表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おと  作者: 木土口一寸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/37

積年の遺恨

「僕と翔と尚斗は同じ中学のバレーボール部で、いつも一緒にいました。中学2年生の時、僕は初めての彼女ができました。初めてできた彼女ということもあり、彼女と過ごす時間が増え、自然と3人でいる時間は減っていきました。それから数カ月後、彼女との別れを機に、また翔と尚斗の元へ戻ろうとした時、僕は元カノと翔が一緒に下校している姿を見てしまいました。はじめは偶然かとも思いましたが、その後も2度3度と同じ状況を見るようになり、僕はそれを問いただすこともせず、一方的に口を利かないようにしました。それからというもの、部活内でも険悪な状態が続き、仲直りもできないまま間もなくして父親の転勤を理由に、僕は浜松へ引っ越しすることになりました。高校になった僕は身長がグンと伸び筋力もアップし、OHとして高校生のなかでも一目置かれる存在にまで成長し、T大にスカウトされました。そこで再び翔に会いました。当然のことながら、翔も僕のことを忘れていませんでした。あれから4年も経っているので、そこまでの遺恨はありませんでしたが、昔のように仲良くとまではいきませんでした。しかしそこでまた事件は起きてしまったんです。大学1年の夏、軽井沢での合宿で僕はそこにいる詩音に告白したんです」

「え?ほんまか?そんなことあったんか?」

隼人はすっとんきょうな声を上げた。

健太郎は詩音に尋ねた。

「その時、『付き合ってる人がいるからごめん』って言ったよな?」

「うん」

「それって翔のことだろ?昨日新幹線の中で言ってたもんな?俺はこの4年間その事実をずっと黙り続けられてきたんだよ。しかも同じ相手に2度負けてんだよ。ポジションの件も含めたら3度だぞ。中学時代に俺は左利きだからという理由でWSにはなれないって顧問から言われ、翔に負けたんだ」

「少しずつ重ねられた遺恨がここまでになったというわけですか」

「このまま尚斗が身代わりになってくれれば俺はバレーを続けていられる。翔に代わって今度こそ俺の時代がくる。俺がスーパースターになれる番だと。でも、詩音が連行される姿を目のあたりにするのはさすがにきつかった」

三隅の顔からは怒りと悲しみの2つの感情が入り交じっているかのように見えた。

「井本さん、あなたを高山翔殺人の容疑で緊急逮捕します」

荒井田は健太郎の手首に手錠をかけ、2人は東警察署へと戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ