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#35.次世代マゾ狩り

ようやく、マゾ達が街に戻り、女達もマゾ狩りを諦めた。

そして再三に渡りマゾ狩り女子達の邪魔をしてきた敵も潰えた。

こうして、マゾ狩り女子会にとっては安息の日が続いた。


マゾを狩っては彼らの被虐願望を満たし、上手く行っていた。

しかしそんな日は長くは続かなかった。


マゾ達が日に日にマゾ狩り女子会からの誘いを断るようになったのだ。


「一体何故?サービス自体は何も変えてない、むしろより良くなってる。

 それなのに私達から離れるのは・・・何かあるとしか思えない。」


ある時玲奈は、断ったマゾに理由を尋ねた。


「え、知らないの?

 今流行りのマゾイジめは時短、何でもショートの時代だよ。

 最高の二人組が居てさ、一人は感度を倍にしてくれる。

 もう一人は一瞬でイかせてくれる。

 お二人の力を使われたらオレ達ザコマゾは一瞬で二倍の快感、

 正直アンタらみたいなオールドタイプのマゾ狩りは

 まどろっこしいんだよな。だからごめん、もう良いや。」


マゾとは何ともわがままな生き物である。

より強く早い快楽があればそちらへと流れる。

こうしてマゾ狩り女子会はすぐに財政難に陥った。


リビングでネオンが驚き、文句を言う。


「あれ~?電気が消えちゃったよ?

 誰も電気代払ってないの~?早く払って来てよ~」


杏がイライラしながら答える。


「いや、アタシじゃねーから!

 ってかサッサと電気点けろよ、スマホの充電がヤベーよ!」


リナがそれに答えた。


「あーごめん。正直もう皆の共通口座、残高無いんだわ。

 電気が欲しければ個人的に払って来て。

 ホイ、コレ今月の電気代。」


そこには、5万円という記載があった。


「え”-!?何だよコレ、一人暮らしの時には無かったぞ!?

 いやそりゃまぁ人数が住んでるからそうだとしても、

 何だよこの料金はよ・・・。」


「仕方無いでしょー、皆ドライヤーとか使いまくるし、

 エアコンや冷蔵庫、その他諸々結構贅沢に使ってるし。

 ってか今まではマゾが狩れたから良かったけど、最近何でか

 全然マゾが捕まらないでしょ。」


「うへぇ~、確かにアタシもここ最近マゾ日照りだけどさ~」


そこへ、マゾ狩りから帰って来た玲奈が皆に現状を伝える。


「皆、聞いて!

 どうやら街に凄腕のマゾ狩り女子達が現れたみたいなの。

 彼女達は次世代マゾ狩りを標榜してるみたい。

 一人は感度を二倍にして、一人は一瞬でイかせるんだって。」


「何だよソイツら・・・。

 そんな事されたら、アタシらの商売上がったりだろ・・・。」


「玲奈、ソイツらチェックしに行こうか。

 何だかこれから物凄く厄介なライバルになる気がする。」


「えぇ、そうね。

 状況次第では直接声を掛けて交渉してみても良いかもね。」


しかし杏がそれに異を唱える。


「そんな話し合いに応じるかぁ?

 ソイツら、今ブイブイ言わせてるんだろ?

 アタシらが交渉出来る事なんてあんま無くねぇか?」


「それでも・・・、話してみる価値はあると思うの。」


こうして、玲奈とリナは次世代マゾ狩りの二人を探しに行った。


~街中~


「う~ん、居ないわね・・・。

 この時間帯は活動していないのかしら?」


「まぁ、地道に探すしか無いよね。

 少なくとも活動エリアはこの辺りのはず。

 それに大体は固定の位置で待ってるらしいから、

 ・・・あ!アレじゃない!?」


見るとそこには黒のラテックス素材のミニ丈ワンピースに赤髪ボブ、

黒タイツを履いた平均身長より高めの女性と、

ピンク色のカーディガンに黒髪ツインテールの平均身長くらいの女子高生、

この二名が佇んでいた。



挿絵(By みてみん)画像

次世代マゾ狩り女子達との邂逅



リナが二人に声を掛ける。


「ねぇ、アンタらが最近出没してるって噂の、次世代マゾ狩りってヤツ?」


赤髪の女性が答える。


「いかにも、アタシが次世代マゾ狩りの荒井イブ。

 アンタら、全世代のマゾ狩りの子達?自分達の狩場を荒らされたからって

 アタシ達に文句言いに来たのかしら?」


二人はリナ達がこの街を狩場にしているマゾ狩り女子だと察知した様子だ。

玲奈が答える。


「そうよ、ここ暫く、私や私の仲間達、そして先輩もずっとこの街で

 マゾ狩りを生業にして来たわ。別に、貴女達が悪いとは言わない。

 だけど、荒っぽくてマゾの楽しみを一瞬で奪うようなやり方は

 長くは続かないと思うの。」


黒髪ツインテールの女子高生が答える。


「ふぅん、何か中途半端な主張だよね。

 ウチらに文句じゃなくて助言って感じィ?

 ま、別に邪魔しないんならそこでずっと見てれば?

 次世代マゾ狩り女子の磯川彩名、名刺あげよっか?

 フリマサイトで売れるかもよ(笑)」


リナがカチンと来て怒鳴る。


「お前なぁ!ナメてんじゃねーぞ!!

 アタシらはずっとここで周りの人達や先輩と上手くやって来た。

 お前らもちゃんと周囲と上手くやりながらじゃないと

 ここでは長く持たねぇって言ってんだよ!!」


「フン。同業だからって文句言いに来ただけじゃない。

 とりあえず、アタシ達のやり方がどれだけ素晴らしいのか、

 そこで指をくわえて見ていれば良いわ。」


そう言うとイブは呼び込みを開始した。

すぐに彼女達の噂を知ったマゾが食い付いた。


「はぁい、それじゃあサクッと済ませるわよ。彩名、お願い。」


すると女子高生はカバンからヘッドホンを取り出し、マゾに被せた。

マゾの目がみるみるうちにトロンと催眠状態になってしまう。


「な、何をやったんだ!?

 そのヘッドホン、何なんだよ!?」


「コレはウチの催眠音声を入れたASMR。

 AIによってマゾ毎に最適なものが流されるの。」


「凄い仕組みね・・・。どうやってるのかしら。」


そして続けて、イブがラテックス素材のワンピースで

マゾの身体に密着して一擦り、身体を上下させる。


するとマゾは突然壊れたように大量の精〇液を吐き出す。


「あ・・・あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁーーー!!!!」


マゾは涙をボロボロと零しながら、身体を強く痙攣させた。

そして次世代マゾ狩り女子の二人に向けて感謝の意を述べた。


「ありがとうございます、ありがとうございます。

 こんなにも一瞬で最高の快感を与えて下さり・・・。

 本当に私は幸せ者で御座います。さぁ何なりと、

 身ぐるみを全てお剥がし下さい。」


「うーん、お前が今身に付けているものだとか、

 大した事無い預金には興味が無いの。

 今から保険に契約して、アタシ達を受取者に指名して?

 出来るでしょ、だってアンタはもう死んだも同然だもの。」


「ハイィィィ!!何なら家族もまとめて、

 保険金の受取を貴女様達にさせて貰いますぅ~。」


更に彩名が追い打ちをかける。


「あと、土地の権利書と株券、貴金属類とその他諸々もね。」


リナと玲奈は絶句した。

これほどまでに全てを奪ってしまう手口なのか。


「ちょ、ちょっとお前達、やり過ぎじゃないか!?

 いくら何でもそれはサービスと対価が見合ってねぇよ!」


すると彩名が反論した。


「えー、別にウチら力づくで取ってるワケじゃないよ?

 あくまでお願いしてるだけなのに、マゾ達が率先して

 自ら進んで色々くれるんだよ?あー、アンタらにはわかんないか。

 だってケチな快感しかマゾ達に与えてないもんね。

 生まれて初めての最高の快感を与えれば、こうなるよマゾは。」


リナ達は、これまで自分達がやって来た事が全否定される感覚だった。

認めたくはなかったが、目の前で起こっている事は現実だった。


「ま、ザッとこんな感じかな。

 アンタら、真似出来ないでしょ?

 だったらもっと田舎の方にでも行って、細々と田舎マゾ達を

 一人一人時間かけて丁寧にイジめてあげたら?

 まぁ1マゾから取れる金額なんてせいぜい、ウチらの10分の1、

 いや1万分の1くらいかな(笑)」


リナと玲奈は何か言い返したかったが、言葉が見つからない。

やがて次世代マゾ狩り女子の二人には新たな客が付き、

彼女達は言い合いの場から離れてしまった。


「あー、アイツらムカつく!!

 特殊能力で稼ぐとかズル過ぎるだろ!

 それが許されるならもう、アタシらは打つ手無いじゃんよー」


リナ、一旦自宅へ戻ってこの事を皆に共有しよう。

何か解決の糸口が見えて来るかもだし。


「仕方ないね。今のアタシ達にアイツらを止める力は無い。

 だけど今に見てろよ、アタシらでアイツらをこの街から

 追い出してやるんだから。」


「リナ・・・追い出したりしたら恨みを買って終わりだよ。

 ちゃんと共生出来る方法を考えようよ、OK?]


こうしてリナと玲奈は一旦自宅へと帰る事にした。


~マゾ狩り女子会自宅~


「ただいまぁ。次世代マゾ狩り女子、凄かったわ。」


「アラ、何がどう凄かったのかしら?」


部屋を訪れていた綾が質問して来た。

玲奈が答える。


「催眠で感度を二倍に上げて、全身を使い一瞬でイかせる。

 あんなのされたら・・・一般人には勝ちようが無い。」


「そうなのね、・・・それは厄介ね。」


杏と凛も難色を示す。


「そんな一瞬でイかせられたら、勝ち目ねぇな。」


「マゾ君達、本当にそれで良いのかな・・・。」


入院中のりおんに代わり、ネオンの隣にはエリカが居た。


「次世代って、でもその一人はおば・・・お姉さんでしょ?」


ネオンがリナと玲奈に聞いた。


「えぇ、多分そう・・・だと思う。

 正直、年齢不詳って感じだけど、少し上っぽい。」


そしてこの場に同席した綾が、また非常事態を認識する。


「厄介な二人組ね・・・。

 だけど彼女達は特別何か悪さをしたワケじゃない。

 向こうのやり方を変えるよりも、アタシ達が何かこう、

 今までとは違うやり方に変えるしか無いのかしら。」


その時、玲奈が閃いた。


「ねぇ、向こうが一瞬でサクッとイかせるのなら、

 こちらは濃密に、時間をかけてジックリ、

 を売りにしてはどうかしら?」


綾がそれに応える。


「まぁ実際、溜めて焦らされてした方が気持ち良いわね。

 だけど向こうには感度二倍があるから・・・」


それにリナが返した。


「だったらコッチは3倍でしょ。

 マゾ達の快感を感じる仕組みを学んで、

 構造的にマゾを丸裸に分解して、限界やっちゃおう。

 どうかしら、出来なくは無いでしょ?」


リナの提案は単なる夢物語のようにも思えたが、

マゾ狩り女子会メンバー達は変化が必要だ。

その為、出来得る限りの対策を取り、

これまでに無いマゾ狩りの手法を考える為、

マゾ狩り女子会メンバー達は資料を探し始めた。

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