#17.マゾ体験施設でマゾになってみた
マゾ体験施設に入った四人
四人はこの旅の最後にマゾの気持ちを理解する為に、
『マゾ体験施設』へと行ってみる事にした。
「アタシらってマゾをイジめてばかりで自分達はマゾじゃないじゃん?
だけど、やっぱりイジめるからにはマゾの気持ちを理解しないと、
そしたらもっと良い責め方が出来ると思うんだよね。」
施設までは最寄りのバス停を降りてそこからは森の中をひたすらに歩いた。
森の中を30分程歩き、流石に口々に疑問を呈する声があがる。
「うへぇ~、杏~、本当にこんな森の中にそんな施設あるの~?
さすがにちょっとコレはGoogle先生間違ってる事案じゃない?」
「いや、あるんだよ。確かに森の中を30分以上歩くらしい。
Google先生をもっと信じろ!」
しかし歩けども見えて来ない事にしびれを切らして、
ついにリナが音を上げた。
「あ”~、もう無理!!
ちょっとトイレ行きたいから、その辺でして来るから
ここで待ってて。」
そう言ってリナは向こうの方へ行ってしまった。
「リナ、大丈夫かな・・・。」
あの夢のような夢を見る旅館の件以降、
玲奈はリナの事を少し意識するようになってしまっていた。
~リナ・皆から少し離れた場所で~
「ふぅ~、本当はこんな森の中でしたくないんだけどさ~、
さすがに仕方ないよね。あー虫とか無理。
早くその施設に着かないかな~。」
その時、茂みの奥からガサガサと音がした。
「ゲッ、熊か何か!?
だけど、この辺って熊とか居そうに思わないんだけどな・・」
注意深く音を聞いていると、その何かのサイズは人間くらいのようだ。
「あまり大きくは無いな・・・アタシくらいか?
だけど何でこんな所に人間?」
やがてその何かが急に泣き出してしまった。
「あ”~、もう無理ぃ~!!!!
マゾになんてなれないよ、辛すぎる~~~!!!!」
(ゲッ、マゾ体験施設の参加者か・・・。
それにしても、そんな泣いて脱走する程辛いの!?)
その時、脱走者の首に付いた首輪から緊急音が鳴らされた。
『キュイーン、キュイーン。脱走者がココにいます。
繰り返します、脱走者がココにいます。』
すると、近くに捜索隊が待機していたのか急に数人の人間が出て来た。
様子を伺ってみると特殊部隊のような恰好をしている。
「No.3281確保。すぐに戻る。どうぞ。」
特殊部隊員はトランシーバーで本部と連絡しているようだった。
リナは緊張しながら、音が全て止んでから数分してから皆の元へ戻った。
「あ、リナ遅い!!何よ、もしかしてウ〇チしてたの!?」
玲奈が過剰にリナの事を心配していた。
「あ”-いや、そんな事よりもちょっと大変そうだよ・・・。
マゾ体験施設の脱走者と会っちゃってさ・・・。」
杏が「詳しく聞かせて」と言ったと同時に、周囲から声が聞こえた。
「侵入者を発見。四名のようだ。全員確保して本部へ連れ帰る。どうぞ。」
四人は周囲に潜んでいた特殊部隊員に捕まり、強制的に施設へ連れられた。
~マゾ体験施設・懲罰室~
四人は何故かマゾ体験施設の懲罰室に入れられた。
それほど狭い場所では無かったが、雰囲気が異様だ。
そもそも自分達はマゾ体験をしに来ているのに、
何故か侵入者扱いされている。
この不条理を責任者に訴えようとした。
四人の前に、高圧的な教師のような女性が現れた。
「お前達か、侵入者と言うのは。
ほう、コレは・・・可愛らしいお嬢さん達だな。」
「あ、あの!アタシらは普通にマゾ体験をしに来たのであって
別にコッソリ侵入しようだなんて・・・」
杏が反論しようとしたその時、女性は鞭をビシィ!と
杏に向けて叩きつけた。
「ヒギィ!?
い、いだい!!!」
「口答えをするな。たとえどのような形であろうが、
マゾ体験施設に入れたのだから良いではないか。
言っておくがココは、軽い気持ちでマゾを体験するような
行政主導の生ぬるい施設では無いぞ。
マゾの魅力を存分に感じて貰う為に私財を投げ売り作られた
本物のマゾ養成所だ!!」
玲奈が女性の言葉の端の違和感に気付く。
「養成所・・・?
え、体験するだけで帰れるんじゃないの!?」
「ふん、マゾ見習いの分際で良い所に気付くじゃないか。
そうだ。ここではマゾになるまで抜け出せない。
先ほどお前達の一人が見た脱走者は中途半端に逃げ出した。
だから強制的に連れ戻したのだ。マゾになるまでは出れんぞ。」
四人は心底ゾッとした。
マゾにならなければ出られない。
そしてそれはきっと、マゾを演じた程度では見抜かれてしまうのだろう。
と言う事は、本当に心からマゾにならなければ帰る事は出来ない。
「皆、ごめん・・・。
アタシの思い付きで、とんでも無い場所に来てしまった・・・。」
杏の後悔と懺悔、しかし玲奈達はそれに慰めをかける。
「そんな。杏さんが悪いワケじゃないよ。
それに、一度マゾになって、また戻れば良いじゃない。
マゾにならないと抜け出せないのなら、いっその事一度、
ちゃんとマゾになっちゃおうよ。」
しかしそれを聞きながら女性は「ハッ」と鼻で笑った。
「甘いな、さすがはマゾ予備軍見習い。
一度マゾになってしまえば、元に戻る事は困難だ。
それはつまり、マゾになる愉悦が強い快感を伴うからだ。
一度快感を知ってしまった後に元に戻れた例は、
一例しか無い。生意気な茶髪の女だった。
黒木・・・。」
その名前を聞き、四人の脳内に一人の人物が浮かんだ。
「「「「綾ちゃん(さん)!?」」」」
どうせ聞いてもこの女性は詳しくは教えてくれなさそうだ。
しかしおそらく四人の師匠である黒木綾は何らかの理由でここに来て、
そして一度マゾになった後に再度元に戻った唯一のケースだ。
「よし、皆。綾ちゃんがマゾになって戻ったのなら可能性はある。
アタシ達もマゾになった後、ちゃんと元に戻ろう。
何にせよ、まずは一度マゾになる事だね。
皮肉な事に、最高のマゾ体験が出来ちゃいそうだよ。」
女性は四人の様子を見て不穏なものを感じ取った。
「お前達、何を企んでいる?
とにかく、マゾになって貰うからな。
調教は明日からだ。まずはこの施設の各所に設置された
監視モニターの映像でも見ながらこの施設の恐ろしさを感じろ。」
女性がどこかへと行ってしまった後、四人はモニターを見た。
そこには施設内のマゾ体験者達の様子が映し出されていた。
一部は男子のみ、一部は女子のみで調教が行われていた。
しかし中には男女が裸で一緒に調教を受けるものもあった。
「ゲッ、マジかよ・・・。マゾ予備軍の男達と一緒に
鞭でシバかれたりすんの?嫌過ぎる…恥ずかしいだろ。」
「いや、でも恥ずかしいで言えばどれも恥ずかしいよ。
自分の自由を相手に明け渡して制限されて辱められて。
最初は死にたくなるかもだけど、それがそのうちいつか
気持ち良くなったりするのかなぁ。」
杏と凛はこうして不安を覗かせていた。
一方でリナと玲奈は少し事情が違った。
互いにとても大切で必要な存在だと感じてから、
お互いがいれば何でも乗り越えられる、と言う気持ちになっていた。
「私は・・・何とか乗り越えられるかも。
だってリナと一緒だから。」
「アタシもだよ。玲奈がいるなら、頑張れるよ。」
これを聞き、杏も二人に対抗した。
「あ、アタシだって凛がいるなら凛の為に頑張れるぜ?
コイツと一緒にシャバに戻る為なら、アタシ頑張るよ!」
凛がそれを聞き嬉しそうな顔をした後、自らも発言した。
「私だって、杏がいるなら頑張れるもん。
また二人で自由に夜の街で遊ぶ為に、今は乗り切る時なの。
だから大丈夫。絶対にまた二人で戻れる、あの街にね。」
こうして、互いが互いを必要とする事で四人の決意は固まった。
もはやモニターを見て脳内で予行演習をする必要すらなく、
彼女達は自らの身に何が起ころうとも乗り越えると決意した。
「さ、そうと決まればサッサと寝てしまおうぜ。
もしかしたら明日からの調教、寝れないかもだしさ、
初日って大体拘束が緩かったりするじゃん?
だったら今日は唯一、ゆっくり寝れる時間かも知れないぜ。」
「そうだね、だけどあの宿みたいに見たい夢は見れないだろうね。
もしかしたら悪夢を見るかもだけど・・・、でも大丈夫だよ。
アタシら四人全員で揃って、また街に戻ろう!」
こうして四人は初日の自由な夜の時間を睡眠に費やす事で
無駄な心配に心をすり減らしたり睡眠不足になる事を防いだ。
そして彼女達のこの行為は施設側の狙いから外れていた。
モニターに写されている映像は実はリアルタイムのものでは無く、
過去に行われて来たマゾ体験の中でも強烈な映像の再生だ。
ここで明日から自分達に行われるであろう行為の恐ろしさを見て
眠れなくなり恐怖の中で本番当日を迎える事。
これこそが施設側が狙っている洗脳に近いやり方だった。
しかし四人はこの映像に目を向けない事で心の平静を保てたのだ。
更にはこれから互いの恥ずかしい姿を晒し合うのだからと、
杏と凛、リナと玲奈は互いに恥ずかし気も無く抱き合って眠る事にした。
こうする事で非常に安心して眠る事が出来、精神的余裕に繋がった。
部屋に置かれた4つのシングルベッド。
それぞれの距離は必要以上に離されている。
コレは心理的な孤立を狙ったものだったが、
四人は二台のシングルベッドに二人ずつ抱き合い眠った。
しかし四人は考えた。
黒木綾は一人でこの試練を乗り越えたのだろうと。
そう考えると黒木綾の伝説性・特殊性・神話性が高まった。
四人は悪夢を見る事も無く、しかし好意を寄せている相手と眠る事で
やや情募的な夢を見てしまった。
多少体は火照ったが、それでも悪夢を見るよりは良かった。
そして早朝五時、扉を叩かれたかと思うと、鍵をかける事が出来ない為、
強引に施設の職員が部屋に入って来た。
「さぁ、今日からマゾ体験を始めるぞ。
まずは裸になり、性器にはピアスを付ける。
何、心配するな。穴を開けるワケじゃない。
しかし、挟み込む形のものだから常に刺激される。
こうして快感に弱くなるという構図だ。
ハッハッハ、マゾとはやはり、惨めなものだなぁ。」
こうして四人は衣服を脱ぎ捨てて全裸にされてしまった。
羞恥心から股間を蜜液が伝っている。
それを施設職員が残酷にも指摘して来た。
「おいおい、お前ら臭い液体漏らしてんじゃねーよ。
もし床に落ちて汚したら、床を舐めてもらうからな?」
しかし、このあまりにも異常に高圧的な命令により、
更に蜜液は滴り落ち、遂には床に数滴ポタポタと落ち始めた。
「オイオイ、言った側から気持ち良くなってんのかよ、マゾどもが。
まぁ良い、サッサとそれを舐めろ。舐めなければ電撃棒だぞ。」
四人は大人しく従順に床を舐めた。
後頭部を職員が足蹴にしながら嘲笑った。
四人は昨夜強い気持ちでマゾから立ち直ると誓い合った。
しかし、いざ実際にこうして調教を受け始めると
早速心が折れそうになっていた。
それでも何とか自我を保ちながら、四人は床を舐め切った。
「ふん、愚図どもが、遅すぎるんだよ。
まぁ良い、朝食の前にまずは朝のマゾ体操からだ。
恥ずかしいポーズばかりの運動で、自分達の哀れさを自覚しろ。
さぁ行くぞ、サッサとしないと電撃棒だからな!」
職員から追い立てられて、四人は急いで次の場所へ向かった。
このようなペースで責められ続けて四人の心は壊れずにいれるのか。
既に四人は昨日の誓いに少し後悔の念が出始めていた。




