#31.Youtuber『負けオス』
遂に、1週間にわたるマゾ・ゲームの最終結果発表が行われる。
既にマゾ狩り女子会の全員が起き出してリビングに集合している。
そして、ただ粛々と結果発表を待った。
「さぁ、皆さんこんにちんこー!!負けオスです。
それでは皆さんが一週間頑張った結果、ベスト5は一体誰なのか!?
今回は1位から発表したいと思います!!」
何と、5位からではなく、1位からの発表だと言うのだ。
「一位は、実業家のマゾスキーさん1202mlでした!!
5億円獲得おめでとうございま~す!!」
こうして、一位を取ると言う夢は潰えた。
しかし昨日までの状況の中で一位は絶望的である事は理解していた。
その為、コレはそれほどショックでは無かった。
しかしそれにしても、昨日まで5位までに入っていなかった人物だ。
これは綾が仮説を立てた組織化の線が濃くなった。
しかし、今はそれを考えてもどうしようも無い。
「続けて、2位から4位を一気に発表するぜー!!」
負けオスの発表方法はかなり異質なものだった。
コメント欄も『普通、まとめるなら3~5位とかだろ』
『そんなんだから負けオスなんだよ』『シンプルに顔がキモい』と、
荒れ放題だった。
「2位は、クサック・サーさん931mlだ!!
1億円獲得おめでとう!!
3位はマゾメス三世888mlだぜ☆
5000万円獲得おめでとう!!
4位はイタリアのイジメテーノさん637mlだな。
1000万円獲得おめでとう!!」
こうして、4位までは次々と発表されて行き、
1000万の4位にすら届かない現状が理解出来た。
「もし5位だとしたら100万だね。
8人で分けたら・・・全然、1週間頑張った割には、
大した事無いね・・・。」
しかし、綾が再度全員を奮起させる。
「それでも、よ。賞金じゃないのよ、コレはもう。
全世界レベルの事なのだから、
その中でもしベスト5に入ったらそれは凄い事だと思わない?」
しかし、そこにネオンがイジワルな返しをした。
「ま、8人全員での結果だから、それはどうかと思うけどね。」
「だけど!!
相手も絶対に皆組織化してるわよ!!
しかももし相手が100人とかだったら、こちらは8人よ!?
凄くないかしら!?」
それを玲奈があやしながら落ち着けた。
「まぁまぁ、とにかく5位の発表を見ようよ。
もし5位にも入っていなかったら、この争いが不毛だよ。」
「さて、それではベスト5のラスト!!
5位は~?」
ドラムロールが無駄に長く流れる。
沈黙も必要以上に長い。
・・・・・。
・・・・・。
・・・・・。
・・・・・。
・・・・・。
・・・・・。
「栄えある、5位は~?」
「コイツ、まだ引っ張ってるよ。」
「ダサいね、負けオスって人。」
「さぁ、それじゃあそろそろガチで栄えある5位を発表するよ!?」
「サッサと発表しろよ、このクズYoutuber。」
「それは、何と!
美土路技エリカさん636mlだ!!
100万円ゲットおめでとう!!」
「わ、4位とたった1ml差だぁー!!」
「ってか、5位に入賞したー!!!!」
「ヤッバー、今日はパーティーよー、
ピザでも寿司でも何でも頼んじゃえー!!」
「いやいや、100万だと8人で分けても一人12万くらいでしょ。」
「とにかく、おめでとー!!!!」
リビング内は大混乱だった。
「それにしても・・・」
綾が不安的中と言った感じで、自らの予想を語った。
「コレはおそらく、アタシ達に当てつけた罠だ。」
「え、綾ちゃんどういう事?
だって5位とは言え賞金も貰えるんでしょ?
だったら結果的に得してない?」
「いや、よく考えなさい。
マゾ達はもう満足してしまっている。
少なくとも今夜からしばらくはマゾが狩れない。
まぁ、コレはまだ良いわ。
数日すればまた回復して街にマゾ達が蔓延るでしょうから。」
「綾ちゃん、何かマゾオス達の事を虫みたいに言ってる(笑)」
「いや、笑いごとじゃないのよ。
女達の事を考えてみて。もう既に彼女達はマゾ狩りの楽さを知った。」
「あ、そっか・・・全女子達がマゾ狩りのライバルになっちゃう・・・。」
「そういう事よ。完全に嵌められたのよ、アタシ達。
そしてそんな事をして来そうなヤツと言えば・・・。」
その時、リビングのドアがガチャリと開いた。
突然の招かれざる客の来訪、しかも室内に勝手に侵入して来た。
マゾ狩り女子会の全員が酷く驚き、怯えた。
「お前達によって消された、匂いフェチ専門の風俗店の経営者だ。」
「あ・・・まだ残党がいたの!?」
「へへ、心配すんな。こんだけ人数が居たらさすがに力で勝てねぇよ。
だけど、もう既にお前達は詰んでるよな。
女達はマゾ狩りの楽さを知ってしまった。
マゾ達も快楽を得る為にそこまで金を出す必要が無いと知った。
お前達はもう終わりなんだよ、ヘヘ。」
「アンタ、チンポリンの事を元々知っていたのね?
そして、その情報を政府にリークして、更には広告塔として
Youtuberの負けオスを利用した・・・。
いかにも裏稼業の人間がやりそうな事だわ。」
「ハッハッハ、そう褒めるなよ。
まぁ、今更俺をどうこうした所でどうしようも無いぜ?
チンポリンについてはな、元々組でも構想があったんだ。
アレを量産して注射しまくれば、俺達みたいな暴力団体が
絶対的な王者になれるってな、ハッハッハ!!」
「綾ちゃん、せめてコイツ、殴りたいんだけど!」
リナが歯を食いしばりながら言ったが、綾は制止した。
「やめなさい、リナ。こんなヤツを殴っても意味無いわよ。
むしろ、それによって転倒したって治療費をむしられるわ。
コイツらのやり方はどこまでも汚いのよ。」
杏も憤りを隠せない。
「くそぅ・・・上手い事やられたって事かよ・・・。
どんだけゴミクズなんだよ、コイツ・・・。」
「ま、お前らが俺達にやった事に比べたら、
まだ人道的だわな。もし良ければお前ら、身体売る気無ぇか?
俺が高値で売り飛ばしてやるぜ?ヘッヘッヘ。」
これ以上男と話しても埒が開かないと判り、
まずは男をこの部屋から追い出した。
どうやら玄関の扉が開いていた為、入って来てしまったらしい。
「どうしよう、もう・・・マゾ狩りは終わりだよ・・・。」
「いくらニワカの女どもが素人とは言え、結局マゾなんて
そこそこ可愛い女から荒く扱って貰えれば喜ぶヤツらだよ。
そんなのを賢く囲い込むなんて出来ない。
皆にマゾ狩りの楽さが知れ渡った時点で、詰んだんだよ・・・。」
リビングには、痛いほどの静寂が流れた。
既に詰み切っていた。
もう、復活の望みは無いのかも知れない。
そんな絶望がリビングのみならず、建物全体を覆った。
それくらいに絶望の色は濃かった。
その時、玲奈が言った。
「いっそ、マゾ達を隠しちゃおうか。
そうすればマゾを狩る事も出来なくなって、
女達もしばらくすれば稼げないと、マゾ狩りに興味を失うよ。」
「良い案のようにも思えるけど、
そもそもどうやってマゾ達を隠すのよ?」
「マゾ達を家から外に出さなきゃ良いのよ。
そしてその為には恐怖を使うの。
『外にはマゾを喰う魔物が居るぞ』ってね。」
「だけど、そんなの居ないじゃない。
幼児でも無いんだから、そんなのバレバレ過ぎるでしょ。」
「力のあるインフルエンサーが言ったら?」
「え、どういう事?」
「例えば、今回の件をけしかけたYoutuber、負けオス。」
「え、まさか・・・負けオスにそういう噂を流せって、
お願いするって事?」
「お願いと言うよりは、交渉よね。
彼にもメリットのある形で、私達が彼の知名度アップや
フォロワー増に貢献する事を条件にするわ。」
「そんな上手く行くかな・・・。
でも、それしか無いと言えばそうなのかも知れないわね。」
こうして、マゾ狩り女子会のメンバー達は今回の件のキッカケとなった
負けオス氏と交渉を行う事にした。
日取りや大まかな条件提示は綾が連絡を付けた。
そしていよいよ交渉当日、マゾ狩り女子会メンバー達は
負けオスの住む最寄りの駅まで来ていた。
「あの負けオスってYoutuberもマゾなのかな?」
「自分に負けオスって付けるくらいだから、マゾじゃない?」
「だったら、エリカの匂いが効くかもね。」
「ちょ、私の匂いをあまり便利扱いしないで下さいよ(焦)
コレでも毎回ちょっぴり傷付いてるんですからっ。」
「へぇ、一応ちゃんと今でも傷付いてるんだ?可愛いね。」
「茶化さないで下さい~(困)」
「「「アハハハ~」」」
こうして、交渉前には和やかな雰囲気で時間を待った。
そしていよいよ、負けオス氏との交渉時間がやって来た。
「さぁ皆、行くよ。ここでまず負けオスに宣伝をして貰い、
マゾ達を家の中から出させない事。
まずその大切な最初の一歩なんだから、間違いの無いように。」
「頑張ろう、オー!!」
そして8人は負けオス氏の自宅前にやって来た。
彼は独身一人暮らしであるが稼いでいるらしく、
マゾを模した彫刻が狛犬のように阿吽を表していた。
「うわ、何コレ、センス無くて気持ち悪ぅ~」
次に、庭にはアイアンメイデン等の拷問器具が並んでいた。
コレは拷問をする側ではなくされる側として、
妄想が捗るために置かれたものだと思われる。
インターホンチャイムを鳴らすと、負けオス氏が現れた。
「はーい。あぁ、アンタ達が例のマゾ狩り女子会ね。
上がって、どうぞ。」
負けオスの自宅は所々にマゾグッズが置かれていた。
そして匂いも所構わず自慰を行っているのか、
妙な匂いが臭く一か所に留まっていられなかった。
(え、ちょ、結構本格的にマゾくない?
さすがにコレほどまでとは・・・でも、これくらいの方が
逆にマゾ達に訴求力があるかな?)
そしてリビングに通されて、そこで交渉を行う事になった。
綾が切り出す。
「あの、率直に申し上げますが、マゾ達が外に出られないよう、
怖い噂を流して欲しいんです。
今のマゾ達を取り巻く状況はあまりにヒド過ぎます。
その為、一般女性達がマゾ狩りに興味を持たなくする為、
しばらくの間マゾ達が外を歩かない状況を作りたいんです。」
更にりおんが続ける。
「もちろん、タダでとは言いません。
ボク達全員の力を使って、今よりも更にチャンネル登録者や
インプレッション数の増加、様々なサポートをします。」
「うーん、でもなぁ・・・。」
それでも煮え切らない様子の負けオスに対して、
ついにしびれを切らしてリナが口火を切った。
「あ”-もう、まどろっこしいな、皆!!
おい、負けオス!!ヌいてやるからどうだ!!
最高の快楽が味わえるのなら、やるだろ?
さぁ、どうする!?」
負けオスはリナの覇気に圧倒された。
しかし、迷うフリをしながらも彼の心の中は既に
どうやってヌいて貰えるかの妄想ばかりなのであった。
負けオス宅に押し掛けるマゾ狩り女子会




