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私が勇者だったって絶対バレちゃいけないんですけど  作者: zingibercolor
1章

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24/33

やっぱチョコとコーヒーは偉大っしょ

 クラレンドたちは、やや落ち込みつつも日々の仕事をこなしていた。サマセットでは日本や韓国や中国の製品が喜ばれ、薬もこの世界のよいものがたくさん輸出され、転移門は荷物と人が引きも切らない。日本に留学してきたサマセットの医学生や、サマセットに留学した日本の技術者も出てきた。

 魔力義肢はどんどん普及し、利き手を切断していた人がまた絵を描けるようになって喜ぶところが報道されていた。

 サマセットに利益をもたらしているので、サマセットでのクラレンドの地位は上がっているが、クラレンドは日本で暮らしたいそうだ。

 そんな日々、ふと空いた時間。私はクラレンドたちにチョコと、家から持ってきた挽きたて淹れたてコーヒーを差し入れた。


「サマセットにはない品と聞きましたので。おいしいですよ」


 そう、サマセットにはカカオもコーヒーもない。クラレンドたちはこれまでの仕事で、お茶請けや歓迎にチョコやコーヒーを出されていたが、本人たちは馴染みのないものなので手を付けなかった。でも口にしたら絶対気に入ると思うんだよね。

 クラレンドは、チョコのキューブを恐る恐る食べて「……甘い」とつぶやいた。


「おいしい……味も香りもこんなに甘いなんて……」


 それを見て、フィーユもチョコに手を伸ばし、「おいしい!」と感激した。ティースタとサーボは疑い深い顔をしていたが、ティースタはフィーユに、サーボはクラレンドに勧められて口にし、「えっすごくおいしい!」「うまい!」と騒ぎ出した。

 そこで私は魔法瓶からコーヒーを注いで渡した。


「コーヒーはチョコに合うんですよ」


 4人は、インスタントコーヒーより格段に芳しいコーヒーを恐る恐る飲み「おいしい……」と一様にため息を漏らした。

 クラレンドが言った。


「香りが、今まで出されていたものとまったく違う。こんなに香り高いものなのか?」

「インスタントと、豆を挽いて淹れたものがあるんですけど、挽いて淹れたもののほうが格段においしいですね」


 おかわりを所望されたので、私はどんどこコーヒーを注いだ。そして言った。


「サマセットに知られれば人気が出るかと。サマセットの開拓地で栽培してもいいですし」


 開拓地は南の方で温帯〜熱帯くらいの気温である。土の質や雨量などは考えないといけないが、栽培できる可能性はある。

 クラレンドは微笑んだ。


「そのとおりだな。ありがとう」


 ああ、先日の件からやっとクラレンドの笑顔を見た。

 ごめんね、名乗り出られないんだよ。でもあなたの笑顔を願っている、それは本当なんだ。

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