異世界転生したら自分が最上位だと誰が言った?
スマホからの投稿
「はっきり言うと、転生前から姉弟だったわよ」
真っ白な個室で私と先輩、そしてエル・スチュアートの三人は今後のことについて話し合う。
「これでアールの話に裏が取れましたね」
「この期に及んで、嘘をつくほどマイケルーーーあぁ、アールの事ね、あの子は肝が座ってないわよ」
イスでふんぞり返りながら答えるエル。
「ていうか、やっぱりキャラを演じてたのね」
「ここまで落差があると、いっそ清々しいですね」
「引っ込み思案の幼女って、大人が優しくしてくれるからね」
モジモジとした仕草に上目遣いでチラチラこちらを見てくる。
こーゆーのって、レイさんにやらせたらどうなんだろうか?
まぁ、係長は揺るがないだろうけど。
「そういう強かなところは評価してあげるわ」
「嬉しくはないけどね」
「褒めてるんだから、喜んでよ」
「お断りだね。で、私たちはどうなるの?」
「んー、それは六人全員の大まかな話? それとも、あなた達姉弟の話?」
「両方」
「まぁ、一先ずは全員訓練施設送りね」
「その後は?」
「今後次第ではあるけど、あなた達姉弟は基本別々にしちゃうかな? あなたは私の手元に置きたいのだけど」
「はっ?」
驚くのは無理もない。
何せ歯向かってきたやつなんて、普通は粛清対象だ。
「正気なの? 反乱分子を手元に置くって」
「あら、まだ歯向かう元気があるの?」
「五人がかりで不意打ちしても、ボッコボコにされたの忘れたんですか? それに先輩には手加減されてまで」
「お前は止めるのがいっぱいいっぱいだったでしょうが! 今度はそうはいかないわ!」
ほう、なかなか言いやがるな小娘。
「困ったわねぇ、そしたら研究施設送りかしらね?」
「それで構わないわ。あなたのような何考えてるか分からない人の下なんて」
「何を言ってるの? あなたじゃなくて、アールの方よ?」
「な……に?」
「ガッツリ検査と実験に回させましょうね」
「き、汚いぞ!」
「この国で暮らしてて、この国のルールに従わないどころか、転覆を考えるような輩に言われたくはないです」
「くっ……」
「まぁ、私も鬼じゃないわ。正当な実力で私を超えてみなさい。武力でも、政治力でもいいから」
「随分余裕じゃない……」
「ま、その前に、レミちゃんを超えるところからだけどねー」
「え、私は相手にしたくないんですが、めんどくさいですし」
「ほら、めんどくさい止まりの実力評価みたいよ。頑張ってね!」
「くそーーー! せっかく転生したってのにー!」
イスに体を投げ出し、天を仰いだ。
まぁ、第2の人生だというのに、つまずいたのは可哀想には思う。
「異世界に転生したってのにー! 普通、チート人生でしょうがー!」
「あら、興味深いわね」
「あなた達の世界にも転生という概念があったんですね」
「私の世界では、転生なんておとぎ話よ。けど、その話だと、自分の特技を活かして異世界で無双する、って話が大半よ」
なるほど。
確かに私たちが異世界に行ったのなら、おそらく無双状態だろうなー。
「転生前は、天才双子錬金術師として、名高い存在だったのよ……。そしたら、錬金術は普通にあるわ、機械は発展してるわってなってるじゃない? ほんと予想外よ……」
「まぁ、そう甘くないってことです。残念でした」
「自分たちよりも発展している可能性を考慮すべきだったわねー」
「高度な科学は、錬金術と変わらない。とか言う偉人も居たりとかして、天才錬金術師も立つ瀬が無いわよ……」
「追い打ちをかけますけど、その人、けっこう昔の人ですからねー」
「さっきからあんた、一言余計、って言われない?」
「仕事中じゃなかったら、ぶっ飛ばしてるところです」
「!?」
「さっきからムカついてるのは私も同じだーーー! 私はおろか、先輩に向かってタメ語だわ、態度は悪いわ、ふざけんなー!」
「レミちゃん、どうどう」
私は馬か!?
あ、先輩だった……。




