虚偽
「ハートとジャック――主人格はどっちだ」
「ッーー」
ハートは急激に芯界を弱くし、消えようとしたが、俺の方が早かった。
芯界を解除し、背景が、花火を見ていた山の上に戻る。
ハートは困惑と苛立ちが混ざった声で、聞いた。
「どういうことですか!?」
「質問するのはこっちだ。主人格は……先に生まれたのはどっちだ」
「……最初にジャックが説明したハズです! ジャックの遊び心から生まれたのが私だって――」
「それ、嘘だろ」
「ッ――」
ハートが絶句し、俺は疑問に確信を持つ。
「どうして!?」
「色々と違和感はあったけど、確信を持った要素は、服だ」
お家デートをした時、ハートの服はダンボール二つ分ほどあった。
しかし、服を持っていると言うのがまずおかしい。
ハートは最初に会った時、ジャック用のブカブカな服を着ていた。
いつジャックが起きてもいいようにするためだろうが、ならあのハート用の服はいつ着ていたのか。
「ジャックが生まれる前だ」
「――」
「他にも、魔法少女に使う時間が長すぎたり、ジャックの言動が――」
「そんなsmんぃwしdjxhbdwかおxkんsくぃwhdっb」
俺が答えを言った時、ハートがバグった。
全身がガクガクと震え、体が大きくなる。
芯界再使用のために胸に手を置きながら、バックステップで距離をとった。
そして、数秒後に立っていたのは――ジャックだった。
「ったく。折角円満に死なせてやろうとしたんに。余計なことに気づきおって」
「……俺にハートを殺させて、体を乗っ取るつもりだったのか」
「そういうことじゃ」
彼女はボサボサな長髪をガリガリと掻き――睨みを効かせた。
「本筋とは違うが――自分のせいで恋人が死んだら、アイツも生きる気力を失うじゃろ」
「ッ!?」
異様な殺気に気圧され、思考が麻痺する。
瞬間、ジャックが俺の首に掴み掛かり――接触する寸前に、一刀の刀がその間を切り裂いた。
「主人様に何をするつもりだ」
「ジュズ……」
「ラギナ君!」
シュヴァリィにイース、ラミリとルームメイトが集合し、俺の周りを囲う。
「お前ら――どっから出てきたんだ?」
「話は後です」
「チッ」
5対1。
圧倒的不利にも関わらず、ジャックは臆することなく、胸に手を――置けなかった。
「……ハートめ」
中からハートが抵抗しているのか。
その手はプルプルと震えながら宙空を彷徨う。
「仕方ねえ……おいラギナァ、明後日の決勝戦、先発で出てこい」
「……」
「そこで、殺してやる」
それだけ吐き捨てて、山の奥へと退散していった。
「追います」
「いい」
今攻撃すると、ハートまで傷つくことになる。
少なくともジュズは過剰火力だ。
「一旦帰ろう。色々と整理したいことがある」
っ今日は木曜だった気がする。
色々難しい回だったので、疑問があったら質問して下さい。




