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前世の記憶があるアイリスとダイアナ  作者: 彩緒


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1:学園生活♥♦①

(1302字)

 ♥♥♥


 私の学園生活が始まったわ。

 私は前世と同じように、男子学生の注目を集めたわ。

 みんな、ちょっとした用事を作っては話しかけようとしてくるわ。

 うふふっ。


 でもね、軽率なことはできないわ。

 今年、私と一緒に入学した新入生の中には第二王子のルーク殿下がいて、私は見初めていただかないといけないんだもの。入学式の時にざっと見渡したら、私ほど可愛い子がいなかったから大丈夫だと思うけど、油断はできないわね。娘の婚約者を決めずに入学させて、王家と縁を結ぼうと考えている家は、フォスター家だけじゃないのだから。細かいところも気を引き締めて、私をよく見せないとね。



 学園では、隣に並んだ時、私を引き立ててくれるような子と一緒に行動したわ。

 私と家格が同じで、私より背が高くて、私ほど可愛くない子。でも醜い子ダメ。醜い子と一緒にいたら私まで同類に見られちゃうからね。


 その点、ダイアナ・ワーグナーは本当にピッタリだったわ。もう少し綺麗じゃない方がよかったんだけど、婚約者候補の対象外だから気に入ったわ。暑くても長袖を着ていて、理由を聞いたら、腕に子どもの頃に作った大きな傷があるっていうじゃない。王族に嫁ぐのに傷があってはね。


 私の前世にも、ダイアナみたいに私を引き立ててくれる存在がいたわ。

 男の子みたいに髪が短くて、背が高い女の子。きっと女性の護衛騎士みたいな感じだったのね。

 女の子にも守ってもらえる私。男女両方から人気がある私。

 うふふっ。さすがだわ。




 ♦♦♦


 入学式とその後のオリエンテーションを終え、待ち合わせ場所で待っていると、兄とヘレン様が現れました。ヘレン様は、兄の婚約者です。


「ダイアナ、荷物を持つよ」


「お兄様、学園では恥ずかしいので荷物は自分で持ちます」


「まあそう言わずに」


「お兄様、シスコンだなんてウワサが立ったら、ヘレン様にご迷惑がかかってしまいます」


「大丈夫よ。私はウワサなんて気にしないわよ」


「そうは言っても・・」


 兄は、わたくしが7歳のときにケガをして以来責任を感じているようで、わたくしが荷物を持っていると、必ず持ってくれるようになっていました。わたくしが負けん気を出したのがケガの原因なので、気にする必要は全くないのですが、兄の気が済まないようなのです。

 ヘレン様もこのことをご存知です。ヘレン様は、兄以上にわたくしを気にかけてくださるので申し訳ないぐらいです。

 

 わたくしのケガは、骨折自体はそこまでひどくありませんでした。ただ木から落ちるとき、突き出た枝で左腕をザーッと切り、20cmぐらいの長い傷ができてしまいました。それに加え、手を地面についた時に筋を痛めたようで、少しだけ握る力が弱くなりました。

 わたくしとしては、日常生活に支障はないので深刻に受け止めていませんが、令嬢に傷があるということは、周りをかなり悲しませてしまうようです。



「そういえば、ダイアナと同じ学年にルーク殿下もご入学されたんだったよな」


「あらそうなのね。どうりで私たちの時と違って式場の護衛の方が多いと思いましたわ」


「とにかく、今日は皆でダイアナのお祝いだな」


「私、ダイアナ様にプレゼントを持ってきたのよ。とても可愛いものをみつけたのよ」

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