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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第七章 セレブの意味とは何でしょう?
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タワー攻防戦3

さて、犯行予告の時間まであと少し。

普段は観光地として賑わっている展望タワー、ヘルアンドヘブンタワーも人がまばらである。

何処から情報が漏れたのか、ネットで噂話として盛り上がっていた。

その影響もあるのだろう。

まぁ、こちらとしては好都合ではあるけれど。


「レミリア、お嬢様、聞こえるかい?」


耳に着けた通信装置からアレックスの声が聞こえる。


「はい、聞こえます」

「私も良好よ」

「用件だけ伝えよう。襲撃を受けているから、皆、気を付けて」

「は!?」


事もなげにアレックスは言ったが、言葉の衝撃はなかなかのものだった。

冷静になって考えてみれば、アレックスはしっかりと報道で顔を晒している。

それが、テロの目標地点に居るとなれば、排除に動いても仕方のない事だ。

どうする? 救援に行くか?

―――――――――いや、違う。

アレックスは『気を付けて』と言ったのだ。

それは此処を動くなという事。

そして当然――――――こちらにも襲撃が来るという事。


「アンタッチャブル!」

「ちっ」


アンタッチャブルで作った障壁に、銃弾がめり込む。

腕輪の力で強化された視力はその様子をしっかりと捉えていた。

更に、その銃弾は炸裂する。

榴弾!?

人に対して使っていいものじゃない!

って、とにかく動かないと。

即座に距離を取り、榴弾は遠い位置で弾けていた。


「知っている……と見てかかった方が良いね」


アンタッチャブルの拒絶の力。

ひとえに外界と私を遮断する力。

しかし、その力の内側はどうだろうか?

外界と私の境界線、曖昧なものとして存在している。

分厚くすればするほど、強力な拒絶の力を発揮できるが、曖昧なものを増やしている事にもなる。

だから、こうした榴弾のような内部で炸裂するものに関しては、その効果が薄くなってしまうのだ。

どういう訳か、その弱点を知っている敵。

情報が洩れているのか、それとも研究されているのか。

後者であれば、そんなに有名人ではないんだけどな、と愚痴りたくなる。


「こちらも今襲撃を受けました。もしかしたら、知っているのかもしれません」


とにかく二人に情報を伝える。

それとともに、視界は敵の方へと向け、次なる攻撃に備えた。

私の頭が腹部までしか届かない程長身の魔族の男で、片手には巨大な銃―――いや、大砲じみた物を持っている。

そして、私の方に掲げられた手には、ライフル銃。

子どものおもちゃのように見えるが、きっとバカデカイのだろう。

こちらとてやられっぱなしではない。

ミストラル家から貸与された拳銃を腰から抜き出し、即座に放つ。

途端、閃光がひた走り、男の背後の木々に巨大な穴を空けてしまった。


「え? 光線銃なの、これ?」


街中で使っちゃダメでしょ! 外したら他の被害が凄い事になってしまうじゃない! ……って今も外したけど。

とはいえ流石、ミストラル家特製の光線銃だ。

小型なのに威力は十分。

少しだけ文句を言わせてもらうとするなら、先に言っておいてほしかったくらいだが、反動もなければ、光線銃特有のエネルギーの余剰放出もほぼ無い。

空気を焼く匂いもどういう原理だか少ないのは、やはりセレブが使うものだからだろうか?


「触るなっ!」


と、変なところに感心している訳にもいかない。

両手の火器をぶっ放され、拒絶の障壁を作り出す。


「?」


不思議そうな顔で、大男は撃ち続ける。

何故、榴弾が爆発しないのだろう、とか思っているのだ。

正確には、私の背後で何故爆発をしているのだろう、か?


「不思議ですよねー」


悠然と歩を進める。

遠距離攻撃は私には通じない。

だから、マリさんもミサイルの迎撃に私に白羽の矢を立てた。

確かに、私の事を知っているのでしょう。

私の弱点を知っているのでしょう。

だけど、『私が弱点を対応している』事は知らなかった。

ただ、それだけの事。

貴方が私を倒せないのは。

何発撃っているだろうか。

既に銃の間合いは過ぎている。

距離が近くなれば、貫通力が勝ると思った?

それとも、それにすがるしかなかった?

どちらにしても、こちらの優位は揺るがない。

ついに、銃を撃ち切ったのか、私に対して徒手空拳で襲い掛かってくる。

刃物すら用意していないのは、逆に以外だ。

打撃も私には通じないのに。

殴り掛かってきた男は見えない壁に激突した。

こちとら、銃弾すら逸らす壁なのだ、生半可な打撃が通ると思うな。

それに―――私の拒絶の壁は幾重にもある。


「終わらせましょう。アンタッチャブル―――」


めしゃり、と男の巨体が潰された。

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