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じゃがいも洗いから始まる朝のルーティン


朝はいつも同じリズムで始まる。


眩しい朝日が作業場を照らす中、私――ひかるは、まだ重い瞼をこすりながら朝の作業に取りかかっていた。


起床してから午前7時までの時間は、農園の生産物を加工する大切な『実学=作業』のひとときだ。


カワギシ学園に入学して1週間経った頃、ひかるは、じゃがいもの加工処理メンバーに加えられた。


まずは大量のじゃがいもを専用の機械に放り込み、水流と回転で大まかな汚れを落としていく。


機械から揚げられたじゃがいもを作業台の上に広げ、私を含めた5人のメンバーで手分けして仕上げ作業に入った。


「ひかるちゃん、そっちの籠のもお願いね」


そう言って手際よくじゃがいもを手に取ったのは、3年生の優奈だった。


「はい!」


洗いきれなかった頑固な土を落とし、小さな芽をナイフの先でひとつひとつ丁寧にくり抜いていく。


黙々と手を動かすうち、作業場には土の匂いと冷たい水の音が満ちていく。


今朝の目標はおよそ40キロ。みんなの手際が良いのでどんどん籠が埋まっていく。


「このじゃがいも、加工されたあとに冷凍コロッケになって『カワギシ』の生産物として販売されるんだって。もちろん、私たちの夕食の材料にもなるけどね!」


(へえ、カワギシのコロッケに! 芽取りは、大切な作業なんだ)


自分たちの手で準備したじゃがいもが、お店に並ぶコロッケになるのだと思うと、手元に誇りが宿る気がした。


時計の針が7時を指すと同時に作業は終了した。


私たちは作業更衣室へ移動して作業着を脱ぎ、私服に着替えてから生活拠点である宿舎へ戻った。


自分の棚から制服を取り出して着替え、鞄に教科書を詰め込んで学校の準備を整える。


学園の子どもたちは、ここから地元の公立中学校へと通っているのだ。


7時40分、宿舎の中にある20畳ほどの大きな第1集会室に1年生全員が集まってきた。


各学年ごとに集会室が決まっている。


「学校へ行く出発研」の始まりだ。


車座になり、5分ほどで今日の目標や連絡事項を確認し合う。気持ちを学校モードへ切り替える時間だ。


「ひかるちゃん、バス行こう!」


出発研が終わると、紬が声をかけてくれた。


一緒に宿舎を出て、待機していたスクールバスに乗り込む。


窓の外に広がる田園風景を眺めながら揺られること約15分、バスは地元の中学校に到着した。


8時20分に始業のチャイムが鳴り、朝のホームルームが始まる。そして8時40分、1限目の授業が始まった。



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