#2.玲奈の番
ホテル泊をするリナと玲奈
初めてのマゾ狩りで一万円を得たリナと玲奈は近くのホテルへと入った。
「いや~、やっぱり自分で稼いだお金で泊るホテルは違うわ~!
見てよ玲奈、枕ふかふかだよ~!!」
「ちょ、リナ。洗ってない制服でベッドに乗っちゃダメだよ。
ってかそうか、着替えも洗濯とかしないとだし、この制服も洗おっか。」
二人はここで単なる宿だけでは無く、衣類の洗濯の必要性にも気付く。
「ま、そだよねー。
臭い子が好きって言うおっさんとかもいっぱい居そうだけど、
そういうヤツらばっかり相手してても気が病むって言うか。
やっぱ自分のモチベのためにも清潔にはしておきたいよね。」
二人はホテルのパジャマに着替え、
併設のコインランドリーで衣類を洗う事にした。
洗濯待ちの間、玲奈がボソリと言った。
「明日も、綾さん来てくれるかな。
順番で言えば次は私だよね。
上手く出来るかなぁ。」
「ま、綾ちゃんが来てくれたら余裕っしょ。
マゾは低リスクで稼げるって教えて貰えて良かったぁ~。」
「リナは呑気そうで良いわね。
だけどマゾだって一人の人間なんだから、
あまり舐めた態度で接してたら痛い目見ると思うよ。」
「だったら舐めなきゃ良いんじゃんー。
まぁ、舐めたくも無いしね。汚そうだから。」
「リナ、アンタそれ下ネタのつもり?」
「そんな事考える玲奈の方が下ネタで頭一杯じゃん~」
「ちょ、別に私はそんな事考えてないってば!!」
こうして二人はホテルで一夜を過ごし、快適に朝を迎える事が出来た。
~翌朝~
「おはよう、リナ。って、まだ寝てるの?
あと1時間でチェックアウトだよ~、起きろ~。」
「むにゃ・・・ふぇ、玲奈おはよう・・・・。
とりまメイクしたいから良いかな・・・」
寝ぼけ眼を擦りながらリナはいそいそとメイクを始める。
しかし歯磨きや着替えをしている間に時間が過ぎて行く。
「ちょっと、リナ。アンタ今からメイク始めるの?
チェックアウトの時間わかってる?
早くしないと、過ぎたら延滞料金だよ?」
「あーもう、わかったよ~。
とりま今日は薄メイクにしとくから、後でどっか座って続きやろ。」
こうしてギリギリでホテルをチェックアウトした二人は街に出た。
既に人の流れはせわしなく、街は活動を開始していた。
「ってかさ、アタシ達の活動って夜が基本になるワケじゃん?
やっぱ朝が眠くなり易いよね~。
ホテルのチェックアウトも遅めの所が良いかも。
サラリーマン向けの所だと朝早過ぎない?」
「確かにそれはそうかもね。
今度から泊る所は考えなきゃだ。
それにしても、学校行かないと昼の時間って
どうやって過ごせば良いんだろね。」
「んー、毎日が休日みたいな感じで良いんじゃね?
ってかソレって最高過ぎって言うか、え、じゃあ
土日混みまくってるランチとかも余裕で行けるじゃん。
玲奈、アタシお気に入りの店あるんだけど、行かない?」
「良いけど、そこのランチ結構高いんじゃないの?
ちゃんと考えてお金使わないと、
もうお小遣いとか貰えるワケじゃないんだからさ。」
「まーまーまー、大丈夫だって。
とりま、ホラ。元気無いと夜のマゾ狩りも出来ないじゃん?
先行投資ってヤツ、よくわかんないけどそゆ事だよ。」
「アンタそれ意味わかって言ってないでしょ。
まー大体当たってるけどさ。」
二人は土日に混雑するスイーツ店でランチをする事にした。
店内は平日は非常に空いており、半分貸し切りのようだった。
「あ”-、最っ高!!
まさか平日こんなに空いてるとは、これならもう
毎日ここで良いかもだね!!」
「まさか平日に食べ放題の店に来るとはね。
2000円ってランチに毎日通ってたら結構ヤバくない?
さっきのホテルと合わせて、
もうコレで昨日の稼ぎ全部使っちゃったよ。」
「えーでも、食べ放題だしここで思いっきり食べておけば
朝と夜いらなくない?」
「そんな上手い事人間の身体って出来てないわよ。
いくらお昼に食べまくっても、結局夜はお腹空くのよ。」
「へー、そんなモンかなぁ。
まぁ良いや、食べられるうちにたくさん食べとこー。」
こうして二人は食べ放題ランチでお腹一杯になるまで食べた。
食後に玲奈が心配そうに言った。
「ってか、マゾ狩りってやっぱりそれなりに見た目良くないとだよね。
だったら、あまり食べ過ぎて太るのも良く無いよね。」
「んー、でも太ってる子からイジめられたいヤツもいるんじゃない?」
「アンタ、それを免罪符にして太るつもりじゃないでしょうね!?」
「いや、アタシ太らないって言うか太れないから。
代謝が違うんだよ、代謝がね♪」
こうしてのんびりとランチを過ごした二人はショッピングをして回った。
とは言え余計な出費を抑えるために主にウィンドウショッピングだ。
「あー、ヤバ。平日にこんなゆっくり見て回れるとか、最高じゃね?」
「まぁでも、こんな生活もそのうちいつか飽きるわよ。
今のうちにちゃんとマゾ狩りで生計を立てる計画しておかないと
後になってから惨めになって泣く事になるのは嫌だよ。」
「玲奈ってば真面目過ぎ(笑)
大丈夫だって、何とかなるっしょー。」
「ハァ、本当にアンタってば能天気過ぎるわよ・・。」
こうしている間に18時になった。
綾が仕事終わりに来るとすればこの辺りの時間のはずだ。
二人は電車から降りて来る人の波を見ながら、そこに綾の姿を探した。
「あ、アレじゃね?」
リナは非常に目が良かった。
「アンタ、よくわかるわね・・・。
この人混みの中から探し出せるとか、野生児みたいだわ。」
「やっほー、綾ちゃん、来てくれたんだねー♪」
「あら、二人とも昨夜から今日にかけては元気に過ごせたかしら。
それじゃあ早速だけど、今日は玲奈ちゃんの番よね?」
「ハイ、お願いいします・・・。」
「ふふ、玲奈ちゃんはちょっと真面目過ぎるかな?
大丈夫よ、マゾ狩りはそんなに難しくない。
だけどあまり真剣にやり過ぎたら逆効果よ。
気を楽にして、楽しんでやりましょ。」
「気を楽に・・・か。
だけどマゾの人達って、結局気持ち良くなりたいんでしょ?
その望みが叶わなかったら怒って来そうって言うか・・・。」
「うーん、玲奈ちゃんにはまず自信を付けさせてあげないとね。
暴発寸前のマゾ・・・あ、アイツなんてどうかしら。」
見るとそれは20代前半の若い若マゾだった。
ヒョロヒョロと弱そうな体格をしていたが、目が血走っている。
「あのタイプはね、普段の生活で鬱屈としているから、
本当は吐き出したいものがいっぱいあるの。
いつもイジめられ慣れてるから、上手く刺激してあげれば
すぐに暴発するわよ。」
「え、えと・・・頑張って・・・ミマス。」
玲奈は体を強張らせながらマゾの元へと向かった。
「あの、お兄さん。ストレス、その、溜まってませんか?
良かったら私がその、イジめてあげようかな、みたいな。
どうですか?一万円で、時間はあまりうるさく言わないので。」
「え、君みたいに真面目そうな子が、本当に?
う~ん、一万かぁ。まぁでも、どうせお店とか行っても同じか。
だったら安いよね、わかった。お願いするよ。」
玲奈は心の中で『やったぁ!』とガッツポーズをした。
しかし初めてのマゾ狩りにどうしたら良いのか不安な気持ちが湧いて来た。
路地裏にマゾを連れて来て、玲奈は弱々しく言った。
「え、えと、まずはその、脱いで下さい、脱ぎ・・なさい。」
「え、脱げば良いの?
う~ん、だけど何か君、緊張してる?
ちょっとそんな弱弱しい物言いだと、正直興奮出来ないな・・。」
マゾは脱ぐ事をためらいながら、玲奈をジッと見つめた。
「って言うか君、大人しくて可愛いよね。
逆に僕が君を襲っても良い?大丈夫だよ、胸とか触るくらいだから。」
「え、えっと、それは困るって言うか、あの・・・だけど、
もしかしたらその方が早く解放されるのかも、えっと・・・。」
それを見ていた綾が『あちゃー』と言った風に頭を抱える。
そして今回も彼女がそこへ割って入る。
「玲奈、ちょっと下がっていなさい。アタシがお手本を見せてあげる。」
マゾは急に綾が現れた事に驚きながらも、綾の謎の雰囲気に圧倒される。
「ほぅら、アンタの細い腕、アタシの手で一周出来ちゃった。
コレ、どういう意味かわかる?」
マゾは急にオドオドと挙動不審になり始めた。
「え、えと、どういう意味・・・ですか?」
「こうやって腕を頭の上で固定すれば、アンタは好き放題されるってワケ。
さぁ、何されたいか言って御覧なさい?」
「あ、あわわわわわわ。え、えっと・・・・その、キ、キs・・・」
マゾが言い終わるのを待たずに、綾がマゾにキスをした。
するとマゾは不意を突かれて興奮がピークに達したのか、
一瞬で果ててしまった。
~ビュルルルル!!~
マゾはその場にへたり込み、綾は『じゃあね』とその場を後にした。
玲奈が綾に礼を言いながらも尊敬の念を込めて言葉を放つ。
「綾さん、ありがとうございます。
だけどやっぱり本当に凄いですね。
私、あんな風に出来ないと思います・・・。」
「大丈夫よ。こんなのは慣れだから。
玲奈ちゃんは真面目だからちゃんと覚えれば大丈夫。
少しずつ自信を付けて行きましょ。」
こうして二人はまたも綾の助けにより日銭を稼ぐ事が出来た。
最初は慣れないものの、二人はこの二日間で綾から学んだ。
余裕を持ち、相手の望む事を見抜く力、そして的確に急所を突く。
それぞれにマゾ狩りの楽しさに関してほんの少し理解し始めていた。
こうして二人はまた夜の街の中で今夜の宿探しを始めたのだった。




