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千尋と園田と金髪変態男

◆園田視点◆


僕は漫画みたいにダダッと走り去った。

でも体力無いから、ちょっと走ったところでゼェハァ言って止まった。


「そのだ~!」


有栖川くんの声だ。僕はガサガサっと茂みの中に隠れた。


ーーー何やってんだろ・・・。


有栖川くんは悪くない。僕が勝手に拗ねてるだけ。

だって・・・学園生活始まって以来の大イベントだったんだよ!


「園田・・・ぎゃあ!?」


「!?」


ゴキブリを見たみたいな有栖川くんの叫び声に、僕はそっと様子を伺う。


あ!


ーーー瀧山副会長さまだ。


「また出たな。金髪変態男!」


あああ。有栖川くん、何てことを!


「・・・昨日はよくも恥をかかせてくれたね。」


副会長が地を這うような低い声で言った。怖い・・・!


「・・・俺のせいじゃないし。でも、つい心の声が出て変態って人前で言っちゃったことはごめんなさい。」


有栖川くんがぺこりと頭を下げた。やっぱり有栖川くんはいい。素直で可愛い。無自覚受けだ。


「・・・。」


「何?」


副会長は有栖川くんの腕を掴んで言った。


「昨日も言ったでしょう。」


「あっ・・・。」


ぐいっと引き寄せ、


「君の口の利き方。指導してあげるって。」顔を寄せて囁いた。


副会長ルートキターーーー!


「いいです!結構です!あっ。」


有栖川くんが副会長さまの腕を引き離そうともがくけど、逆にぐいっと引き寄せられてる。


「やっぱ、お前変態かよ!?離せってば!」


「・・・君の方こそ、口の利き方には気をつけた方がいい。躾が必要だ。」


「なにそれ!?離せよ!」


そう言って、副会長さまは強引に有栖川くんをどこかへ連れて行こうとする。

BL本やBLサイトさまでも、鬼畜副会長攻めとか割と好きだけど・・・

強引なのや無理矢理系もけっこう好きだったりする。でも・・・


有栖川くんは怖がってるし、嫌がってる。

最初こそ、はうはうしながら見てたけど、でもこれって違うよね。

僕は勇気を出して茂みから飛び出した。


「あ、有栖川くん!た、高槻先輩が探してるよっ!」


「園田!」


副会長さまが冷たい視線を僕に寄越した。怖い・・・けど。


「ふ、副会長さま。すみません。あの、高槻先輩がもうすぐこちらにいらっしゃると思うので。」


しどろもどろに言った。


「・・・。」


副会長さまは有栖川くんの腕を離した。


「そう。高槻によろしくね。」


そう言って、微笑を浮かべて歩いて行った。


「助かったよ。園田・・・!?」


僕はその場にしゃがみ込んだ。


「怖かったぁ~。」


「園田。大丈夫か?」


有栖川くんが心配そうに覗き込む。


「副会長さまなんて、雲の上の存在だよ!初めて話したし、嘘ついちゃったし。」


「えっ。」


「高槻先輩は来ないよ。あのままだと、どこかに連れて行かれそうだったし。」


僕は、よいしょと立ち上がる。


「園田。ありがとう。」


「え?」


「お前、めっちゃビビりながら助けてくれて、ありがとうな。」


有栖川くんはニカっと笑った。最初はニヤニヤしながら2人を覗き見てたことに、ちょっと罪悪感を感じた。


「僕の方こそごめんね。」


「なんだっけ?BLイベント?ある時は園田に連絡するから。」


ーーーああ、もう。素直で無邪気なんだから。


僕は「ありがとう」と言って、有栖川くんと一緒に美村くんのとこまで戻る。

美村くんは先に食べずに、スマホをいじりながら待っててくれた。美村くんにも「ごめんね」と言って3人でお昼を食べた。


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