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私が勇者だったって絶対バレちゃいけないんですけど  作者: zingibercolor
1章

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25/33

コンビニはもはや百貨店だからね

 日本がある世界も、大体の人が魔力持ってると分かり始めた。魔力義肢が必要な人を中心にまだ少数しか調べていないが、サマセットの国民と大差ない強さ、強い魔力の持ち主もサマセットと大差ない割合とのことだ。魔力測定機が足りていないため、サマセットが作れば作るほど売れるので、関連会社はうはうはとのことである。

 そして、クラレンドのSPが調達できた。ということは、SPを連れていけば町中を歩けるということだ。

 私は「日本の勉強」ともっともらしい理由をでっち上げて、女らしく装ったクラレンドをコンビニに連れ出した。

 クラレンドは、パンの品揃えの良さにまず驚き、次いでおにぎりが主力なのにも驚いた。


「やはり米が主食なのか」

「そうですね、パンも食べますけど」


 クラレンドは菓子パンを手にとって、包装の質の良さに感心している。内心では、サマセットに導入できないか首をひねっているのだろう。

 クラレンドが興味を持ったものをいくつか買って、2人でイートインに腰を下ろした。

 私は「おにぎりも面白い仕掛けがあるんですよ」と言って、クラレンドの前でコンビニおにぎりを剥いてみせた。


「どういう仕掛けだ? この黒いものは?」

「海苔という海藻を乾燥させたものです、旨味があっておいしいですよ」


 クラレンドはおにぎりを一口食べ、感想をつぶやいた。


「サマセットの米より粘りがあるな、それに粒が丸っこい」


 あっちのは長粒種だからなあ。


「日本ではある程度粘りのあるものが好まれますね。サマセットがイギリスに近いとなると、サマセットのお米はおそらく長粒種ですね」

「なるほど」


 クラレンドは化粧に慣れ、訓練で高い声が出せるようになっている。ウエストを絞って女性らしい体形を演出するのにも慣れてきていた。喉仏を隠せば、がっしり目の大きい女性くらいになっている。喉仏については、手術で声帯を傷つけるリスクがあるのでタートルネックやチョーカーで隠すことにするそうだ。

 クラレンドは、ひげと体毛も医療脱毛を受けられて少しずつ減りつつある。女性として生きる段階がどんどん進んでいるのだ。

 その後、2人でみなとみらいの街を歩いた。クラレンドは空を見上げた。


「日本の冬は素晴らしい、いつも晴れている」


 サマセット、特に首都のロヒニは冬天気悪いんだよな。いつも降りそうで振らない曇り。

 私は言った。


「それは、この関東という地域だけですね、冬中曇って吹雪く土地もあります」

「関東は過ごしやすい土地なのだな」

「いえ、代わりに夏が地獄です。温度と湿気がひどくてサウナです」


 サマセットにもサウナはある。そんなに我慢比べはしないサウナだが。

 クラレンドは苦笑した。


「それは大変だ」


 クラレンドは、改めて空を見上げた。


「……センも、同じ空を見ているだろうか」

「……そうですね」


 やっぱり、『セン』が忘れられないんだな。

 隣で見てるよ、名乗り出ることはできないけどね。

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