第530話 姉は簡単に褒めない
引き寄せた女性をポーキーは近くの檻へと押し付けた。右手で彼女の髪を掴んで檻の鉄格子に押し付けながら左手を女性の足元へ伸ばす。
「なっなにを!? いやああああああああああああああああ!!!」
ポーキーは女性のスカートをまくり上げた。むっちりとした太ももに青い下着がさらされるる。
「ムホホッ!!!」
鼻の穴を大きくし興奮した、ポーキーの下半身が膨張して大きくなっていく。
「はははっ! そっちも溜まっているみたいだねぇ? ポーキー君は…… 彼女にどちらも満たしてもらいなよ」
クルベックはポーキーを見て笑っている。
「やめろおおお!!!! ポーキー!」
「ぐはは!」
「いやああ!!!!」
トーキーはポーキーを怒鳴って止めようとする。しかし、暴走したポーキーに彼の声は届かず熱くたぎった下半身を必死に女性の下着に擦り付けている。
「グアアアアアアアアアアアア!!!???」
「やめろ!!! 彼女を離せ!!」
勇気を振り絞って一人の男性がポーキーの足を蹴って止めようとする。必死に止める男性を見下ろしクルベックは嬉しそうに笑う。
「おぉ! 頑張るねぇ…… ただの人間なのに……」
お楽しみを邪魔にされポーキーは眉間にシワを寄せ足を蹴る男性に視線を向けた。
「あっああああ……」
ポーキーは女性から手を離すと振り向いて男性を見た。ポーキーは男性に手を伸ばして突き飛ばした。
「ガウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
突き飛ばされた男性は悲鳴を上げながら尻もちをついた。ポーキーは男性を睨みつけままゆっくりと近づく。
「あがが!! やめ…… やめろ!!」
「ウガアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
ポーキーが拳を振り上げた。大きな拳の影が尻もちをついた男性の顔を覆う。彼は目をつむり顔を背けた。直後にポーキーは拳を男性へと突き出した。彼の手に激しい衝撃が伝わり激しい音が砦に響いた。
「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
悲鳴を上げるポーキーだった。彼の拳の前には剣を振り上げた姿勢のグレンが立っていた。グレンの剣はポーキーの拳にめり込んでいた。
「ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
苦痛に顔を歪めてポーキーは拳を引っ込めた。ポーキーの拳には一直線に剣の痕がついており引くと同時に血が周囲に飛び散る。
ポーキーは右手を押さえてうずくまる。グレンは剣を下に向けポーキーに視線を向けた。
「でかいだけか? まったく……」
剣を軽く上下に振って血を拭うグレンだった。現れたグレンにクルベックが驚き声をあげる。
「なっ何者だ!? お前は!? くううううううううううううう!!!」
クルベックの視界にキラっと白い光が見え、彼は慌てて両手を前に出した。クルベックの右手が光って光の盾が現れた。直後に白い刀身の大剣が光の盾とぶつかった。
「ギャアアアアアアアアア!! グハ!!!!」
白い刀身は光の盾を破壊し衝撃でクルベックを吹き飛ばした。クルベックは地面へと向かって落下し檻に激突した。
「へぇ…… 私の一撃を止めましたか…… 腕がなまりましたかね……」
「厳しいなぁ。クレア義姉ちゃんの一撃を止めたんだから誉めてやれよ……」
「嫌ですよ。お姉ちゃんのほめほめはそんなに安くないんです!」
クルベックが居た場所にクレアが浮かんでいた。彼女は鉄格子に背もたれにし座っているクルベックを冷たい表情で見つめていた。
「なっなんだ…… こいつらは……」
悔しそうに顔を歪ませて鉄格子をつかんでクルベックが起き上がる。クレアはスッと地面へと下りていく。
「いっ!?」
「こいつらじゃありません。ヴァンパイアハンターです!」
クレアは着地すると同時に駆け出して一気にクルベックとの距離を詰めた。あっという間にクレアはクルベックの目の前へと現れる。クレアは刀身の先をクルベックの胸へ向け心臓を狙って突き出した。
「チッ!!」
必死に体を横にそらしてクルベックは大剣をかわした。心臓をなんとか避けたがクルベックの左のあばらから脇の辺りにクレアの大剣がめり込んでいく。
「グッ…… グアアアアアアアアアアア!!!」
苦痛に顔を歪ませて脇に刺さった大剣を押して強引に自分の体から外すクルベックだった。胸から脇から肉がえぐり取られクルベックの体から血が垂れる。
「あら!?」
大剣を強引に外したクルベックは背中かから翼を生やして広げると、必死に足に力を込め地面を蹴って横に飛んで行く。
「また逃げましたか…… ふふふ……」
大剣を突き出した姿勢で悔しそうにするクレアだった。ゆっくりと大剣を引いたクレアは体勢を戻して逃げたクルベックに視線を向ける。
「クソ! こいつがどうなっても良いのか?」
「クレア! 俺にかまう……」
逃げたクルベックはトーキーの横へと飛んで行き、サーベルを抜いて彼に突きつけてクレアを脅迫する。トーキーが自分にかまうなと叫ぼうとした。直後……
「グハアアアアアアアアアアアア!!!」
「いぎ!?」
黙ってクレアは左手の人さし指を立てクルベックへと向けた。光の剣が一瞬で伸びて行きトーキーの左肩を貫く。躊躇なくトーキーを攻撃したクレアに、クルベックは目を大きく見開き信じられないという表情をしていた。
「ヴァンパイアハンター相手にヴァンパイアを人質にするなんて愚かですね」
光の剣を消して左腕を下しクレアはにっこりとほほ笑んだ。砦に居るグレン以外の者達は彼女の行為に背筋が凍りつく。
「クソ!!! お前ら! 檻の人間を引きずり出せ」
「へっ!? でっでも…… こいつらは献上品ですぜ」
「うるさい!!! 早くしろ!!」
トーキーにサーベルを突きつけたままクルベックは周囲に指示を叫ぶ。周りに居るクルベックが指示に躊躇するが彼らを怒鳴りつけ強引に言うことを聞かせる。
ヴァンパイアたちは武器を取り檻を開けるために散らばっていく。クレアは視線をクルベックへと向け口を開く。
「卑怯者ですね?」
「褒めてくれてありがとう! さぁ? どうする? お前らの大事な人間が殺されちまうぞ!! キャハハハハ!」
甲高い声で笑うクルベックにクレアは落ち着いた表情をしている。彼女の態度が気に入らないのかクルベックはムッとした顔をする。
「おい! ポーキー! てめえもさっさと起きやがれ!」
「ぐあああ……」
ポーキーに向かって叫ぶクルベックだった。手を押さえてうずくまっていたポーキーが体を起こす。再生された右手の指を確かめるように軽く上下に動かすポーキーだった。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
起き上がったポーキーはグレンを見て彼を睨み殴りかかろうとする。
「おい! ポーキー! そっちじゃねえ。そっちの女をくれてやるから好きにしろ」
「ブホッ!? ブホホホ」
クレアを指してポーキーに向かって叫ぶクルベックだった。クレアを見たポーキーはクレアを見ると目じりを下げ興奮して鼻息を荒くする。ポーキーは舌を出しよだれを垂らしながら歩いてクレアの元へ向かう。
「いや! はなして」
「うるせえさっさと出て来い!」
ヴァンパイアたちは檻から人間達を引きずり出していく。グレンとクレアは周囲に視線を向け厳しい顔をする。
「キャハハハ! 動くなよ! お前ら! 少しでも動いたらお前らの大事な人間たちを殺すからな」
グレンとクレアを見て嬉しそうに声高に笑い、体を前に出し二人に向かって叫ぶクルベックだった。




