↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新大陸の冒険者支援課 ~新大陸での冒険は全て支援課にお任せ!? 受け入れから排除まであなたの冒険を助けます!~  作者: ネコ軍団
第5章 メスガキヴァンパイアハンターは蝕まれる聖都を目指す!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

517/542

第517話 神聖騎士の裏側

 ララとグレンは同時に暗がりに飛び込んだ。二人の目に女性に抱き着くジャンセンが見えた。彼はかがんでおり頭が彼女の胸につけられていた。ララはハッとして右手を振り上げジャンセンに短剣を……


「チュパ…… チュゥゥゥ……」

「えっ!? えっ!?」


 かがんだジャンセンが女性の胸に吸い付き唾液を叩くような音を立てている。彼の左手は女性のスカートの中に潜り込み何かをまさぐるようにうごめいている。下半身をいじられ胸を吸われた女性は顔をしかめ耐えているように見えた。二人の姿を見たララは顔を真っ赤にしグレンは呆れて笑っていた。


「はあああああああああああああああ!!! あんた何やってんのよ!!!」


 ジャンセンを怒鳴りつけるララだった。ララは顔を真っ赤にして涙目である。振り向いたジャンセンはララを見て怪訝な表情を浮かべる。


「お前らは…… ヴァンパイアハンター! クソ!」

「キャツ!!!」


 女性を突き飛ばしたジャンセンは腰に指した剣に手を伸ばし抜く。抜かれたジャンセンの剣は刀身が淡く水色に輝いている。彼は両手で剣を持って構えた。


「こうなったら…… いけええええええええええええええ!!!!」


 ララは右手を振り上げジャンセンへと向けて突き出した。浮かんでいた十本の銀の短剣がジャンセンへと向かって飛んで行った。ジャンセンは剣を持つ両手に力を込めた。


「はああああああ!!!」


 ジャンセンは飛んで来た短剣を次々に叩き落としていく。ジッとジャンセンはララを脅すように睨みつける。


「ふん…… まだまだ!」


 不満げに小声でつぶやくララは冷静にジャンセンを見ながら二本の指を前後に動かした。ジャンセンの正面に一本の短剣が向かって行く。叩き落とされた短剣よりも速度が上がり鋭くジャンセンの心臓を目掛けて銀の短剣が飛んで行った。


「ふん!!!!!」


 剣を振り下しジャンセンは正面から飛んで来た銀の短剣を叩き落とした。銀の短剣が地面に突き刺さった。ララは悔しいのかうつむいた。


「やるじゃない…… でもね……」


 にやりと笑ったララはさらに指を左右に広げた。ジャンセンの背後から一本銀の短剣が彼へと向かって行く。ララは正面に飛ばした短剣を囮にしもう一本の短剣をジャンセンの背後へと飛ばしていたのだ。剣を振り下した姿勢のジャンセンに背中を目掛け銀の短剣が迫る。


「はああああああああああああ!!!!!」

「なっ!?」


 振り向いて剣を振り上げるジャンセン、同時に彼の短剣は後方から向かって来た銀色の短剣を弾いた。弾かれた短剣は回転し放物線を描いてゴミの山へと落ちていった。衝撃でゴミの山がわずかに崩れ木片がジャンセンの足元に転がる。彼は視線を下に向け木片を蹴ってどかし振り向いてララを睨みつけた。


「わっ私の短剣が……」

「ふふん…… 舐めるなよ! クソガキが!」


 驚愕の表情を浮かべるララを鼻で笑い彼はまた剣を構えた。地面を蹴ってジャンセンがララへと迫る。


「クッ!!!」


 目をつむったララだった直後に大きな金属音が響いた。音に思わずララが目を開けるとグレンの背中が彼女の目の前にあった。

 ジャンセンの剣が振り下ろされる直前にグレンが、ジャンセンとララの間に割り込んで剣を受け止めていたのだ。


「まったく…… やっぱり詰めが甘いんだよ。ララは」

「ぶぅ……」


 片手でジャンセンの剣を受けながらグレンは視線を横に向けララに口を開いた。ララは頬を赤くし口を尖らせ不満げにする。続いて彼は右手に力を込め受け止めたジャンセンの剣を押し返す。


「よっと!」

「グワッ!!」


 押されたジャンセンは後ろに二歩ほど下がらされた。体勢を戻しさらに下がってグレンとの距離をとり剣を構えなおすジャンセンだった。剣を構えまっすぐにジャンセンはグレンを見つめる。グレンは右手を下し不敵な笑いを浮かべている。


「お前は…… 何者だ……」

「俺はグレン! こいつの教育係ってところだ」


 グレンは笑みを浮かべたまま視線をララに向けジャンセンに答える。


「きょっ教育係だと…… かまわん! 貴様もガキと一緒に始末してやる!」


 駆け出したジャンセンが一気に距離を詰めて来る。距離をつめつつジャンセンは両腕を引き、グレンに剣先を向け一気に突き出した。鋭く伸びて来るジャンセンの剣に視線を向け、グレンは口元を緩ませたまま彼の瞳の奥が光りだし黄色のオーラを纏った。先を下に向けていた剣をグレンは勢いよく振り上げた。

 金属の擦れるような大きな音が響き火花が舞った。


「さすが聖都の騎士だな。良い腕しているじゃねえか」

「クッ……」


 突き出した両腕を弾かれ、腕を両腕をあげた姿勢で後ずさりするジャンセンに笑いかけるグレンだった。再度グレンに切りかかろうと、ジャンセンは必死に踏ん張り体勢を直し両手に力を込めた。


「なっ……」

「終わりだよ!」


 グレンはジャンセンとの距離を詰めていた。彼は必死に体勢を立て直そうとしていたジャンセンを澪卸剣を振り下した。グレンの剣はジャンセンの左前腕に命中し甲冑が歪み鈍い音がして彼の腕は曲がった。

 ジャンセンの手から剣が滑り落ち彼の横に落ちた。後ずさりジャンセンは膝ついた。


「うがあああああああああああああああああああああ!!!!!!! 腕…… 腕がアアアアアアアアアア!!!!!!!」


 右手で左手を押さえ上を向き、苦痛に顔を歪め声を上げるジャンセンだった。


「腕一つで終わらせてやるよ。殺すとうるせえのがいるんでな」

「うぎゅ!!!!」


 グレンがジャンセンの胸を蹴って仰向けに倒した。倒れたジャンセンの腹を足で押さえてつけ剣を喉元に突きつけた。


「さて…… これで…… おっと逃がすな! ララ!」

「任せて!」

「キャッ!!!」


 女性が走って逃げだそうとした。気づいたグレンがララに指示を出す。ララは右手をゴミの山に向けすぐに女性に向け突き出した。彼女の手に反応したゴミの中に縄が飛んで行った。女性の足に縄が絡んで転んで悲鳴を上げた。


「残念ね! 千の手を持つ私からは逃げらないわよ」

「調子に乗るな! さっさと二人に縄をかけろ捕まえろ!」

「わかったわよ。グレンのくせに!」


 ララは不満そうに口を尖らせ返事をし右手を横に動かし、ゴミの山から縄を探して浮かび上がらせるララだった。

 縄に縛られたジャンセンと女性がグレンとララの前に座らされている。ジャンセンの腕はグレンによって応急処置され添え木がされている。


「さて…… あんた達は何をしていたの?」

「ガキに分かるのかしら? 大人の関係なの!」


 両手を腰に当てララが尋問を始めると女性は彼女を馬鹿にしたように答える。ララは暗がりに飛び込んだ光景を思い出し顔を真っ赤にした。


「ふふふ! やっぱりガキじゃな…… ヒッ!」


 銀の短剣が飛んで来て女性の喉元に突きつけられた。


「おい。加減しろよ…… いや…… どちらか殺したら素直に吐くかもな」


 グレンがにやにやと笑って女性に顔を向けると女性の顔は青ざめていく。


「私は違う! こいつが…… もっと良い物を拾いたいなら金を…… 私はお金がないから体で……」

「おい! 黙れ!」


 話を始めた女性をジャンセンが怒鳴りつけた。グレンは腕を組み顔をしかめうなずいた。


「そういうことか……」

「どういうこと?」


 首をかしげるララにグレンが答える。


「こいつはゴミ拾いをするから金を巻き上げていたんだ。金がないやつは自分に奉仕させたってわけさ」

「うわあ…… 何が寄付を受け取れないよ…… 最低……」


 侮蔑の表情をジャンセンに向けるララだった。ジャンセンはゴミ拾う貧民から場所代と称して金を巻き上げ払えない女性などからは体で払わせていたのだ。

 ジャンセンは自分に侮蔑の表情を向ける眉間にシワを寄せる。


「何が悪い! 私達はこいつらが暮らせるように……」

「ガハッ!」


 グレンがジャンセンの顔を蹴った。彼は横に吹き飛ばされ地面に転がる。


「悪いに決まってんだろ! ゴミ捨て場を作ったのはオフィーリアだ。やりたきゃてめえで作ってやれ!! 人様のもん勝手に利用すんじゃねえ!!」

「グッ……」


 転がって背中を向けるジャンセンにグレンが吐き捨てるように叫ぶのだった。ジャンセンは悔しそうな表情で地面を見つめていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。