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#45.マゾ除霊

挿絵(By みてみん)

マゾ霊王との除霊バトル



街に渦巻く、マゾ達の満たされない怨念。

それらは合体を繰り返しながら、やがて大きな一つの意識体となった。


『私はマゾ王だ。この街、いや国中の男達を全てマゾにする。』


やがて街に異変が起き始めた。

それまでマゾ性が全く無かったノーマル男性達が突然、

道を歩く女性達に踏んでくれと懇願したり、露出を楽しんだり、

唾を吐きかけられる事に興奮するとカミングアウトしたりし始めたのだ。


それはすぐにニュースで取り上げられ、マゾ狩り女子会も目を付けた。


彼女達は街の大きな公園で集合していた。

リナが話を切り出す。


「皆知ってると思うけど、街にマゾが増えてる。

 最近アタシ達の家にもマゾ霊が出て来てんじゃん?

 アレと関係無くはないと思うんだよね。」


杏がそれに応じて答える。


「マゾ霊達が何か悪さをしてるって事か。

 もしかしたら一人じゃ何も出来ないマゾ霊達が集まって

 一つの大きなマゾ霊になってたりしてな。」


りおんがそれを聞いて考察する表情になる。


「マゾ霊の王か…あり得るな。」


本来、マゾ狩りを生業としている彼女達にとって

街にマゾが増える事は何ら困った事では無い。

しかし、あまりにマゾが有り触れた存在になってしまうと

マゾ狩りと言う行為が再び一般に広まってしまう可能性がある。

そうなれば単価は落ちてしまいサービスも低下する。

彼女達にとっては自分事として、マゾの増加は問題であった。


綾が少し心配そうに言う。


「だけど、もしそんなマゾ霊達の集合体が出来上がっているとしたら、

 アタシ達だけで戦えるのかしら?相手はたくさんのマゾの集合よ?」


しかし、それにネオンが自信満々に答える。


「ま、何とかなるっしょ!

 何せアタシ達、これまでもたくさんの事件を解決して来たんだし?」


それは何の根拠もないように思えて、確かな実績の裏付けだった。


イブが現実的な話を始める。


「だけど、まずはそのマゾ霊の集合体に会わないとどうしようも無いわね。

 どこにいるのかしら、その諸悪の根源は。」


凛が願望交じりに弱音を吐いた。


「どこかに、マゾ度を探知出来るような機械があればな。

 それかそういう能力のある人でも良いけど…。」


彩名がそれに対して名乗りを挙げる。


「あ、ウチ何となくだけどわかるかも。

 街の中でマゾ度が高い場所を感じる事が出来る力があって、

 そこへ行くとマゾがいたりするんだよね。」


何と、彩名はマゾ狩りを行う上で最適な能力を備えていた。

更にエリカも名乗り出た。


「あの、私街の中で臭いスポットを見つけるのが得意なんです。

 もし霊が臭い所に集まるって言う噂が本当だとしたら、

 彩名ちゃんの能力と組み合わせればもしかしたら、

 マゾ霊王の居場所がわかるかもです。」


こうしてマゾ狩り女子達は街中でマゾ度が高いうえに臭い場所、

要するに街中の最低なドブのような場所を探した。


「ここ、マゾ度が高いよ。」


「匂いも、街中で最低クラス…いえ、最高クラスに臭いです。」


そこは、マゾ向けポスターが数多く張られた公園の一角だった。

金の無いマゾ達はここに来てポスターを見ながら抜く。

その際に小便もこの公園で済ませて行く為、マゾ達の匂いが立ち込める。


リナが吐き気を抑えながら言う。


「ちょ、マジで臭いんだけど…。

 こんな場所に比べれば女六人の所帯の方がマシだった…

 って、あ、りおん君居たよねあの時、ごめんね、

 女5人と男1人の所帯だったわw」


リナはわざと意地悪くそう言った。

りおんが恥ずかし気に答える。


「ちょ、ボクは女の子になりたいのにそんな言い方…

 でも、ちょっとだけ興奮しちゃいます♡」


リナのイジワルがりおんのM心を刺激した。

玲奈がそれをたしなめる。


「ちょっと、そういうじゃれ付きは後にして頂戴。

 多分この公園に、マゾ霊王がいるかも知れないんでしょ。

 それにしても本当に臭いわね、マゾ臭さとアンモニア臭が凄いわ。」


すると突然空が暗くなり、公園の中央に大きな若い男性の幽霊が

もわっと小便の蒸気のように立ち上がった。


『お前達…マゾを慰める者か』


綾が答える。


「いいえ、単にマゾからお金を巻き上げるだけよ。

 アンタ、マゾ霊王でしょ。あらゆるマゾ達の霊の集合体。

 街の男達をマゾに堕としてるのはアンタね?」


『最も、オレがこの街の男達をマゾに変えて行っている。

 もっともっとマゾが増えて行けば国も対応せざるを得ない。

 そうすればマゾを管理したりイジめる人々が多く現れる。

 社会の中でマゾの存在感を増す事によって、

 マゾ達のQOLも爆アドするという寸法だ。』


杏が「何が寸法だよ、この珍宝野郎」と言い、速攻攻撃を仕掛ける。


しかし、バリアにより阻まれてしまう。


『やめてくれ!オレ達マゾは他者との軋轢を極端に嫌う。

 ボクの心が傷付いて街中にマゾの雨を降らせてしまう前に、

 お前達もマゾの救済に向けて共にマゾ増加を祝おうじゃないか。』


そう言うとマゾ霊王は何名かの男性達をこの場に連れて来た。

見た所、マゾでは無い一般人男性だ。


『マゾになれ!!』


マゾ霊王がそう言うと、突然男達は卑屈になり始め、自ら乳首を掻いたり、

リナ達目掛けて唾を求めて駆け寄って来た。


「お姉さ~ん、ツバぶっかけて~♡」


「うげっ、一瞬にしてノーマル男性がマゾにされた!?

 ヤバい、こんな事されまくったら本当にマゾが増加しちゃうな...」


次々と増えて行くマゾ奴隷達。こうなってしまっては、

マゾ処理班とマゾ霊王と戦う班に分かれざるを得ない。


イブがマゾ処理班を申し出た。


「アタシと彩名、杏と凛、エリカちゃん、綾さんはマゾ処理班!

 後の4人でマゾ霊王を対処してくれるかしら!」


そうした中で、綾がエリカに質問をした。


「沙織ちゃんは、連れて来なかったのね?」


「えぇ、さすがにこんな戦いに来るには彼女はまだ経験が浅過ぎる。

 私だって何のお役に立てるかはわかりませんが、私の体臭はきっと

 多くのマゾさん達がお好きだとおもいますので。」


綾はそれで良いと思った。

むしろ、もしここにいるメンバーが全滅してしまった時、

マゾ狩り女子の意思を継ぐ者が一人でもいてくれれば良いと思ったからだ。

あとの事はマゾ神やリリスが何とかしてくれるはずだ、とそう思った。


この街の異常事態に、Youtuberの負けオスがカメラを回していた。


「皆さん、ご覧ください!

 街はマゾだらけになり、その中心、この街で最も臭いマゾ公園には

 何やら大きなマゾ男の霊がいます!

 そしてそこには・・・マゾ狩り女子達です!!

 今やこの街の運命は、彼女達にかかっていると言っても過言です!」


負けオスはYoutuberとして取れ高を意識して「過言ではありません」

と言う所を「過言です」と単純なワードミスをしたフリをした。

しかしそれは誰も気付かず、ただただスベっていた。


更に、街の展望タワーの屋上からはマゾ神とリリスがこの光景を見ていた。


「ふふ、見なよリリス。マゾ狩り女子達が頑張ってるよ。

 彼女達、これまで数多くの試練や困難の中で

 もうとっくにマゾに関わり過ぎている。

 それでもまだ自分達はマゾを単なるエサだと思ってるけど、

 今やこの街もマゾも、彼女達の手にかかってるんだよ。」


「フフ、アタシはただ、美味しい性エネルギーを摂取出来れば良いもの。

 だけど彼女達が調理した後のマゾは、凄く美味しいのよね。

 ある意味で言えば、精根尽き果てて味が無くなってるとも言えるけど

 不思議とマゾの身体の奥から本当の満足が湧き上がって来て、

 マゾ本来の旨味を引き出すのよ、あの子達のマゾ狩りは。」


こうして、これまでの物語の登場人物が総出で当たる今回の事件は、

単なるマゾ霊の浄化に留まらず、マゾ達の社会の中での存続を賭けた

大事なマゾデモクラシー運動であった。

この騒動に乗じて、隠れマゾ達は自らの性癖を打ち明けた。

そしてそれはマゾ霊王によるマゾ化のせいだと言い訳をした。


リナ・玲奈・杏・凛達4人はマゾ霊王に向かい合っていた。

彼が鎮座しているマゾ公園の中心部は非常に臭く、彼には近付けない。

リナがマゾ霊王に叫び掛ける。


「ねぇ、ヌいてあげるからこんな事はもう止めなよ?」


しかしマゾ霊王は一般ノーマル男性達を自らの元に引き寄せて、

次々とマゾにして行く事を止めなかった。


『フン、どうせお前達はオレ達マゾの金が目当てだろ。

 誰もマゾなオスの事を本気で好きになって愛してはくれない。

 だって気持ち悪いもんな?頼りないもんな?

 他に、イジめてあげるよ?って女が現れたら乗り換えそうだもんな?』


「・・・・・。」


リナは言い返せなかった。

その通りだと思ったからだった。


そこへ玲奈がマゾ霊王に話しかける。


「だけど!マゾだって生きていて良いはずよ!!

 誰もマゾの基本的な人権とか主権みたいなものまでは

 奪えないはずなの!!」


『フン、綺麗事を。オレ達マゾがこれまで社会でどれだけ基本的人権を

 踏みにじられて来たのか、映像をお前達の脳内に流し込んでやるよ。』


玲奈達四人の脳内に突然、マゾ達がこれまで受けてきた弾圧の歴史が蘇る。

好きな子の前で服を脱がされて興奮してしまった所を笑われて、

そのまま公開自慰を強要されて泣きながら最高の鬱勃起で射精したシーンや

剃毛した股間を緊急入院の時に看護師の女性に見つかって鼻で笑われた事や

営業成績が最下位の為、義理チョコでさえスルーされてしまった屈辱、

あらゆるマゾ差別とでも言うべき行為が再生された。


「こ、コレは・・・・。」


『マゾにも主権?基本的人権?お前が言ってるのは単なる教科書だ。

 そんなものでマゾは救えない。オレ達はただ自分達の力だけで

 社会にその存在感を示して行くんだ。』


マゾ霊王は玲奈をむんずと手で掴み、大きな手で無理矢理に口を開いた。


『フン、小さくて可愛らしい口だな。この中にマゾの汚い液体を

 びゅるびゅると流し込んだらどうなるのかな?

 綺麗事を言うその口に汚い聖☆液(笑)を注ぎ込んでやるよ


そう言うとマゾ霊王は激しく自慰を始めた。

リナが玲奈に叫ぶ。


「玲奈、すぐに逃げろ!!

 ソイツ、今から射●精して玲奈の口内に流し込むつもりだ!!」


しかし警告虚しく、マゾ霊王は昂って来てしまう。


「う”ぅ、もう我慢の限界だ・・・」


そして口内を開く手間すら取れず、そのまま顔面に掛けてしまった。


「あ、しまった。暴発したな・・・。」


しかし、当の被害者である玲奈本人は息が出来ないくらいの匂いに

目を閉じ息を殺して耐えていた。


(何よ、この匂い…一体どれだけ不衛生なの…。

 って言うか、もう無理!限界!早く誰か何とかして!!」


玲奈の表情からみるみると戦意が失われて行く。


マゾ霊王が勝ち誇ったように言った。


「ハッハッハ、この勝負オレの勝ちだな。

 残りのお前達はマゾ達のオモチャに作り変えてやるぞ。」


マゾ霊王は決して焦らず、一つずつ順番に確実に進めて行った。

リナ達はこれで何度目かわからない、またもピンチに立たされた。

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