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新大陸の冒険者支援課 ~新大陸での冒険は全て支援課にお任せ!? 受け入れから排除まであなたの冒険を助けます!~  作者: ネコ軍団
第5章 メスガキヴァンパイアハンターは蝕まれる聖都を目指す!

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第418話 まだまだ元気です

 話を終えたナウローとグレン達は運ばれてきた料理に舌鼓をうった。


「ふぅ…… 食べました。満足、満足です。ごちぞうさま!」


 食事が始まり二時間が経過していた。テーブルの上にクレアが四杯目のリバリティベアの煮込みを置いて満足げに膨らんだ腹をさすっている。


「タダだからって食いすぎだろ……」


 口の周りを煮込みのソースまみれにしている義姉にあきれたつぶやくグレンだった。グレンの言葉にクレアは眉間にシワを寄せ口を尖らせた。


「ムっ! 何を言っているんですか。オリビアちゃんの半分も食べてないですよー!」

「あれと比べるな! 人としてのプライドがないのかクレア義姉ちゃんは!」

「グレンさん…… さすがに言い過ぎですよ! それじゃあオリビアちゃんが化け物みたいじゃないですか…… まぁ化け物ですけど……」


 どこか自信なくグレンをたしなめるキティルを見てクロースが吹き出す。


「ふふ。本当にオリビアが居なくてよかったですわね。ここの料理は全部なくなりますわね」


 視線をあげ店の奥にあるキッチンから料理を運ぶ、ウェイターたちを見て懐かしそうに笑っていた。クロースは視線をグレンとクレアに向けて何かを思い出しようでおもむろに口を開く。


「そういえば二人は元気でしたか? 聖都に来る途中で会ったんですよね」

「夫婦でノウレッジの周りながら楽しんでいるみたいですよ」


 グレン達にオリビア夫妻について尋ねる。二人は屋台を引きながらノウレッジの各町を回り楽しそうに過ごしていた。


「まっ! あの人たちは仕事だってわかってないんでしょうか…… はあ……」


 話を聞いてため息をつくクロースだった。オリビアとグレゴリウスはキティルからの依頼で、屋台を引きながらノウレッジを回っていた。二人の任務はソーラから受けた情報を元にエリィとウォルフの居場所を探ることだった。


「わかっているんだよ。だから楽しんでるのさ。その方が怪しまれないだろ?」

「そうですね。大丈夫ですよ」

「本当でしょうか…… なんか不安ですわ」


 心配そうに視線を上に向けるクロースにグレンがあきれながら声をかける。


「信じてやれよ。勇者オリビアだぞ」

「あの人の本性を知ってればただの大食いですわよ」

「はははっ。そりゃそうだな」


 大きな声で笑うグレンをクロースは悔しそうに見つめている。クロースはノウレッジに来てから何度もオリビアの食欲で痛い目にあっているので笑いごとではないのだ。

 腹をさすっていたクレアが手を下しナウローへ顔を向け口を開く。


「さて…… じゃあそろそろ行くきますか。ナウローさんはもう帰って良いですよ。後はこちらでやりますから」


 立ち上がろうとするクレアにナウローが驚いた表情をした。


「えっ!? 休まないんですか?」

「えっと……」


 クレアは視線をララとラピに見つけた。ラピの前にはリバリティベアの煮込みの皿が一枚だけ置かれ、ララの前には二枚の皿が置かれている。


「私は大丈夫よ。飛竜船に乗ってただけだもん」

「おらも! 平気だべ」


 二人が手を上げて返事をしていた。グレンが二人を見て大きくうなずいた。


「なら大丈夫だな」

「じゃあ私はこれで…… 何かあればしばらくは冒険者ギルドにいるので」

「わかった。ありがとうな」


 ナウローが立ち上がり挨拶をして冒険者ギルドへと戻って行った。


「じゃあ俺達も…… うん!?」


 席から立ったグレンがララとラピの横で浮かない顔をしているキティルに気づいた。


「キティルは嫌なのか?」

「えっ!? えっと…… 実は少し疲れたかなって……」


 キティルはうつむいて気まずそうに答える。クロースはキティルの顔を見て大きくため息をついた。


「はあ…… あなた冒険者の頃より体力落ちましたわね。会長って言って座ってばかりいるからですわよ」

「なっ!? そっそんなことないもん」

「ほう。そうですか? このたるんだ下半身はとても訓練しているようには見えませんけどね?」


 クロースはキティルの太ももをつかんだ。ミニスカートであらわな太ももは贅肉で柔らかくびよーんと伸びていく。慌ててキティルはクロースの手を叩いて外した。


「やっやめてよ! ひどいよ。クロースちゃんだって!」

「なっ!? おやめなさい!」


 ムッとしたキティルはクロースのスカートの裾をつかんでまくり上げた。


「うわああ! すごい…… ミリアさんみたい…… 大人ね……」

「んだな……」


 勢いが余ってクロースの長いスカートは太ももの上までめくり上がり彼女の濃い青い腰の周りが透けた下着があわらになりララとラピの二人が声をあげた。


「あっ!?」


 グレンは真っ青なクロースの下着を見て頬を赤くして首を横に背けた。慌てて勢いスカートのすそを両手で押さえるクロースだった。


「むふふ」


 顔を背けたグレンの目はどこか嬉しそうでにやけて彼は拳を強く握った。ただ…… その表情を横の義姉が見逃すはずがなかった。クレアは眉間にシワを寄せグレンの足を勢いよく踏みつけた。


「いた! 何するんだよ!」

「別に……」


 口を尖らせ不機嫌そうに腕を組んでグレンに背を向けた歩き出した。グレンは不服そうにしながらも彼女に続く。ララとラピも二人に続く。


「ほら! 二人共! 喧嘩するなら置いていきますよ」

「まっ待ってください」

「待ってー!」


 歩き出してすぐにクレアは勢いよく振り向いたクロースとキティルに声をかけた。二人は慌ててグレン達を追いかけるのだった。

 宿から出たグレン達は通りをまっすぐ進み塔の中央へと向かう。歩きながらクレアは皆に口を開く。


「さて…… 天井監視所の移動は魔導エレベーターを使いますよ。一気に五十階までいけますからね」

「なんで一気に八十階まで行かないのよ? 面倒じゃない?」


 首をかしげるララにクレアは優しくほほ笑む。


「魔導エレベーターにも限界があるんですよ。今の技術だと五十階ずつじゃないと垂直移動は安定しないんです」

「そうか! 今の魔導工学だと人間と同じ魔力に出力はだせないもんね…… 魔導伝導の出力を安定する魔石加工の術式が必要よね…… だったら…… 風魔法アルファ出力を調整して…… オメガ言語で……」


 ララは上を向いて考えながらスラスラと言葉をだしている。横で彼女の話を聞いていたラピが口をあんぐりと開けていた。


「なんか難しいところ言ってるべな……」

「あぁ。こういうところはさすが魔法学校首席だな」


 グレンとラピはララの博識に感心していた。歩いていたララがいきなり振り向いた。彼女のまっすぐにキティルを見つめる。


「ねっ!? キティル!」


 同意を求められたキティルだったが、目をおおきく見開いて固まっていた。何もしない彼女に隣のクロースが尋ねる。


「答えてあげませんの?」

「えっ!? えっえっと…… そうだね…… えっ!?」


 目を細く腕を組んで冷めた目でララがキティルを見つめていた。


「どっどうしたの? ララちゃん…… そんなに見ないで……」

「じー…… あんた! 魔法工学のこと忘れたでしょ?」

「えっ!? そっそんなことないわよ」


 必死に首を横に振るキティルにララはさらにきつい目をして口を開く。


「ウソ! じゃあ。魔導エレベーターの出力安定に必要な。精霊言語はなに?」

「それは…… ヴェリハ…… バル…… だよね???」

「違うでしょ! ヴェリアバルは魔導エレベーターとかのパネルデザインに使う言語でしょ! アリハベルでしょ! もう! あと! 私の顔色を見て考えないで!」

「うう…… だって…… 私は魔法工学苦手だったの……」


 キティルをジッと睨みつけるララだった。睨まれたキティルは怯えたように顔を青ざめさせしょんぼりとうつむくのだった。


「いやあ! 優秀な後輩だな…… いや同級生だったな! 途中からの!」

「グレンさん! 気にしていることを言わないでください」

「ははっ。べー!」


 顔を上げ真っ赤にして叫ぶキティルにグレンは舌を出して逃げて行った。クレアとクロースは二人を見てあきれて笑うのだった。

 グレンとクレア達は魔導エレベーターに乗って五十階へ向かうのだった。

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