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新大陸の冒険者支援課 ~新大陸での冒険は全て支援課にお任せ!? 受け入れから排除まであなたの冒険を助けます!~  作者: ネコ軍団
第5章 メスガキヴァンパイアハンターは蝕まれる聖都を目指す!

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第473話 お姉ちゃんは偉大

 左手に光る大剣、右手には白い大剣エフォールを持った、クレアがレイニー向かって飛んで行く。向かって来るクレアをレイニーは眉間をシワに寄せ睨む。


「私が負けるわけ…… ないのよ!!!」


 レイニーはクレアに向かって左腕を突き出した。レイニーの腕に巻き付いていたバラの茎がクレアに向かって鋭く伸びていく。同時に彼女の体を包むバラのドレスが銀色へと変化し、伸びた茎も銀色へと変わっていく。


「はっ!」


 クレアは左手に持った光の大剣で弾いた。光る大剣に茎は切り落とされ、棘が飛び散り茎は根元へ向かって歪むように曲がった。クレアは前を見てつぶやく。


「体が銀色に…… はっ!」


 目を大きく見開いたクレアは素早く体を横に向けた。振り返りながら右手に持った大剣を振り抜く。クレアの左からレイニーの右腕から伸びた無数の棘が無数に生えた銀色の茎が伸びて来ていた。激しい音が響き大剣はバラの茎をを切り裂き破壊した。

 茎をくだいたクレアは大剣を振り抜き右腕を伸ばした姿勢で視線をレイニーに向けた。


「ふふ」


 クレアと目が合ったレイニーは不敵に笑った。彼女は両手の指先をわずかに動かした。砕かれた茎から飛び散った棘が赤く光り出してクレアを取り囲む。


「しまった!」


 一斉に棘がクレアに襲い掛かった。クレアは体を反らすといくつもの棘が彼女の前を通り過ぎていく。体を前に戻しながら左腕を勢いよく振り上げた上から向かって来た棘が彼女の光の大剣ではたき落とされていく。上が開いたクレアは地面を蹴って大きく飛び上がった。棘が一斉にクレアが居た場所へと飛んで行く。

 視線を上に向けクレアは両腕に持った大剣を前に交差するように何度も斬りつけながら撃ち落としそこねた棘をかわしながら城の天井へ向かって行った。

 天井の球柄で


「はっ!!!」


 背中を向いてクレアが右手の大剣を振り上げた。最後に残っていた棘が一本飛んで来たクレアの大剣は棘を砕いて破片が周囲に飛び散った。クレアは大きく目を開いて顔を横に向けた。


「クッ…… ちょっとだけ油断しましたね」


 飛び散った棘の一つがクレアの頬をかすめていった。破片が地面に落ちる音を聞いてクレアの動きが止まった。彼女の棘によって切られた頬から血が垂れていた。クレアは両手に持った剣を下に向け下を向く頬を伝って血が床へと落ちていく。レイニーは血を流すクレアを見て笑った。


「ははは! どう? 次は穴だらけにしてやるわ! 私は負けないわ…… えっ!?」


 うつむいて佇んでいたクレアが静かに顔をあげた。ゆっくりと横を向いたレイニーとクレアの目が合う。


「ふふ…… 面白いですね」

「あっあああ……」


 笑ったクレアの左手を開いて光の剣を消すと、手首をまげ手の甲で頬の血を拭った。頬の傷が緑色の光に照らされ塞がり綺麗に元通りになった。笑うクレアは自信に満ち溢れレイニーには不気味に映り恐怖の声をあげた。


「お姉ちゃんがちょっと血を流しただけで弟や妹が動揺しちゃいますからね」


 左手の甲についた血を見たクレアの瞳がやや鋭くなる。優しさに包まれていた彼女の周囲の空気が一気に冷えていき目には殺気がこもっていく。レイニーに映るクレアは影に覆われたようになり、冷たい目だけの光が見えているようになっていた。


「ちいい!!!」


 レイニーは両腕を前に突き出した。両腕に巻き付いたバラの茎から無数の棘が飛び出した。棘はクレアに向かって不規則に動きながら一気に向かって行く。

 棘の動きを確認するように視線は移動させた、クレアは今度は動かずに右手に持った大剣を軽く振り抜いた。大剣は先頭を飛んでいた棘を粉砕する。彼女が振り抜いた大剣の一撃は重く衝撃波が周囲に飛んで行った。ライニーが飛ばした棘は全て粉々に砕かれた。棘が砕けた銀色の粒がクレアの周囲に飛び散り星のように光り幻想的な輝きを発していた。


「一撃で…… クっクソ!!」


 勇気を振り絞ってレイニーが前に出る。銀色のドレスをたなびかせて一直線にクレアへと飛んで行く。彼女の右腕の茎が伸びていった。茎は腕の先から一メートルほど伸びてブランと垂れ下がっている。


「キエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!」


 レイニーはクレアに近づくと右腕を大きく振り上げ、クレアに向かって振り下ろした。鞭のようにしなりながら

 クレアはほとんど微動だにしなかった銀色の茎が迫ると軽く右手に持った大剣を振り上げた。クレアの大剣とレイニーの茎が激突した。右腕を振り上げた姿勢でクレアは顔をしかめた。


「どう?」


 鞭のような銀色は茎はクレアの大剣に巻き付いたのだ。レイニーは笑って右腕を引いてクレアの大剣を動かせないようにして今度は左腕を振り上げた。クレアは引っ張られていた大剣を軽く引っ張り返した。


「ギャウ?!?!?!」


 軽く動かされたクレアの大剣は茎を簡単に切り落とした。茎を引っ張っていたレイニーはバランスを崩し変な声を上げた。すぐに大剣を戻したクレアは前に出る。


「クソ!!!」


 左腕に力を込めたレイニーだった。垂れ下がっていた茎が伸びて剣のように一直線になった。距離を詰めたクレアがレイニーに大剣を振り下した。レイニーは左腕を上に持って行きクレアの大剣を茎で弾こうとした。しかし……


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


 振り下された大剣は茎をあっさりと切り落とし、レイニーの肩にめり込み脇腹辺りまで切り裂いた。悲鳴を上げるレイニーをクレアはジッと見つめている。


「ふぎゃあ!?」


 クレアは大剣をすぐに戻しながら大剣を肩から引き抜くと同時に彼女を蹴りつけた。レイニーは床へと向かって落ちていき叩きつけられた。衝撃で城が揺れ床には天井から埃が落ちていく。床はレイニーが叩きつけられた衝撃で破壊され砂煙が舞い彼女の姿が見えなくなっていた。

 床に視線を向けながら静かにクレアは床に着地した。着地したクレアはゆっくりと歩き出しレイニーに近づく。


「なっなぜだ! 私は…… 私はブラッドラベルの力で……」


 左肩から血を吹き出しながら座った姿勢のまま悔しそうに眉間にシワを寄せクレアを睨むレイニーだった。レイニーの前に来たクレアは大剣を振りかぶってレイニーを見下ろして優しくほほ笑んだ。


「私はノウレッジの銀色怪物を絶対殺すマンの偉大な姉ですから…… ねっ!」

「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


 クレアが振り下ろした大剣はレイニーの頭を真っ二つに切り裂いた。クレアは剣を振り上げ戻すと足をあげ彼女の胸を蹴り上げた。レイニーは仰向けに倒れた。クレアは倒れたレイニーをジッと見つめ歩き出す。


「念のためです!!」


 地面に倒れたレイニーの横に来たクレアは逆手に大剣を持って彼女の心臓に突き立てたのだった。銀色だったレイニーのドレスはピンク色の戻っていた。


「ふぅ」


 小さく息を吐いたクレアは動かないレイニーから、大剣を引き抜いて軽く大剣を振って血を拭う。彼女の元へグレン達が駆け寄る。ダグオンがクレアの横に来てレイニーを見ながら口を開く。


「殺してよかったんですか? 彼女からキティルさんたちの場所を聞き出せたのでは?」

「はい。大丈夫ですよ。私達は地下から上がって来ました。レイニーさんはどこから来ましたか?」

「えっ!? あっ! そうか!」


 クレアはダグオンに視線を向け天井を指した。地下から上って来たグレン達をレイニーは二階から襲って来た。地下に居なかったキティルとラピは一階以上にいる可能性が高いということだ。


「あっ!! そうだ! あの服……」


 視線を天井から戻したダグオンはレイニーに視線を戻し何かハッとした。彼はジリジリとレイニーに近づいていく、瞳にはレイニーが身にまとう銀色のドレスに固定されていた。

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