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私が勇者だったって絶対バレちゃいけないんですけど  作者: zingibercolor
2章

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遠からずとも当たらずなんだよなあ

 私たち5人はすぐ玉座の裏の土地に行き、王宮の呪いを解いた。ティースタが用意した術式に私が魔力を流すだけでいい、すぐ済んだ。

 晩餐会が解散したので、5人で車に揺られて郊外の家まで帰る。サーボが「こんな時に言うことじゃないんだけどさあ」とぼやいた。


「晩餐会であんまり食べられなかったから、俺、腹減ったよ……」


 皆、思わず吹き出してしまった。サーボ、一番若いもんね、そりゃお腹すくわ。

 ティースタがおずおずと言った。


「家にパンとチーズの買い置きがあるよ、小腹ふさぎにはなるよ」

「うん、帰ったら食べる」


 フィーユが好意的に笑いながら言った。


「私のクッキーも出すわ! 私もお腹すいたもん、一緒に食べよう」


 クラレンドが言った。


「ムルーターがまた来るかもしれないが、何をするにも腹ごしらえが大事だ。帰ったら皆で軽く食事にしよう。千春氏も」


 クラレンドが私を見るので、私は「ご相伴に預かります」と返した。

 で、帰って晴れ着を着替えて、パンとチーズとクッキーを出して、サーボが入れたペパーミントティーと一緒に軽食にしたのだが、食べている途中、空間に裂け目ができてジークレフが姿を現した。


「こちらの首都に大きな魔力を感じたが、何かあったか?」


 私は返事した。


「ムルーターの霊が出ました」

「なんだと!?」


 皆でかくかくしかじかを話す。ジークレフは、考えてから言った。


「そこまでのダメージなら、ムルーターはしばらくは動けないだろう。この隙に、サマセットと魔国の呪いをできるだけ解いていくしかない」


 クラレンドは頷き、ジークレフに聞いた。


「しばらくと言っても、どれくらいの期間だろうか?」

「2、3カ月……長くて半年程度だろうが、正確には分からない。しかし、数日や数週間では回復できないはずだ」

「わかった」


 クラレンドは私たちを見た。


「明日から、また解呪で飛び回ろう。サマセットの呪いがなくなったら、次は魔国だ」


 私たちは全員頷いた。

 で、ジークレフは去り、私たちはシャワー浴びて寝る支度に入ったのだが、私が自室に引っ込む前にクラレンドがこんな事を言った。


「今日は、かばってくれてありがとう。改めて礼を言う」

「いえ、とっさに体が動いただけですから」


 クラレンドは微笑み、「日本人は皆そうなのかな」と言った。


「日本人?」

「千春氏のとっさの判断は、センにそっくりだったよ。謙虚なのも同じだ。日本人は、皆そうなのかと思ってね」

「…………」


 いや……うん……日本人の傾向として謙虚なのはあると思うが……私がセンなんだよなあ!


 私は、「まあ、日本人は謙虚な人が多いかもしれません」と答えてごまかした。ごめんクラレンド! ずっとごまかされててくれ!

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