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#40.壊れた玲奈

サキュバス・リリスと身体を入れ替えられてしまった玲奈。

彼女を助ける為に再びマゾ神の住む場所へと走るリナ。

リナ一人では戦力が足りないだろうとネオン・りおん・エリカも

共に再びマゾ神の元へと向かう事になった。


リナがため息交じりに言う。


「ハァ、またあの山道を暫く歩かないとなのか。

 タクシーとか捕まれば良いんだけど、でもそもそも

 本当の山の中だもんね。あんな場所でどうやって暮らしてるんだろ。

 とにかく今は玲奈が心配だよ。」


りおんが更なる心配事についてを話す。


「玲奈もだけど、リリスと戦ってる杏達も心配だよ。

 二人だけでサキュバスに勝てるのかな・・・。」


ネオンがそれに応じる。


「杏は確かに表向きは強いけど・・・意外と脆いからね。

 凛だってそれを支えられる程の底力があるワケじゃない。

 もし綾ちゃんが来た所で…大して役に立てないし、ね。」


エリカが更に質問を投げかける。


「あの、私達本当にあの場に残らなくて良かったのでしょうか?」


リナがそれに答える。


「どの道、どちらに残ろうが向かおうがリスクだらけだよ。

 そしてどちらかと言えばはみ出て来たリリスよりも、

 本体と言えるマゾ神の方が人数は必要・・・。

 ハッキリ言ってこの人数でもマゾ神にまともに相手出来るとは

 思えないよね。」


りおんが頷く。

ネオンがスマホを手に配信を始める。


「ハァ~イ、久々の配信、ネオンだよ☆

 今からネオン達、マゾ神って言う一見すると凄いけど

 実はと~っても怖い人に会いに行くんだぁ。

 皆、もし私の配信更新が止まったら、止まったら、

 止まって、しまったら・・・・・・・・・。

 その時は、・・・・察してね。」


ネオンは自ら配信を開始しながら、すぐに終了した。

それは単に不安な気持ちをかき消すだけの行為であり、

本当に配信をしたいのでは無かった為だ。


リナがネオンの気持ちに寄り添う。


「ネオン・・・わかるよ。凄く不安だよね。

 だけど、玲奈は今一人でマゾ神と居て、凄く不安だと思う。

 アタシ達が助けに行って、たとえ返り討ちにあっても、

 一緒にマゾ人形とか?にされてしまったとしても、

 絶対に一人じゃなければ希望が持てると思うんだ。

 だから、行こう。玲奈を一人には出来ないから。」


全員がそれに頷いた。


~マゾ神の居所近く~


「ハァ、ハァ・・・。

 この山、もう一回登る事になるとはね。

 それにしたって、マゾ神の目的は本当にマゾによる世界の統治かしら。

 そんな事言いながら、実は自分が頂点になりたいだけだったりして。」


その時、リナにある声が返事をした。


「おや、またお客さん?って、またアンタ達かい。

 今丁度この娘の調教をしていた所だったんだ。

 見て行くかい?」


そこには、サキュバス・リリスの身体に魂を閉じ込められた玲奈がいた。


「玲奈!!・・・と呼ぶには、あまりに見た目がサキュバスね…。」


「リナ!!…ごめんね、こんな姿になっちゃって。

 私、油断してたわ。まさか助けに来てくれるなんて。

 だけどダメよ、今すぐに帰って頂戴。

 マゾ神は恐ろしい計画を考えているの。マゾ神は…」


しかしその瞬間、玲奈はマゾ神の鞭によりイってしまう。


「あぁっ!気持ち良い!!」


「玲奈!!」


「ふふ、コイツのこの身体、サキュバスの身体は確かに性的興奮が

 かなり起こり易いものである事は確かだ。

 しかしその内側に宿る魂により感度はある程度変化する。

 この娘の場合、感度が高いようだな。つまりはマゾだ。マゾメスだ。」


「・・・!!玲奈は、マゾメスなんかじゃない!!

 アタシと一緒にマゾ狩りをして来たし、絶対にノーマルかドSだ!」


「ふん、コレを見てもそう言えるのかい?」


そう言うと、マゾ神は玲奈の纏っていたわずかな衣装を剥いだ。

するとそこには罵詈雑言の数々が描かれていた。

『マゾ便器』『使い捨て』『不要なゴミ』等々…。

更には乳首と女性器にはピアスが打たれ、貞操帯も付けられていた。


「コイツ、性欲がかなり強い性欲猿だったからね。

 こうして貞操帯を付けてやらないとすぐに自慰を初めてしまうんだ。

 だから、感謝して欲しいくらいだよ。」


「…そんな!玲奈はオナニーなんてあまりしない…そんなにしない…

 滅多にしない子なのに!!」


リナが言い淀んでしまったのは、度々玲奈の自慰を見てしまっていたのだ。

しかしそれは別に非難されるような事でも無ければ、年頃の玲奈にとっては

必要なストレス発散のプロセスであった。


「ごめんね、リナ…。私のあんな姿、見たくなかったよね…。

 私ってば、リナが寝ていると思ってこっそりトイレとかお風呂で…。

 見ちゃったリナがトラウマになるかも知れないのに、ごめんね!」


そう言うとリナは貞操帯の上から女性器をカリカリと掻き始めた。

もちろんその手や指は届く事は無い。


「う”ぅ…掻きたいのに掻けないの、つ”ら”いよ”ぉぉ~!!」


玲奈の理性が崩壊しかけていた。

コレは玲奈の本性では無い。ただマゾ神の側にいてその「何か」を

濃密に感じ続けていた数時間の間、それが玲奈を狂わせたのだ。


「玲奈…必ず助けるよ。ごめんね、恥ずかしいよね。

 そんなみっともない姿を晒させられて、

 誰よりもプライドの高かったアンタが、こんなの泣いちゃうよね。

 マゾ神、絶対にお前を許さないから!!」


しかし、マゾ神は余裕の態度でそれに応える。


「ふん。コレは別にアタシが何かをしたってワケじゃないよ。

 ただ、アタシの圧倒的な存在感やオーラをこの娘が長時間浴びて、

 元々感度が高い子だったんだろうね、頭が焼き切れてしまったんだ。」


「…そんな!それじゃあ、玲奈は…!!」


「そう、残念ながらアタシを倒しても、元には戻らない。

 だからアタシは居所を子の山奥に移した。

 一般人にはあまりに強過ぎるんだ、アタシのオーラ。」


そう言うと、マゾ神はリナの側に近付いた。

そしてマゾ神がオーラを解放した。


その瞬間、リナの身体中の毛がゾワッと総毛だった。


(コ、コイツはマジでヤバい…!!

 今すぐ逃げなきゃ、身体中が警告を発してる。

 生物レベルで存在としての格が違う。

 こんなのの側に居たら、そりゃ頭が焼き切れちゃう。

 玲奈が特別弱かったワケじゃない。

 このオーラ、圧倒的な雰囲気に、人は耐えられない。

 こんなの…最初から無理だったんだ。

 何で、最初に会った時に気付かなかったの?」


「ふふ、何で最初の時にはわからなかったのか、とでも

 言いたそうな雰囲気だね。あの時は客人だったからさ。

 オーラを最大限に抑えていた。だけど、オーラは抑えるよりも

 自然に放出している今の状態の方がアタシにとっては自然体だ。

 だから、抑えるのなんて凄く疲れるんだよね。

 この娘は気に入ったから側に置いたんだ。

 凄く賢くて芯の強い子みたいだったからね。

 だけど..『壊しちゃって、ごめんねぇ』」


マゾ神は、見る者の心を奥底から抉り出すような恐ろしい顔で言った。

その瞬間、この場の全員の心が凍り付いた。

気に入った、なんて嘘だ。いや、嘘では無いかも知れない。

ただ、可愛がる、という目的で無かったのは確かだ。


理知的で、芯が強い。そんな玲奈を壊す事を楽しむ為に側に置いた。

そしてもしかすると、いや確実に、それを助けに来る事もわかっていた。

そして今、こうしてリナ達の前で玲奈を完全に壊す事を楽しんでいる。

リナは確信した。マゾ神は本当にマゾ神だ。コイツは、確実に『ドS』だ。


「ネオン、りおん、エリカ、下がってて。

 ここはアタシ一人でやってみるよ。

 それでもし無理そうなら、全力で逃げて。

 アタシは玲奈を一人きりにしたくなかったんだ。

 だから、玲奈と一緒にここで壊れられるならそれでも良い。」


「そんな…」とりおんとエリカが縋るが、リナの意志は固かった。

唯一ネオンだけが、リナの覚悟を受け取っていた。


「来いよ、マゾ神。アタシが相手してやるよ。

 アタシは玲奈みたいに理知的でも芯が強くもないけど、

 アタシの大切な玲奈を壊した事についてだけはケジメを付けたい。

 タイマンでやろうぜ。って言っても、暴力じゃなくて快感勝負だろ?」


「フン。アタシが直接相手をしてやるとでも思ったのかい?

 アンタの相手はこの壊れた娘さ。最高の友達なんだろ?

 だったら二人で一緒に壊れな。まぁ、見届けてやるよ。

 憐れな二匹の子猫が共に噛み付きながら壊れて行く様を。」


玲奈はすぐにリナの側に寄って行き、股間を差し出した。


「リナ、お願い、お願いぃ~!!

 コレ、コレ取ってぇ~。掻けないの、辛い、辛いよぉ~!!」


既に玲奈がかなり快感の虜に堕ちてしまっている。

リナは玲奈を抱きしめ、キスをした。


「ん…ごめんな、玲奈。こんな恥ずかしい姿を晒させてしまって。

 そうだな、痒いよな?今、性欲が高まりまくって大変なんだな?

 良いよ、アタシの腕が壊れても、この貞操帯を壊してやるよ。

 オラァ!!」


リナは鋼鉄製の貞操帯にパンチをした。

もちろん、そんなもので壊れる代物ではない。

しかし、リナは執拗に何度も何度もパンチを打ち付けた。

やがて、拳には血が滲んだ。それでもリナはパンチを止めなかった。


「くそぅ、くそぅ…何で、何でこんなに固いんだよぉ…。

 早く、早く玲奈に快感を味合わせてやりてぇよ…。

 何で、どうして…ただ気持ち良くなるだけを制限されるんだよ。

 おかしいだろ、こんなの…ふざけんなよ。おい、なぁマゾ神。

 コレ、開けろよ。代わりにアタシの快感が無くなっても良い。

 アタシがこれから先、未来永劫快感を感じない代わりに、

 玲奈に感じる体を取り戻してやってくれよ…。」


「ふふ、良いのかい?

 アタシにはそれが出来るけど…悪魔の取引だよ?

 快感を封じられるとどれだけ辛いか…。

 要するに今のこの娘と一緒さ。

 快感を感じなくなるワケじゃない。感じたいんだ。

 だけど感じる事が出来ない。生涯、悶々とするよ。

 それでも良いのかい?今のこの娘の苦しみを、アンタは

 一生感じながら生きられるのかい?」


「…!!どうだって良い!!今はとにかく玲奈に快感を与えたいんだ。

 アタシの事なんてこの先どうなっても良いんだ。

 だから玲奈を、玲奈を助けてやってくれ…!!」


しかしその瞬間、玲奈がリナを抱きしめた。


「な、…バカな?快感の虜で他者への愛など、表現出来ようもないはず?」


「リナ…、ごめんね。私ばかり気持ち良くなりたいって言って、

 リナの事を犠牲にしちゃいそうになって、ごめんね…。

 私は、大丈夫だから。ずっと、ずっと快感は我慢するから。

 だからお願い、リナの快感を潰さないで。リナはリナのままで居て。

 私はもうダメなの…」


そう言うと、玲奈は近くの川との段差から身を乗り出そうとした。

死ぬつもりだ。


「バカ…!!やめろ、玲奈!死ぬな!!くそ、間に合ってくれ!!」


リナが必死に駆け寄る。他のメンバーでは追い付かない。


リナが川から身を乗り出し、遂に飛び降りたその時、

そこへ羽を持ち飛んで来たサキュバスのリリスがぶつかった。


反動でリナはリナの身体に戻り、地面に吹き飛ばされた。

そして、リリスの身体は川の方へと落ちて行った。

全速力で飛んで来た為、もう羽が使えなかったのだろう。

下の川の方で、ドンッ!!と言う衝撃音がした。

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