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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第七章 セレブの意味とは何でしょう?
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タワー攻防戦4

思わぬ時間稼ぎをされてしまった。

それでも予告時間ギリギリではある。

いよいよと思うと、心も体も強張ってきた。


「襲撃の対処、終了しました」

「流石レミちゃん、早いじゃない」

「え、マリさん終わっていないんですか?」

「私のとこには一切来ていないの。不思議ね」

「こっちは今終わったよー。いやぁ、数が多くて面倒くさい事……」


アレックスは複数、マリさんに至っては、襲撃が無い。

一番の障害はマリさんなのは間違いない、何故妨害をしなかったのだろうか。

そして、アレックスに対して複数での襲撃。

アレックスの得意分野は一対一、というよりも魔法や特性が多人数向けではない。

私の相手もそうだが、アレックスの事も知っていた事になる。

そこまで対策をしている連中が、何故マリさんを放っておくのか……。


「時間よ」


考えがまとまらないまま、遂に時は来た。

一体、どうなる?

アンタッチャブルとスーツの機能で、私の視界に様々な数値、レーダーが映し出される。

何かしらの異変が起これば、直ぐに検知出来る事だろう。

あとは私が対応できるかどうか。

――――――重力振。

空間転移で攻撃を仕掛けてきた!

場所は、マリさんの担当。

であれば、私は次弾に備えるべきか。


「マリさん、重力振検知しました! 来てますか?」

「まだミサイル自体は見えてないわね。魔界の人々は慌ただしくしているけどね、今はどうにかして転移を止めようとしているみたい」

「アレックス、転移を仕掛けているって事は―――」

「ああ、結界内に門を作っている奴が居るのは間違いないね。科学か魔法か分からないけど、諸々の機関がそれを抑えに行っているようだ」


通信の傍受か、情報の提供か知らないが、私の聞きたい事を分かってくれていた。


「二発同時、って事はないでしょうねぇ」

「となると、これも陽動でしょうか?」

「だとすると、違う手段を取ってくるのかもしれないね」

「違う手段……」


何か―――見落としている気がする。

転移、縮小拡大、認識・存在の希釈、結界や迎撃に耐えうる構造・機能。

一体、何を見落としているのだろうか。

もし私がテロを起こすのなら、どういう能力が欲しい?


「――――――マリさん、これは仮定なんですが……時間操作、改変の能力って線はどうでしょう?」

「あ」


どうやらマリさんもその考えは抜けていたようだ。

時間操作は過去未来改変と同じく、私達のような特性魔法持ちには通じない。

詳しく言えば、赤子や老婆にするという能力は通じない。

同じように、私達に影響を与える操作と改変もだ。

例えば、タワーに私達が居る以上、過去を改変し、タワーを無かったことには出来ないし、私達が飲み食いしたものを元に戻すという事も出来ない。

もっと言えば、私達が知っているものも操作は出来ない。

だが、見ず知らずのミサイルはどうだろうか。

少なくとも、特性魔法を所持している人間に存在を認識されるまでは、操作が出来る。

例えば、ロングレンジから倍速するとか。

そうなってしまえば、認識できない程のスピードで飛んで来る事になる。

これはあくまで可能性の話だし、私達以外の特性持ちに認識されたって不可能になってしまう。


「ミサイルに限らず、過去の攻撃を今に現出させる事も考えると手段がグッと多くなりますね」

「まぁ、特性持ちが認識してしまえば……って、そうか、過去に認識されていなかったものなら、ただそこに現れたってだけになっちゃうのね」

「その際は予兆がありますから、対応は可能ですけどね。とにかく手段が増えたのは厄介です」

「さて、お二人さん、空間振動だ。来るよ」


アレックスが冷たさを感じる程、落ち着いた口調で開戦を告げた。

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