682
プリメラさまのお茶会は開催そのものはまだ先のため、存分に悩んでいただくとして――私の方は、アリッサさまから快諾の返事をいただきました。
なんだったら侍女仕事の都合に合わせるというお優しい言葉までいただいてしまって……ああ、理解があるって素晴らしい。
とはいえ社交の都合でこちらに来られるとのことですので、空いている日を提示してくださったのでそこで私も休みをとるつもりです。
プリメラさまのお茶会準備という大事なお仕事はありますが、今はデボラさんの力を借りてスカーレットも補佐の勉強をしているところ。
そう……私は専属侍女でもありますが、筆頭侍女ですから後輩たちが学べるチャンスはどんどん生かしてもらいたいのです!
特にお茶会での給仕その他は侍女にとって花形のお仕事。
以前のスカーレットなら書類仕事同様、どうしてそんな裏方仕事……って言ったかもしれませんがむしろ美味しいお茶をご令嬢たちに直接注ぐ、しかも王城の茶器を預かる、王族の飲食を扱わせてもらえる立場ですからね!
しかも我らがプリメラさまは大天使ですから、自分の下につく者をとても大事にしてくださるので!
もうそれだけで侍女としては最高に自慢できることではありませんか!!
まあ勿論それは私の観点であって、全ての人がそうではないことを理解した上でのことです。
それはともかく私の茶会もしっかり成功させないとですね。
(といっても失敗しようがないけど)
大体の日取りを決めて、お義母さまに手紙を書くことにいたしました。
アリッサさまがこちらにおいでの間に、ミスルトゥ家に滞在していただけば良いのです。
客室もありますし、お客さまをもてなす雰囲気の練習にもなりますのでね。
とはいえカルムさんもマーニャさんもベテランですから心配は要らないでしょう。
言ってしまえばアルダールの方が居心地が悪いに違いありません。
未来の義母ですもの。
しかしながら来客には慣れた方がいいのは事実。
今後もこうした中でディーン・デインさまにお泊まりいただくのもいいかもしれません。
メレク?
来てくれたら嬉しいですけど今は勉強と領地のことが忙しいらしいんですよね……オルタンス嬢と結婚した時に立派なところを見せたいのでしょう。
我が弟ながらなんと健気で可愛らしいことか!
(まあ可愛いって言ったら拗ねちゃうから言わないけど。でも拗ねるところがまた可愛いわよねえ)
いくつになったって可愛い弟ですもの。
多分メレクがおじさんになっても私は可愛がるんだと思います。
……どうしましょう、嫌がられる予感がしました。
適度に。そう、適度にいきましょう!!
(それと同時にオルタンス嬢だけど……たしか彼女は学園で、最終学年になったんだっけ?)
婚約しているので、そのまま卒業後はファンディッドに嫁いでくる計画なんですよね。
ですのでアルダールと私が結婚した後で、メレクたちが華やかな結婚式を行うわけですね。
(はあ~今から楽しみ!!)
とはいえ自分の結婚式が先にあるわけなんですけども。
そしてオルタンス嬢は現在、王都にあるセレッセ伯爵家のタウンハウスから学園に通っていたはずなので彼女の都合はやはり週末でしょうね。
であるならば、アリッサさまの都合の中から週末に合わせられそうな日を狙えばこちらはスケジュール完了です。
「完璧……!」
とりあえずはアリッサさまからのお返事で日付を確定したいですが、お義母さまは少し手紙が届くまでの時間差がありますからね。
でもそちらもきっと色よい返事がいただけると思います。
(お義母さまとの王都観光も楽しみだなあ)
前回少しだけしましたけど、今回はもっといろんなとこ回りたいですね……!
日取りがはっきりすれば人気の舞台のチケットも手に入ることでしょう。
……最悪、セバスチャンさんを頼ればいける。
「ユリアさま、今いいですかー?」
「あらメイナ、どうしたの?」
「この書類、経理部から上がってきたんですけど字が汚くて読めなくて……差し戻しでユリアさまに判をいただきたいんです」
「まあ、本当……ありがとうメイナ。すぐ持って行ってくれる?」
「はい!」
うんうん、今日も王女宮は平和です。
なんて素晴らしいことでしょうか!!
嵐の前の静けさ()




