精霊になる! 精霊のアイドルになる!
「「きゃー!」」
リーゼロッテの答えを聞いたかどうかわからないが、突然現れた二柱の神様と大精霊アイドルの登場に興奮の悲鳴を上げるレーナと美鈴。
「リーゼロッテ様、シャルロッテ様、すごかったです。すごかったです。感動しました」
レーナが涙目になる。
目はないし涙もでないが。
「ほんとです。神様みたいに、すべてを奪われて見入ってしまいました」
美鈴も目を潤ませる。目はないが。
「あ、ありがとう」
「ありがとうございます」
二人の感想にリーゼロッテとシャルロッテが引き気味にお礼を言う。
「わ、私、アイドルとして自信を持ってやってきたんですけど、まだまだ高みを目指せるってわかりました。まだまだだってことがわかりました。私、絶対にお二人のようなアイドルになります!」
「そ、そうか。頑張るんだぞ」
「はい!」
レーナがすっかりきゃいきゃいと興奮気味にはしゃいでいる。
そこで、美鈴が気になっていることを聞く。
「さっき、光の粒子が精霊だっておっしゃってましたが」
「聞いていたか」
リーゼロッテがため息をつく。
シャルロッテが代わりに説明する。
「私達が現れた時に包まれていた緑と青の光、あれはドライアとディーネです。それから、光の粒子は、れーちゃん、ドライアとディーネが連れている中位、低位の精霊達です」
「そ、そう言えば、昨日、ディーネさんに見せてもらった低位精霊? 外だとあんな感じになるんですね。ということは、あの幻想的なステージは、精霊の力を使えばできるということですか?」
「そうよ。すごいでしょ?」
「はい! っていうか、精霊を使ったステージもすごかったのですけど、やっぱり、お二人の存在感はすごいです。私もロッテロッテ教の信者になりかけました」
なりかけ……。
美鈴のその感想に苦笑いをするロッテロッテ。
そこへ、突然大きな声で宣言をするレーナ。
「私、やっぱり精霊になる! 精霊になって、高位精霊になれば体が得られるんだよね。そしたら、歌って、踊ってそして、自分で光り輝けるってことじゃん。頑張って頑張って、歌もダンスもロッテロッテのお二人みたいになれるように頑張って、そして、自分で精霊の力を使って輝いて。ほら、最強のアイドルじゃない!? 私、それを目指す!」
ロッテロッテは引き続き苦笑いだ。
「私も、私も目指していいのかしら。ロッテロッテのお二人みたいにはなれないかもだけど、レーナと一緒に、あんなに人に見て喜んでもらえるアイドルになれるように、私、頑張ってもいいのかしら」
美鈴も意気込む。
「美鈴さん! やろう。一緒に頑張ろう。二人でアイドルになろう!」
「うん。レーナ、いろいろ教えてね」
「やったー!」
レーナと美鈴が精霊に転生することを選択した。
翌日。
「二人とも、精霊になることを選んだんだって?」
グレイスが確認として聞いてくる。
「「はい!」」
レーナも美鈴もはっきりとグレイスに告げる。
「私、美鈴さんと一緒に精霊になって、美鈴さんと一緒にアイドルになります」
「わかった」
グレイスは、二人に近づく。
「一昨日言ったけど、精霊になったら僕とは会話が出来なくなる。多分、精霊のれーちゃん達とは意思の疎通ができるだろう。春までだけど、引き続き、しらゆきとみゆきと一緒に過ごしてくれ。それから、この世界の言語を習得すること。いい?」
「「はい!」」
「それじゃ、僕の手のひらに乗って」
グレイスは、両の手のひらを上に向けて差し出す。
レーナは左手の上に、美鈴は右手の上に乗る。
「じゃあ、目をつむって」
レーナも美鈴も目はないが、つむったつもりになる。
「精霊になーれ」
グレイスがそう唱えた瞬間、二人の光が変わった。
これまで、二人とも白い光であったが、今はレーナが金色に、美鈴が銀色に光る光の玉になった。
「君達の声は僕には聞こえないが、僕の声は聞こえると思う。ちょっと試してほしいことがある」
レーナと美鈴は縦に震えて承諾する。
「消えてみて」
レーナと美鈴は、その光を消し、グレイスの視界から消える。
「じゃあ、また出て来て」
二人は、また金と銀の光の玉となる。
「うん。いいね。じゃあ、しらゆき、みゆき、後はお願い」
「「はい、お父さん」」
「それじゃ、部屋へ行こうか」
しらゆきがレーナと美鈴に声をかけた。
(しらゆきさん、私の声、聞こえなくなっちゃったのかなぁ)
「聞こえているわよ。それに、呼び捨てでいいわ」
「私もみゆきって、呼び捨てにして」
(私の声も聞こえます? レーナは?)
「美鈴の声も聞こえるよ。レーナは?」
(聞こえるよ、美鈴さん)
(よかった)
(でも、これ、心の声、だだもれだね)
(え、注意しなきゃ)
「「あはははは」」
しらゆきとみゆきが笑った。
「そうだねー。気を付けて」
((はーい))




