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第二十八話 力にかえて
箱根駅伝復路、第九区。
ダントツの最下位であるが、
大和は、全力で走り続けた。
(お前らが諦めていたとしても、
俺が最高の走りを見せてやる!)
前日にメンバーに飛ばした檄を
思い出していた。
でも、今は少し違う。
(皆が最高の走りをみせてくれたから、
俺も最高の走りで応える!)
この気持ちが、大和の快走を支えていた。
第二十八話 力にかえて
沿道では、例年と比較にならないほどの
声援が鳴り響いていた。
「ジョーダイ、がんばれー!」
「ジョーダイ、来年も待ってるからなー!」
携帯などで、箱根駅伝の中継を見ながら
応援していたのだろう。
戸塚中継地点での繰り上げスタートも
知っているようだ。
しかし、それだけで、最下位のチームに
ここまでの大声援が送られるだろうか?
答えは、否、である。
今まで走ってきたメンバーのアツさが、
テレビ画面を通して、
見ているものに伝わっていたからだ。
ジョーダイコールの大合唱を力に変えるように、
大和の走りは、スピードを増していった。
そして、大和は十区のランナーに
無事に襷をつなぐと、
走ってきたコースに振り向き、
深々と一礼をした。
誰一人抜きさることや、
順位一つ上げることはできなかった。
しかし、城西拓翼大学キャプテン・大和雅紀、
他のチームの誰よりも九区を速く駆け抜け、
区間賞を獲得したのであった。




