教育機関訪問10
スマホから投稿
「ーーーアンタッチャブルでも止めるのがいっぱいいっぱいかー。改めて凄い子達ね」
「……私は止めるのに専念しただけです。先輩居ましたし。室内でしたから、周りにも気を使いましたし……」
負け惜しみを口に出す。
少しでも魔力の手を抜けば防げなかっただろう。
いくら転生者といえど、見た目が子どもの相手に全力を使うというのは、罪悪感のようなものがある。
「この子達、色んな技術を使えそうですね」
在学中になのか、元々なのかは分からないが、体の動かし方、各種魔力行使、様々な技術と能力を身につけているのは身をもって体験した。
「ボスとやらが教え込んだとしたら、なかなかの人物ね。……あ、はいはーい、ミストラルですー」
端末への通信が入ったようで応答する先輩。
「あ、そうなの? こっちももう終わったわ。じゃあ後ほどー……。レミちゃん、あっちもボスとやら確保したってー」
「了解です。ならとっとと運びましょう。ーーー"触るな"!」
さあここで、私の特性魔力行使、アンタッチャブルの応用です。
空気圧、重力、魔法障壁の出力を調節すれば、相手を浮かすことが出来る。
五人を担架で運ぶより、魔力を使った方がよっぽど楽だ。
今は魔力ーーーオドに余裕が無いため、そこいらへんに漂うマナを使用するため、詠唱じみた言霊を飛ばす。
「あら、便利ねー」
「使えることが増える分、本来の用途なら外れる気もしてますけども」
「私もそういうのが良かったなー」
「いえ、先輩はこれに頼らずとも何でも出来るでしょうに」
先輩ほどの実力があれば、魔力行使の応用で何でも出来る。
私はただ使いやすいから使っているというだけで。
「無理やり魔力行使で体現するのはけっこう疲れるのよ。サイコキネシスとか、消費が少なくて済む応用の効く特性なら良かったのに」
「そんな、勇者が陰で泣いてますよ。魔族の血が流れてる身としてはざまあみろ、と思わないでもないですが」
「見たことも会ったこともない身内なんて知ったこっちゃないわよ。レミちゃんの言う通り、ざまあみろと思うことにするわ。それはそうとレミちゃん……」
「はい、なんでしょう?」
「この子の麻酔はいつ切れる予定?」
そうそう、先ほど撃ったのは、麻酔銃だ。
無抵抗の人間を処刑するほど鬼ではない。
言ってしまえば、障壁を貫通する能力も無いし、当然物理的な貫通力もある訳が無い。
私なりの意趣返し、といったところだろうか。
さて、いつもなら三十分きっかりで起きるはずだ……が……。
「あ……」
「???」
「すみません、麻酔量、大人のサイズでやってました」
「殺っちゃった?」
「やってしまいましたが殺ってはいないはずです……」
報告書が始末書にならないといいなー……




