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私が勇者だったって絶対バレちゃいけないんですけど  作者: zingibercolor
2章

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28/33

女ではあるが子供ではねえ童顔をナメんな

 サマセットは議会王政の側面が強く、王が強権を振るうことはできなくもないが議会が反対すれば長くは続かない。議員はおっさん貴族ばっかり、女はまだまだいない。

 そんなサマセットに行けば、貴族のおっさん連中に女子供扱いされることは分かっていた。クラレンドたちと、サマセットはロヒニに向かった私は、第二の勇者みたいな扱いで、ロニヒの最高の料理と調度でもてなされた。でも、私を味方に引き入れたい貴族たちかは服だのアクセサリだの花だのも一緒に来たのは閉口した。そういうのは自分で選ぶからいらないの! てか価格で言ったら私の簪も銀と珊瑚だから相当高いからね!

 一度、クラレンドがおっさん連中の前でビシッと言ってくれた。


「彼女は勇者センの魔力も凌ぐ魔力を持ちます。彼女はその魔力ゆえに祖国に引き留められましたが、髪を全部刈って祖国に提供して振りきりました。そこまでして我々に協力してくれる人です」


 おっ、いいタイミングだと思って私はヅラを取った。貴族議員たちはどよどよっとした。議員たちがドン引きしてる間に、クラレンドは言った。


「彼女はそれほどの覚悟で来ました。祖国の最高学府を出た賢く優秀な人です。ゆめゆめ軽んじることのないよう」


 それで皆黙ったので、私はクラレンドが女に戻ってもサマセットでもやっていけてるとわかって嬉しかった。やるじゃん。

 その後ロヒニでの議会で何日も議論が交わされ、議員からこんな意見が出た。


「千春氏が魔国を助ける事はないのではないか。我が国を侵略した国だ」


 しかしクラレンド一行が「それで恨みに思われてまた侵略される可能性があるのでは?」と主張し、クラレンドに味方する議員 (というか日本とサマセットの貿易で利益を得ていてクラレンドとよしなにやりたい貴族たち)もそれに同意した。実際に働く私もクラレンドに全力同意したので、サマセットの呪いを解き終わったら私は魔国にもちゃんと行くことになった。まあ、私は魔国のジークレフに恩があるしね。

 サマセットの気温はすでに平年よりやや低め。今年ならまだ揺らぎの範囲だが来年以降さらに下がるとなると、農作物も気象災害も大きな問題になる。

 で、呪いを解く上で、私はこれから激しく運動することもあるかもなので、魔力義足をつけることになった。きっちり採寸して、ティースタが自慢の術式で誂えてくれた。

 だが、ティースタはあんまり自信がないようだった。


「えっと、千春さんだとうまくいくかわからないけど、とりあえずつけてみてください」

「あ、うまくいかない可能性がありますか」 


 サーボが目を丸くした。


「ええ!? これいいやつだろ!?」


 ティースタはさらに困り眉をし、私に言った。


「えっと、その、うまく行かないにしてもやってみないとどのへんがダメなのかわからないから、とりあえずつけてみてください」


 フィーユが私を励ますように言った。


「ティーがこう言ってる時は、絶対改良してくれますから」


 十中八九だめだなこりゃ。

 まあ完成品のために、と私は魔力義足をつけた。すると、バチバチッと音がして、術式が焼ききれてしまい、魔力義足はおがくずと砂の山になった。

 ティースタは「あー、やっぱり……」とうめいた。


「センよりすごい魔力じゃ焼き切れると思ったんですよ……どこから焼き切れたかな」


 私は努めてがっかりを顔に出さないように言った。


「まあ、しばらくは今までの義足と付き合うしかないですね」


 歩いたり小走りできれば生活に支障ないし。でも、ティースタが直々に作った魔力義足を付けてもらえるのはちょっと嬉しい。仲間がその方面で元気に第一線でやってるってことだからね。

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