表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/56

特訓

(ところで、低位精霊が意思を持たないから自ら魔法を使わないってことは理解したわ。それに、私達が自分で使えるかも、ってことだけど、高位精霊に従った方がいいのよね?)


 美鈴がここまでの理解度を確認する。


「そうよ。高位精霊に従うことは大切よ。そうしないと大変なことになりかねないわ」

((大変なこと?))


 レーナも美鈴も首をかしげる。


「ええ、私達精霊は何からできているっけ」

(自然エネルギーです)

「そう。精霊魔法は、その自然エネルギーを使うの」

(精霊魔法?)


 また新しい言葉がでてきた。

 普通の魔法とは違うのか……。

 これについて、しらゆきとみゆきが解説する。


「実体を持つ人間達は、魔力を持っていて、魔力を使って魔法陣を形成し、自然エネルギーを使って魔法を行使するの」

(難しい……)

「でも、私達精霊は、自然エネルギーを使って魔法陣を形成し、自然エネルギーを使って魔法を行使する」

(は、はい)

「その自然エネルギーはどこにある?」

(大精霊や高位精霊の周りに多いと)

「はい。よく覚えていました」

「魔法を行使する、要は、ファイアランスやアイスランスを顕現させるのは漂っている自然エネルギーなんだけど、魔法陣を形成する自然エネルギーは、自分のエネルギーを使うの。これは人が魔力を使うのと一緒ね。つまり……」

(つまり?)

(もしかして、使いすぎると、自分がなくなる?)

「美鈴、正解」

((……))

(じゃあ、魔法使っちゃだめじゃん)


 レーナが慌てる。


「人の魔力と同じで、精霊も少しずつ自然エネルギーを取り込んで回復させるわ。だから、一日の使用量が決まっている、と言った方がいいかしら」

「それから、大精霊や高位精霊からの指示で魔法を使った場合、その高位精霊から自然エネルギーの供給を受けるわ。だから、自分の自然エネルギーは減らない」

(わかって来た。だから高位精霊を探してそのそばにいた方がいいと)

(それは、高位精霊の周りに自然エネルギーが集まっていることと、魔法を使うにしても高位精霊から自然エネルギーの供給を得られるからね)

「はい。正解です」

(それから、高位精霊や大精霊が低位や中位精霊を使って魔法を行使するのは、調整しやすいから)

「そうです。それと同時発動が出来ます」

(で、私達は高位精霊を探して旅に出るって言われたけど、しらゆきとみゆきのそばじゃいつまでも高位精霊になれないから?)

「実績がないのよ」

「低位精霊も中位精霊も意思を持たないから、そもそも高位精霊になろうと思っていない。高位精霊や私達も、永遠の時を生きるから、何かを変えようとしない。だから変化をしない。きっとそれが原因で、多くの低位、中位精霊は階位が上がらないのよ」

「お父さんは、旅に出て五年で学校に、って言ったけど、本当のところは、貴方達は精霊だから、どれだけだって時間があるわ。でも、早くアイドルになりたいんでしょ?」

(うん! なりたい!)

「だから、何かを変えたい、自分を変えたいって、変化を求める特殊な精霊を探す必要があるのよ、きっと」

(わかった。まずはここで言葉と魔法を学んで、その後、変わり者精霊を見つけて一緒に何かを変えていく。そう言うことね)

「そうだと思うわ」

「ということで、部屋に戻って語学学習からやりましょうか」

((はーい))





 四人で部屋に戻る。


 トントントン


「あ、語学学習担当の人が来たよ」

「##########」


 みゆきが何かをしゃべると、ドアが開いて、一人のメイドが入って来た。

 手には絵本。


「#####、サーナ######。アンヌ######」


 メイドが自己紹介をしている。

 多分。


「この方がサーナさん。アンヌさんと交代で語学学習をしてくれるって。二人とも、お父さんのメイドチーム、クオーツのメイドさん」

(レーナです。よろしくお願いします)

(美鈴です。よろしくお願いします)

「######レーナ、美鈴######。」


 みゆきがレーナと美鈴の言葉を通訳をして、サーナに伝えてくれる。


「絵本を繰り返してこっちの言葉でよんでくれるって。それで覚えてって」


 しらゆきが語学学習の方法を教えてくれる。


((わかった)わ)


 サーナが、絵本を広げ、読み始める。


(これ……)

(知ってる話ね)

(はらぺこ青虫……)

(これなら、言葉が覚えやすいのかも……)

「二人とも、集中して」


 しらゆきに叱られる。


((ごめんなさい))


 二人は、サーナの読み聞かせに集中した。





 この日から、午前中は語学学習、午後は魔法の練習となった。

 語学学習の方は、ひたすら本を読んでもらった。

 わからないところは一緒にいるしらゆきとみゆきに教えてもらった。

 話す方もしらゆきとみゆきに聞いてもらって確認した。

 午後は、しらゆきとみゆきと一緒に屋内練習場へ行き、二人に従って魔法を撃ったり、それをまねて自分で撃って復習をしたりと、魔法行使の上達に励んだ。


 こうして冬になるころにはレーナも美鈴もこっちの言葉を話せるようになった。

 また、本も自分で読めるようになったため、絵本や本の読み聞かせは無くなった。

 会話はしらゆきとみゆきとの実戦あるのみである。

 読書は、手がないため、風魔法を使ってページをめくった。


 その魔法の方はというと、しらゆきとみゆきに教わって実用魔法も攻撃魔法も使いこなせるようになった。

 炎系、水系、風系、雷系そして土系と、どの系統も撃ちだすことができるようになった。

 また、黒薔薇騎士団やローゼンシュタイン辺境伯領の騎士団の実戦訓練に付き合って、治癒魔法も学んだ。

 信じられないことに、これらの騎士団はガチの実戦訓練をして、傷を負っていく。

 なぜなら、高レベル治癒魔導士が何人もいて、すべて治してもらえるからだ。

 この実戦訓練により、レーナ達の治癒魔法も上達していく。


 また、この場は大精霊が何人もいるため、自然エネルギー密度が濃い。

 つまり、自分のエネルギーを使い切っても少しずつだが補充される。

 よって、精霊として死ぬこともない。

 自分のエネルギーを全部使い切る、という本来なら死に近づく危険な訓練まで毎日行った。


 そして、ロッテロッテのミサも何度か見て刺激を受け、そのたびに頑張ろうと誓った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ