#5.何が何でも稼ぐんだから
玲奈の足が臭くなった事でホテルでは室内が臭くなってしまった。
リナが言った。
「コレ・・・ヤバくね?
もしアタシも同じようにしたら・・部屋中地獄の匂いになるんだけど。」
「何か、ごめん・・・。いや、私も本来靴下臭くするとか嫌だし、
普通に不快だし・・・やっぱ無しだよね、いくら売れるからって、
まぁ普通にしてて臭くなったのを売るくらいにしよう。
わざと臭くするのはちょっと、自分でもこの匂い無理だわ。」
二人は早く部屋を出たかった。
それくらいに不快な匂いが部屋に籠ってしまったのだった。
「何か、ホテルの人ごめんって感じ。」
「まぁでも、絶対足臭いおっさんとかいるじゃん?
それに比べればまだ、可愛いJKの足の臭さなだけマシじゃん?」
「いや、足の匂いって男女差は無いらしいよ。
まぁだって足だしさ、フェロモンとかも関係無いじゃん。」
「うへぇ~、じゃあアタシはおっさんの足の匂いを嗅がされていたのか~」
「いやまぁ、そこはおっさんよりかはマシでしょ!?
さすがにそこまでディスられ続けたら私傷付くんだけど!?」
こうして二人は何だかんだと言い合いながらホテルを出た。
そして街に出た時、リナが言った。
「ねぇ、玲奈。何だか今日は、マゾが捕まらない気がする・・・。」
「え、何言ってんのリナ。そういう日もあるかもだけど、
そんなのやってみなくちゃわかんないじゃん。
大体、今まで何だかんだでマゾ捕まって来たんだし、
結局上手く行っちゃうんじゃないかしら?」
「わー、何かアタシのポジティブ思考が玲奈にうつった?
うれしー!!」
こうして二人はランチを食べた後に早めにマゾ狩りを始めた。
しかしこの日は驚く程マゾが捕まらなかった。
「何でだろう・・・。今までが上手く行き過ぎただけなのかな?」
「普通はこんなものなのかも。
もう少し根気強く頑張ろう。」
こうして夕方を超えて夜になってしまった。
やがて綾が電車から降りて来るのが見えた。
「あー、綾ちゃん~。何かさぁ、今日はマゾ狩りが上手く行かなくて。
お昼過ぎから始めたのに、いまだに一人もゼロなんだよ~。」
すると綾は言った。
「そういう日もあるわよ。と言うより、これまでが順調過ぎたわ。
だから、お金はちゃんと使わないと。
それとその日に入ったお金を全部使い切っちゃダメよ。
二人には何か夢とかがあるのかは知らないけれど、
アタシの歳になってもずっと同じ事やってたら、
さすがに惨めになると思うからちゃんと将来の夢とか、
無理な事でも良いから目標はあった方が良いわよ。」
「うへぇ~、綾ちゃん何だか今日は大人だ~。
まぁ確かにアタシも一人で稼げるようになりたいって
学校を抜け出して来たんだけどさ・・・具体的には考えて無かった。」
「まぁでも、私達まだ二年だし、もう少しここでこうしていられると思う。
それでもやっぱり、将来ずっとこんな事ばかりやってはいられないね。」
結局この日は終電が終わってからも一人もマゾが捕まらなかった。
「嘘でしょ~!今夜のホテル、どうしよう・・・。
マゾ探し頑張ってたから無性にお腹も空いて来たし・・・。」
「だから私は言ってたじゃん、計画的にお金を使おうって。
大体、そんな都合良くマゾが毎日捕まるワケじゃないんだって。
こうなったらもう、野宿・・・あーでも、今更何かもう無理だよね。」
「せめてネカフェ泊りたいよぉ~!」
しかし生憎、近隣のネカフェはどこも満席だった。
「嘘でしょ・・このままリナと夜の街を徘徊しながら眠る事さえ出来ず?
マゾが捕まらないだけでこんなに惨めになるなんて・・・。」
しかしそこで、リナがある事を閃いた。
「ねぇ、玲奈。靴下3000円とか、ちょっと高いと思わない?」
「え、まぁそりゃ500円とかで買ってるヤツだし、高いよね。
だけど一応JKの匂い付きって言うプレミアだしさ。」
「玲奈、もし好きピのアクスタが100円で売ってたら買うっしょ?」
「そりゃ、お買い得だし手が届くし・・・って、あ、まさか。」
「そう!もう靴下じゃなく直脱ぎパンティを2000円で売る!!」
「アンタ、でもそんな事しちゃったら・・・」
「だけどもう体を汚さずに現金化する方法はこれしか無くない?
もう止めても無駄だよ、アタシ達の今夜の宿の為、行くからね!!」
そう言うとリナは走って行ってしまった。
こうなっては玲奈はここで待っているしか無かった。
しかしまばらな人の影を見るうちに、自分も何かしなければと思い始める。
やがて玲奈も靴下やパンティを値引き価格で販売し始めた。
~深夜3時~
もうかなり眠い目をこすりながら、二人はようやく落ち合った。
それぞれに現金を8000円、5000円、手にしている。
「えへへ、何とか頑張ったね。もう眠いし、早くホテル行こ。」
こうして二人はかなり遅くなってしまったものの、
ひと時の休息を得る事が出来るのだった。
「だけど、今から泊ってもあんまり眠れないよね。
何か無いかなぁ。」
「ビジネスホテルじゃなくてさ、ラブホで良くない?
そんな満室になる事も無いだろう、部屋とお風呂広いし。
多分変な時間でも、入室後20時間とかプランあると思う。」
「なるほど!じゃあ早くそれにしよう!」
こうして二人は少し街外れにあるラブホテルまで歩いた。
そこで20時間コースで入室し、翌日の日が変わるまで居られる。
「ハァ~、さすがにもう限界。ごめんけど、服着替えずに寝るね~。」
リナは本当に限界だったようで、すぐに眠りに就いてしまった。
玲奈もせめてメイクを落としてからと考えたが、少し横になり
身体を休めるために横になった途端、気付けば眠っていた。
~10時間後~
玲奈が起きたのは昼の14時だった。
外からの日差しが入らない為、時間感覚があまり無かった。
TVを点けると昼のワイドショーがやっていた。
リナはまだ眠っていた為、起こさないようにしながらシャワーを浴びる。
「はぁ、いつまでこんな自由な暮らしを続けられるんだろう。
でもきっとリナなら、出来る間はやろうって言うんだろうな。
まぁもう少しこのまま、自由気ままで不安定な暮らしを続けてみるか。」
玲奈が先に無料食事サービスを頼もうとしていた時、リナが起き出した。
「ありゃ、玲奈先に朝ごはん食べようとしてる~?
アタシも一緒に食べるから、玲奈と同じの頼んどいて~。」
そう言ってリナは二度寝してしまった。
しかし15分後に食事が運ばれて来た。
「ほら、リナ、起きなよ、食事運ばれて来たよ~、リナ!」
「むぅ・・・あ~そっかぁ、もう起きなきゃだよね、流石に。
って、えぇ!?食事は良いけど、何で飲み物ミルクなの!?」
「いや、だって私と同じで良いって言ったじゃん。」
「食事は一緒で良いけどさー、出来れば炭酸が良かったなー。」
「それなら先に言いなさいよ、子供みたいねリナ・・・(笑)」
二人の間には、あんな遅くまで頑張って何とか自力でここまで辿り着き、
きっとこれからも何とかなる、そんな安堵感が広がっていた。
しかし一方で、街の方ではある事が起こっていた。
昨日のサービス価格での靴下やパンティの販売が掲示板に書かれ、
相場より安く可愛いJKの衣類が買えると変態達が集まっていた。
駅前広場は異様に男が多い景色となり、子供連れの母親はそこを避けた。
「ハァ~、JKちゃん達まだかな~、パンティ1500円は安過ぎっしょ。」
「靴下、最後には500円で投げ売ったとか・・・それなら100足買う」
それを知るよしも無い彼女達は室内備え付けのゲーム等で遊んでいた。
そしてやがて退室時間が近づき、退室時間の少し前に部屋を出る。
「さぁ、今日もマゾ狩りしようか~、まぁ今日は余裕を持って、
通常価格で売ろうね~。」
しかし駅前広場に出た彼女達を待ち受けていたのは、安値を求める人達。
「キミ達が昨日衣類を安売りしていたJKかな?
パンティ1500円で良いの?ねぇ。」
「靴下500円とか安過ぎだろ、早く売ってくれ。」
彼女達はこの時、昨夜の自分達の行いが相場の暴落を招いた事を理解した。
「あ、えーと、昨日のは初日大サービスだっただけです。
だから、今日からは通常価格になります!」
正直、男達の反応が少し不安ではあった。
もしここで「ふざけるな!」と集団で襲われたらひとたまりも無い。
そうなる前に今日も安売りする心構えをしておいた。
しかし、彼らの反応は意外とアッサリしたものだった。
「あ、そうなんだ、仕方ないね。
でも君達可愛いし、靴下買おうかな。」
あくまで一般の小売店のような正規ルートの商売では無い為、
価格は彼女達の言い値である。
それを理解しているマゾ男達は言い値で買い始めた。
そしてあっと言う間に今日の宿泊代と翌日の昼食分が稼げた。
「ねぇ、リナ。何だか簡単過ぎない?
本当にこれで良いのかしら。こんな生活を続けていたら、
いつか楽に稼げるのが当たり前になって、普通の仕事が出来なくて
社会に戻れなくなりそう。」
「それはアタシも考えるけどねー、とは言え売れる間は仕方なくない?
せっかくのJKチャンスタイムを無駄には出来ないっしょ。」
「まぁ、確かに長くてもあと1年と数か月だもんね、Jkブランドは。
あ、留年したらその限りじゃないけどさ。
ってか私達って留年するよね?普通に、単位足りて無いし。
そもそも親は学費払い続けてくれるのかな。」
突然、現実的な事が頭に浮かんだ玲奈だったが、リナは楽観的だった。
「ま、どうせ学校行って無いんだからどっちでも一緒でしょ。
もし中退扱いになったら高卒認定試験受けて高卒なって、
それでバイトとか仕事応募すれば良いし。」
「リナ、アンタそれに受かると思ってるの?
さすがに無勉強では受からないと思うよ。」
「そこはホラ、玲奈が教えてくれるじゃん?」
「・・・・。
私だってここ数日の間に進んだ所はわからないよ。
何でだろ、私、こんな事して親に心配かけて・・・。
リナ、私もうそろそろ帰ろっかな。
やっぱり、親に心配かけらんないよ。」
「玲奈・・・。
アタシに止める権利なんて無いのわかるでしょ。
アンタは確かに進学校のお嬢様だもんね。
アタシみたいなのとつるむのは何か違うよ。
良いよ、おウチに帰りな、玲奈。」
こうして玲奈は、一旦自宅へと帰る事にした。
果たして玲奈の家族は玲奈を受け入れるのだろうか。




