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新大陸の冒険者支援課 ~新大陸での冒険は全て支援課にお任せ!? 受け入れから排除まであなたの冒険を助けます!~  作者: ネコ軍団
第5章 メスガキヴァンパイアハンターは蝕まれる聖都を目指す!

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第561話 光を放つ聖剣

 休憩が終わりグレン達は立ち上がって山を下りる。マージャは先導のため皆の前に出た。


「グレンさん! こちらですよ!」


 振り向いて笑って嬉しそうにグレンに声をかけるマージャだった。頬を赤くする彼女をクレアは苦々しく見つめて腕を組んだ。


「やっぱりヴァンパイアとの同盟は破棄すべきですね……」

「どっどうした? 急に?」


 腕を組み不満げにつぶやくクレア、グレンはいきなり不機嫌になった彼女に驚き声をかけた。クレアはグレンを一瞥し不服そうに口を尖らせた。


「なんでもないです。グレン君嫌いです」

「はあ!? なんでだよ!?」


 視線を横に向け冷めた目でグレンを見たクレアは一人で歩き出しマージャに続く。唐突に嫌いと言われわけがからず困惑しグレンはすぐに動けず立ち止まっていた。

 彼にララが近づきにんまりとほほ笑み口を開く。


「プッあんた大変ね」

「鈍感だべな…… はぁ」


 笑うララの横にラピがいてグレンにため息をついた。二人もグレンを置いて先に行ってしまった。


「なっなんなんだよ…… ったく……」


 置いて行かれたグレンはぼやきながら後を追うのだった。蛇行した山道を下っていくグレン達に崩れた石造りの城壁が迫って来る。

 砦の城門の前でマージャは立ち止まった。城門の扉は斜めに半分に斬られたように破られていた。金属製の扉が切られた部分が溶けたようにぐにゃぐにゃになり、他の表面に傷はなく強い一撃で破壊されたようだ。グレンはどこか見覚えがありそうな切られた扉を見つめていた。


「目撃情報が多いのは奥の建物ですね……」


 城門の奥に見える一番大きな建物を指すマージャだった。クレアがマージャの横を通り過ぎ前に出た。


「じゃあここからは私達が先導します。行きましょう」

「あぁ……」


 先頭はクレアでララとラピの後をマージャが進みグレンが最後尾を進む。城門の向こうは両脇にオレンジ色の屋根の建物が縦に並ぶ石畳みの道が続いている。城門の向こうは砦というより小さな町の通りのようになっていた。石畳みの道と建物間には一メートルほどの土で雑草などが覆い茂っていた。


「!!!」


 歩いていたクレアが視線を横に動かしすっと右手を背中の大剣に回した。グレンは彼女の動きにいち早く気づきすぐ前に居るマージャの肩に手を伸ばした。


「止まってください」

「止まれ!」

「えっ!?」


 立ち止まり剣に右手をかけたまま左腕を横に出して声を上げるクレアだった。グレンもマージャの肩に手を置きクレアとほぼ同時に声をあげた。


「どうしたんですか?」


 振り向いて首をかしげるマージャにグレンが口を開く。


「何か来る……」

「グレン君! もう取り囲まれてますよ!」

「チッ!」


 右手を腰に剣に手をかけたグレンは振り向きマージャを背中に隠すようにした。素早くグレンは剣を引き抜いて構えた。直後……


「「「「「キシャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」」」」」


 石畳みの道や土から白いボロボロのシャツに黒や茶色のズボンを履き、サーベルを持った骸骨が土から生えて来た。骸骨の数は数十を超えあっという間にグレン達を取り囲む。


「これは…… パペットゾンビさんですか。みんな来ますよ」

「任せて!」

「おうだべ!」


 皆に声をかけたクレアは地面を蹴って前に出た。骸骨の集団との距離を詰めながら、彼女は背負った大剣を勢いよく引き抜く。


「はあああああああああああああああ!!!!」


 クレアは大剣を振り抜くと同時に振り抜いた。ほぼ水平に横に伸びたクレアの大剣は骸骨の頭部を横から振り払い砕いていく。


「「「「「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」」」」」


 石畳みの上に骸骨の破片が落ちて音を立てる。クレアの大剣は一振りで五体の骸骨の頭部を叩き割ったのだ。


「いぎぎ……」


 崩れ落ちる五体の骸骨に周囲の骸骨は怯えたのか動きが止まる。クレアは視線を左右に動かし、周囲を牽制してから後ろの皆に声をかける。


「頭を叩きつぶしてください! 弱点です」

「了解! 行くわよ! ラピ!」

「わっわかったべ!」


 返事をしたララが両手を上にあげる、彼女の両手の動きに呼応してベルトから銀の短剣が飛び出して浮かび上がっていく。ラピは腰に付けている金棒を外して右手に持った。


「はああああああああああああああ!!!」


 ララが両手を交互に交差させるように下に下す。浮かんでいた銀の短剣が骸骨たちに向かって飛んで行く。空気を切り裂く音を立て高速で銀の短剣は剣先を斜め下へ向け落ちていくようにして飛ぶ。


「「「「「いぎゅ!!!!!?????」」」」」


 銀の短剣は骸骨の足を貫いて破壊していく。バランスを崩して骸骨たちが前のめりに倒れていく。


「今よ! ラピ!」

「わかったべ!!!!」


 飛び上がったラピは金棒を振りかぶる。ラピは倒れた骸骨の頭部の近くへと放物線を描いて飛んでいく。着地と同時にラピは金棒を勢いよく振り下ろした。


「イギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!」


 大きな乾いた音が響きラピの金棒が骸骨の頭部を叩き割った。叫び声が響き骸骨の頭部が飛び散っていく。横を向いてララとラピを見ていたグレンがつぶやく。


「前は任せて平気そうだな…… おっと!」

「イギイイイイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 グレンの前に一体の骸骨が迫って来ていた。接近に気づいたグレンは剣を持っていた右手を前に剣を突き出した。鋭く前に突き出されたグレンの剣が骸骨の頭部に突き刺さった。


「イギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!」


 声をあげ骸骨の頭部が外れ体だけが倒れた。グレンは骸骨の頭部が刺さった剣を横に振った。剣からしゃれこうべが抜けて飛んで行って地面に転がって砕けた。


「面倒だ…… 一気に行くぞ」


 剣をさやに収めたグレンは目を赤く光らせ赤いオーラを纏う。同時に彼の体が大きくなっていく獣化全解放《ビーストモードプリズンブレイク》をグレンは使用した。


「さぁ…… 全員粉々だ!!!!!」


 大きな声で叫んだグレンは前に出た右手の拳を握り振り上げ骸骨を殴りつけた。鈍い音がして拳が骸骨の頭部に砕き破壊する。骸骨は声も上げられずガラガラと崩れていった。

 グレンは次々に骸骨を殴り破壊していく。


「チっ!」


 拳を引いたグレンの視線がわずかにあがり彼は何かに気づいて舌打ちをした。グレンは顔を横に向け叫ぶ。


「クレア義姉ちゃん! 上! 建物から沸いて出てる」

「えっ!? もう……」


 視線を建物へ向けるクレアに割れた窓から次々に骸骨が這い出て来るのが見えた。


「グレン君! 一気にいきます!」

「えっ!?」


 大剣を頭上で一回転させ剣先を下にして石畳みの道に突き刺した。両手を鍔にかけるクレアを見たグレンは慌てて前を向いて叫ぶ。


「ララ! ラピ! マージャ!目を逸らせ!」

「「「えっ!?!?!?」」」


 グレンの顔の横を強烈な白い光が通り過ぎていく。眩しく左手でグレンは左手でとっさに目を覆うのだった。


「キャッ!」

「キャア!」

「まぶしいべ……」


 マージャとララとラピが目をつむる。三人も白い強烈な白い光に照らされたのだった。光は砦の隅々まで光に包み込んですぐに消えていった。


「なんなのよ…… もう!」


 ララは目を開いて瞬きを何度もしている。眩い光でくらんでいた目が徐々に戻っていく。


「えっ!?」


 驚き目を大きく見開くララだった。自分達を囲んでいた骸骨があとかたもなく消えていた。


「すっすごい…… クレア…… 今って聖剣の光(ライトホーリー)よね?」


 皆の前にクレアは大剣を地面に突き刺し、つばをつかんでかがんだ姿で立っていた。ララに呼ばれるとクレアは体を起こして振り向く。


「はい。光属性の魔法ですね。アンデットさんたちを消し去ります」

「さすがクレア!」


 嬉しそうにするララにクレアは恥ずかしそうに笑ってすぐに真剣な表情になる。


「でも…… まだですよ」


 クレアは大剣を握ってゆっくりと引き抜くのだった。

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