は揺るがない。


「いやいや、別にそんな事はないよ。それよりほらっ、沢山人が集まって来てるから!変な噂されちゃうよ。」


 ギャラリーが集まってくるのを利用し、引き離す作戦を取る。それが項をなしたか、しょうがないとばかりに身体を離す。


「私的には勘違いされてもいいですが、雨宮先輩の事もありますから…。」

「あ、ありがとう…。」

「それじゃあ、先輩!又、部室にお邪魔しますね♪」


 それではまたと言い残し自らのクラスへと帰って行く去り際、ニヤリと笑ったのを櫻木栞は見逃さなかった。


「サンキュー栞。助かったわ…。」

「ううん、気にしないで。………。」







「はぁーあ、それにしても香織には困ったものだな…。」


 教室に着いて早々、雨宮くんが愚痴を漏らす。…当人がいない所でも変わらず下の名前を呼んでいるのが少し鼻に付く。


「大変そうだね…。恋人のフリ…。」

「本当だよ!これが後、一週間だぞ!身が持たないぜ!大体、恋人役なら同じ演劇部の先輩にでも頼めば良かったんだ!」

(…たぶんそれは、雨宮くんと恋人気分を味わいたいからだと思うよ。…とは言えないよね。雨宮くんは鈍ちんさんだからなぁ…。とは言っても私も確証がない勘なんだけど…。) 


 私がこの話しを言うまいかどうか苦悩していると、ある人物が喋り掛けて来た。


「おはよーさん御両人。どした?そんな悩んで?」

 

 肩まで伸ばした黒髪に、眼鏡を携える以下にも真面目そうなこの人物は、田原菫。同じクラスで私達の友人である。彼女とは青春応援委員会を発足した時からの付き合いだ。


「聞いてよ田原!実はさぁ……。」


 雨宮くんは事の顛末を依頼人は伏せながら菫に話したが、話し終わった後、菫は雨宮くんにちょっと待っててと言い残し、私に手招きをした。


「ちょっと、どういうことよ。あんた、その依頼を突っぱねなかったの?」


 少し離れた所で耳打ちしてくる菫はこの依頼を受けた事に驚いている様子だった。


「そんな事してると雨宮取られるよ。」

「うー、分かってるけど…依頼を断る訳には…。」

 

 彼女は私が雨宮くんに好意を持っているのを知る、唯一人の友人である。


「そんな事言って、その依頼人?とやらも雨宮狙いなんでしょ?」

「…やっぱりそう思うよね…。」

「まぁ話しを聞いている限りね。私はその場には居なかったし。しっかしあんたは積極的なのか奥手なのか分からんね。」

「私だって、恋する乙女だもん。複雑なんだもん。」

「おーよしよし。可愛いねーあんたは。意地らしい!」


 気が弱くなっている私にわざとらしく髪をわしゃわしゃとしてくる菫。…こんな事を相談出来るのも心配してくれるのもこの娘だけだ…。

 

「もう!髪の毛がボサボサになるでしょ!心配しないでもちゃんと作戦を考えて来たんだから!」


 そう言う私を見る菫の眼は期待していないように感じられた。







 


 





 



 

 










 






 






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