タワー攻防戦2
「そうか、分かった。情報ありがとうね、何か有ったら言ってくれ、防衛にこっちは回るみたいだからさ」
アレックスが公安と連絡している。
三人組から得た情報を確認を取ってもらったところだ。
「これが陽動とかの可能性ってあるかしらね?」
難しそうな顔をして、マリさんがポツリと呟く。
「どうだろう、奴らの情報通りに二発見つかったよ。これが陽動だっていうのなら、ちょっと手間とコストがかかり過ぎている気もするけどね」
連絡を終えたアレックスが話に加わった。
「残りの二発で仕留める自信があるって事かもしれないけどね」
「もし、マリさんの言う通り、陽動なら二発も場所を外部に漏らしていた事になりますもんね」
「ええ、杞憂だと良いのだけれど、外注業者に機密を漏らすなんて、一般企業でもやらない事でしょ?」
確かに、普通の人間ですら気にしている事を、秘密裏に動く連中がやらかすだろうか。
「その線も考えないといけませんか……反対に、漏れてしまった、漏らしてしまったという事であれば、ちょっとお間抜けな気もしますよね」
「まぁ、元同業から言わせてもらうと、だ。情報をリークするっていうのは、予想外も予想外の行動なんだよね」
「それを聞くと、そういうイレギュラーが起こったのか、三人がそもそも情報を漏らせと言われたのか、悩むところですね、むしろ」
【急募】心を読める能力持ち、といったところだろうか。
「疑心暗鬼になってしまうのは仕方がないけど、何だか気になるのよね」
「ただ、お嬢様、どちらにしても飛んできた物を迎撃するのに変更は無いんだ。気にせず気にせず」
「うーん……もう、そのテロ組織とやらをぶっ潰すんじゃダメかしら?」
相変わらず、とんでもない事を言いやがりますねー。
「場所さえ分かっていたら出来そうですけどね」
「ただそうなると、どうせ侵略行為だなんだと言われてしまうしねぇ……一人で戦争って訳にもいかないし」
「おやおや、大分物騒な話だね。元・公安の身としては、お隣の国なんてぶっ潰してくれた方が有難いんだけどね」
「ふふ、私は別にお隣とは言ってないけどね」
「おっと、失言だったかな」
これ、誰か聞いてたりしないよね?
マジで火種になりかねない。
「こっちの軍、警察も、なかなか馬鹿に出来るものではないですから、私達の出番が無い事を祈りましょう」
とりあえず、話題を元に戻しておかなくてならないと、無理やりかもしれないが、話し出す。
「こりゃ、お嬢様に良い所を見せるために、ハッパを掛けなくてはならないね」
「そっか、何も私が全部解決しなくても良いのよね、そもそも」
「そうですそうです。マリさんはあくまでも、ゲストのお手伝いさんみたいなものですから! 私達は、彼らが足りないところを補えるなら補う、くらいで良いんですよ!」
と、マリさんに言いながらも、私は自分にも言い聞かせていた。
不安や心配は尽きない。
だから、少しでも楽観的になりたかった。
ただ、あっけらかんと忘れられる程、私の頭はポンコツではない。
意識的に反らしている逃避行動と言っていい。
「じゃ、お手並みを拝見しようかしらね」
そんな私の気持ちを知ってか、明るく微笑んでくれるのであった。




