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#22.懺悔と新生活

挿絵(By みてみん)

面会室で懺悔する配信者達



「えぇ、ハイ、アタシが唆しました。全てはアタシの計画です。

 どんな罰でも受けます。控訴は致しません。誓います。」


リナは事件の取り調べで容疑者として捕まっていた。

そして今回の件は疑いようも無いくらいに、リナの責任だった。


「大好きな友達の事をバカにされて、ついカッとなって。

 えぇ、今考えれば間違っていました。

 だけど、あの時はああするしか無かったんです。」


リナはこの時まだ、ネオン達が生きている事を知らなかった。

自分のした事は間違っていた、しかしやった事はやった事。

そしてあの時はあぁするしか無かった。

コレが概ね彼女の認識している罪の意識だった。


「ハァ、何であんな事をしてしまったのか。

 って、多分衝動的に事件を起こす人の心理ってこんなかな。

 もっと冷静な時であれば絶対やらないだろうにな。

 だけど、アイツらに一矢報いる事が出来た事はスッキリしたな。」


そこへ、面会希望者が現れた。


「面会希望か。綾ちゃんか杏達か玲奈か・・・。

 いずれにしても謝らなきゃな。

 実刑が五年くらいだとしたら、出所したら成人か。

 玲奈、待っててくれるかな・・・。」


そうしてリナの面会にやって来たのは意外な人物達だった。


「え・・・零ネオンと紫苑りおん!?

 アンタら、何で生きて!?えぇ!?

 まさかコレは夢?それとも幽霊?

 え、え、え!?」


しかし、彼女達に巻かれた包帯が確かに深い傷を負った事を物語っていた。


「リナさん、何て言うか、本当に・・・ごめんなさい。」


突然の面会に突然のネオン達からの謝罪。

驚き続きでリナは頭が破裂しそうだった。


「え、えーと・・・順を追って説明してくれない?」


「あの時、アタシ達に凶刃を向けた男の刃物は致命傷には至って無くて、

 ただいきなりのショックで気絶していたんです。

 もちろん血も流れていました。それで、仮死状態と言うか、

 素人目には死んでるように見えちゃってたみたいで。

 もちろん、怪我は深刻でした。全治3か月です。

 だけど今から考えれば軽薄過ぎました。今は反省してます。」


「そっか・・・。

 反省、ねぇ・・・。

 最初から言わなければ無かった事だけれども、まぁでもそんなの

 今になってからだから何とでも言えるワケだもんね。

 あの時はお互いに必死だった、ただそれだけだよね。」


「あの、本当にすみませんでした!言葉でいくら言っても

 きっと傷付けた罪は変わらないと思うけれど、

 アタシ達実はタワマン住みなんじゃなくて・・・」


「うん、何となくわかってたよ。多分、孤児とかじゃないのかな。

 それで強がっちゃったんだよね?別にそこは恨んで無いよ。」


「・・・・リナさん、実刑付いちゃいますよね。

 何て言うか、もう本当に申し訳が立ちません。

 本当に、本当にごめんなさい・・・。」


「その事なんだけどさ、事の運び方次第では執行猶予が付くんだってさ。

 まぁかろうじて刑務所には入らないまでも定期的な面談とか、

 精神面でも半分犯罪者扱いなんだって、まぁ犯罪者なんだけどさ。」


「本当にすみません・・・。

 だけど、アタシ達はリナさんの事、犯罪者なんて思ってませんから。」


「・・・・うん、わかったよ。アタシは良いからさ、

 玲奈に謝りに行ってあげて。あと杏達の所にも。

 そんで、何発でもブン殴られて来いよ。

 アタシだってこの衝立ついたてが無ければ、

 すぐにでもぶっ飛ばしてる所だよ。」


「そうですよね、本当にごめんなさい・・・。」


この面会では、犯罪を犯した側のリナが強気に出ており、

施設側からすれば一見奇妙な面会であった。

しかし、もちろんこのような事案は決して0では無く、

あり得る形ではあったものの、特殊と言わざるを得ないものだった。


そうしてその後ネオン達は綾や杏達、そして玲奈の所へ行き、

誠心誠意謝った。杏達から等は特にキツくお仕置きを受け、

彼女達は傷が塞がらない間に更に傷を負う恰好となった。


しかしそれでも、それも仕方ないと受け入れた。

こうして感情的な問題の解決は円満とは言えないまでも、

一定のカタが付いた形だ。


続けて、リナの判決については禁固5年、執行猶予2年。

見事にリナは執行猶予を付けられて一旦放免となった。

しかし、当のリナ自身は嬉しさ半分の中で複雑な気持ちだった。


「人を殺す事を教唆しておいて、それが未遂に終わり、

 だけど実際に深い傷を負わせた、それも二人も。

 その顛末がこの判決で本当に良いのかな。」


とは言え、控訴はしない方針であった為、リナはこれに甘んじた。

やがてリナの引き渡しの日が来て、杏達と綾と玲奈が迎えに来た。


「リナ!!

 良かったな、まさかまた会えるとは、アタシ達はお前の味方だぜ。」


「リナ・・・アタシが知らない所で随分と凄い事やらかしたわね。

 だけどちゃんと戻って来てくれた。

 たとえどんな形でも、結果オーライよ!」


「リナ・・・私なんかの為に罪を背負ってまで・・・バカ。

 ちゃんと罪滅ぼしは社会的にしなきゃかもだけど、

 何よりリナが側に居てくれるだけで良いの。

 だから、今後もう二度とこんなバカな真似はしないで、

 本物の大バカ者だよ、リナは。」


「・・・うん、ごめんな、玲奈。ごめんな、皆。

 そして・・・もう一回アタシの事を皆で受け入れてくれないかな。」


それに全員を代表して綾が応える。


「リナ。ここにいる全員で貴女を再度お迎えするわ。

 ようこそ、マゾ狩り女子会へ。これからも一緒に頑張りましょう。」


リナは再びこのメンバーの仲間に迎えられた事が感無量だった。

涙が溢れ、そして全員に抱き着いた。


「ありがとう!!皆…アタシ、アタシ、もう二度とバカな真似はしない。

 これからはアタシの方から皆と離れる事は無いから!」


笑顔と拍手でリナを迎える四人。

そこへ、零ネオンと紫苑りおんがやって来た。


「あの、ええと・・・虫が良すぎるかも知れないんだけど、

 せめてもの罪滅ぼしに、皆と一緒に活動させて欲しい。

 それで、アタシ達の生活費以上に儲かった分は全て、

 皆に還元したいの。罪滅ぼしをさせて下さい。」


「ボクからもどうか、本当にお願いします。

 こういう形でしか、誠意を見せる事が出来なくて。」


二人の言葉、それを聞き綾が答えた。


「その心意気は受け取るわ。

 だけど、アンタ達だって生活があるでしょう。

 余計に儲かった分だって大切な未来の資金よ。

 ねぇ、そんなものより今本当にこの達が欲しいもの、

 何かわからない?」


「ええと、やっぱり小銭なんかじゃなくて、

 まとまった金額のお金ですか?」


「バカね。アンタ達が自分達と仲良くしてくれる仲間になる事よ。

 アンタらだって今までずっと二人だったんでしょ。

 だったらここに居る4人(+1)が居れば心強いでしょ。

 あまり大所帯になる事は皆好きじゃないけど、

 この規模、六人くらいなら本当に良いチームになると思うの。

 どうかしら?」


「・・・そんな、アタシ達みたいな生意気言って皆を気付付けたヤツが

 仲間なんて・・・本当に良いの?」


玲奈が応える。


「良い悪いじゃなくて、綾さんがそう言ってるでしょ。

 どうするの、仲間になるの、ならないの?」


「・・・・なる!!

 もちろん、仲間にして下さい、皆の為なら何でもします!!」


紫苑りおんも強く同意して首を縦に振った。

それを受けてリナが言う。


「よし!そうと決まればマゾ狩り女子会、6人(+1)発足だね!

 何かこう、チームカラーだとかロゴだとか作る?

 あーでも、こういうのってあまり形から入り過ぎても

 あまり上手く長く続かないんだよねー」


もうすっかり元気になってしまったリナが取り仕切る。

もちろん少しの空元気はあるものの、空元気であったとつぃても

そのように振る舞う事で本当の気持ちになる事を経験から知っていた。


綾が言う。


「六人もいるならアンタら、そろそろホテル暮らし止めたら?

 ルームシェアした方が生活費安いし、女同士なら別に、

 って、あ!りおん君はオス♂だったか。」


「あ、ボク、ネオンの裸を見ても勃起しないんで!!」


「いや、それはそれで問題あるだろ!!」


また、この場に活気と笑顔が戻って来た。


「よし、そうと決まればまずはアタシ達の城、

 シェアハウスルームを探しに行かなきゃね!

 トイレは二台は欲しいよね?あとキッチンも・・

 いやでもそれは当番制とかで・・・」


色々と考えてはみたものの、実際にやり始めてわかる事もあると

何と無計画で初めてみる事にした。


綾曰く「あまりに細かく決め過ぎるとそれが破綻した時に

約束と違うと不満が出る。それならば、問題が起こる度に対処した方が

よりリアルライブ感があり生活力や絆も深まると言うのだ。


もちろんコレが最適解では無いし、間違っている点も多々ある。

しかし、とにかく初めて見る、という点で綾の意見は実践的だった。


「ココなんてどうかしら?

 6LDK・・・まぁ一軒家よね。

 2世帯住宅だから上下階それぞれにお風呂とトイレ。

 結構アンタ達にはむしろ贅沢なくらいの物件かしら?」


しかし六人はそれを断り、違う物件を指さした。


「コレ、コレが良い。部屋数はそんなにいらない。

 3LDKで良いから、一部屋ずつが大きい方が良い。

 だって2人に一室ずつで十分だから。

 そして風呂トイレは2つあれば良い。

 そうなると、この物件がベスト。」


こうして6人の合意の元に物件の契約が行われる事になった。

家賃は60万だったが、一人当たりに割れば月10万。

これまでのホテル生活を考えれば激安だ。


もちろん、これから生活する中で様々なトラブルが起こるのは当然だ。

しかし、何よりもそれぞれに奇妙な絆で結び付いた六人だ。

この奇妙な共同生活の中から何か得られるものがあるはずだ。

期待と不安に胸を鳴らせながら、六人はいよいよ入居の日を迎えた。


「ね、もしかしてマゾの地縛霊がいる事故物件だったりして(笑)」


「ちょ、何の冗談だよソレ(笑)

 だけどもしそうだとしてもこの六人なら最強じゃない?」


「あ”ー、新生活楽しみ過ぎる。お金貯めたら何しよっかなー」


それぞれの思いを胸に始まる新生活は、六人に新たな人生のフェーズを与え

これを通してまた新たな成長の一歩となるのであった。

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