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私が勇者だったって絶対バレちゃいけないんですけど  作者: zingibercolor
2章

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魔国の事情も聞いときたいよなあ

 私たちはその後もサマセット中を飛び回って、呪われているとわかった場所は全て解呪した。呪われてる場所がもうないと断定はできないけど、私たちは一息ついて、少し時間ができた。

 サマセット中を調査して、もう呪いがないとわかるまでの、待ちの体制である。私たちは、何かあった時のためにしっかり休んだあと、ちょいちょい日本と行き来して用事を済ませた。私が数え切れないほどの魔力庫を満タンにしたり、クラレンドが医療脱毛を進めたり。サマセットの気候に慣れている皆は、日本の夏の湿度に一様に音を上げていた。


「日本の夏は、これほど過ごしにくいのか……」

「俺もう無理……」

「これ絶対蒸し器の中でしょ……」

「術式くっつける接着剤が溶ける……」


 クラレンド、サーボ、フィーユ、ティースタそれぞれの日本の夏の感想がこれである。私は努めて皆をエアコンのもとに案内した。

 そんな夏でも動くように、ティースタが私の魔力義足を完成させてくれた。うわ、久しぶりの感覚! 足首を曲げ伸ばしできる!

 だけど、歩いてみるとなんかおかしい。義足が動き良すぎて、バランスが取れない。


「うーん……体がこれまでの義足の使い方になってますね……慣れるまで時間いるかも知れません」


 というわけで、しばらくリハビリ。フィーユが手伝ってくれるって。

 待ちの体制の間。サマセットの呪いが全て解けたなら、魔国の呪いも解かないといけないので、ジークレフが来て魔国の概要を説明してくれた。

 ムルーターは、侵略戦争は割に合わないと戦争を終了させた魔国を恨んで呪っているだろうとのこと。魔国も議会王政に近いそうで、王は国のトップだがおいそれと国は動かせない。魔国では、基本、王族で魔力トップの大人が王になるそうだ。

 ジークレフは言った。


「しかし、応用的に私が王になる可能性もあった」


 私たちはびっくりした。クラレンドが目を丸くしたままジークレフに聞く。


「あなたは王族なのか?」

「一応はそうだが、王族の資格を持つものは数多い。王族と言うだけでは、それほど特別な存在では無い」


 サーボが聞いた。


「なんで魔王は王に難アリだったんですか? 悪いやつなんですか?」

「善良で有能だが、魔王は……その……非常に人見知りで引っ込み思案なのだ」

「へー、うちのティースタとどっちがひどいです?」

「勝るとも劣らない」

「マジですか」


 ジークレフはため息をついた。


「まあ、それなりの理由があるのだが。現在の魔国の王は、魔力が高すぎて制御できず、幼少時、人を傷つけてしまった。それで人との接触を恐れるようになったのだ」


 私は制御に困ったことあんまりないけど、人によって適性はだいぶ異なるんだって。

 私は聞いてみた。


「人との接触できないって、それで王様の仕事に支障ありません?」


 ジークレフは普通に答えた。


「魔力を無効化する人間となら普通に接することができる、王の身の回りにはそういう者を集めている。チャチャの身の回りのものを揃えるのに、彼らの意見を大いに参考にした」


 へえー、そんな繋がりもあるんだ。

 しかし、ジークレフ相当偉いな。私たちとのやりとりなんて、使いの者にやらせたほうがいいような地位の人のはずなのに。

 でもまあ、使いの者にやらせるような人ならそもそもチャチャちゃんを救わない。善性の人だと、思ってもいいと思う。

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