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第二十五話 おかんの激励
今まで気持ちひとつで走ってきた蒼太だが、
やはり、遊行寺の坂のキツさには、
体が悲鳴をあげた!
まるで、とてつもない重力の魔法を
かけられているようだ。
それでも、歯を食いしばりながら坂を登る。
そして、坂の中腹にさしかかった時、
沿道から、一人の女性が大声援を送ってくる。
(もしかして、
自分に言ってくれているのか?)
蒼太は、そう思いながら横を向いた。
第二十五話 おかんの激励
「蒼太ー!!まだ間に合うよー!!
タスキ、つなごーーー!!」
(なんで!?おかん!!?)
驚きのあまり、
身体のキツさが一気に吹っ飛ぶ!
おかんは、大声援をおくりながら、
蒼太と大きく書かれた垂れ幕を
両手にもち、バタバタと音を鳴らしている。
(これは幻なんか!?
いや、やっぱホンモンや!)
蒼太の両足に力が戻る!
(ワセガクの速水には、
絶対に負けられへん!)
蒼太は再び、スピードを上げた。
息子が箱根を走る姿を見て
泣きそうになるおかんに対し、
後方の伴走車の窓から、
櫛部川コーチは頭を下げて一礼した。
おかんも櫛部川コーチがのる伴走車に
気づくと、伴走車が見えなくなるまで、
何度も頭を下げていた。




