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おと  作者: 木土口一寸


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『おと』

 荒井田が東署に行っている間、三隅は今回の事件が他殺事件として取り扱われるようになったことを詩音に告げた。そして今、容疑者として岡田尚斗の名前があがっていることも併せて伝えた。

「尚斗が?動機はなんなんですか?」

詩音は三隅に尋ねた。三隅は聴取した内容を詩音に告げた。

「尚斗が私のことを?」

「はい、幼稚園の頃から想いを寄せていたそうです」

三隅の言葉に、納得のいかない様子の詩音であった。

「そんなことあるはずがありません。尚斗は私の親友のことが好きなんです。高校入ってすぐ彼女のことを好きになったと知らされました。本人には内緒にして欲しいと言われてますけど。それから3年間、ずっと彼女のことだけを想い、他の誰とも付き合わなかったくらいですから」

「いや、しかしですね・・」

三隅がいいかけた時、音声解析を終えた荒井田が駆け戻ってきた。

「すいません、お待たせしました。それでは早速再生します」

そういって荒井田は再生ボタンをタップした。


【・・・ガガッ・・、やめろ・・・おと・・・】


「・・・・?」

「おと?」

二人の視線は静かに詩音に注がれた。

「え?なんですか?違います、私ではありません」

「あなたは被害者から『おと』と呼ばれていましたね」

「それはそうですけど・・」

「金井さん、この件について改めて話を聞かせてください。荒井田くん、君は受付に行ってパソコンを借りれるか確認してきてくれ。ちょっと調べてほしいことがあるんだ」


 荒井田は、旅館に設置されているパソコンでインカレの大会情報を検索し、パンフレットをダウンロードし、印刷をかけた。その大会情報には、大会の沿革や体育館の見取り図のほか、各大学の選手紹介のページがあった。


記載順

(名前、学年、出身校、ポジション、利き手、身長、体重)


T大学

 主 高山翔  ( たかやましょう)  4年 熊本安西高校 WS 右 192Cm 85Kg

   伊本謙太郎( いもとけんたろう) 4年 静岡浜名湖商業高校 OH 左 195Cm 90Kg

   瀬尾亨  ( せおとおる)    4年 福岡福岡北高校 MB 右 202Cm 92Kg

   高山大地 ( たかやまだいち)  3年 熊本安西高校 WS 右 189Cm 78Kg

   乙竹一馬 ( おとたけかずま)  4年 長野岡元工業高校 S 左 168Cm 58Kg

   緒川隼人 ( おがわはやと)   4年 兵庫久代高校 L 右 178Cm 72Kg


O大学

 主 岡田尚斗 ( おかだなおと)   4年 熊本安西高校 MB 右 194Cm 83Kg

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