↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
62/75

園田とBLの神様

この日、俺は委員長と2人で登校した。遠巻きにヒソヒソ噂話されてんのが分かって、寮に引き返したい気持ちになった。


昨日のこと・・・だよなぁ。

委員長は堂々としたもので、「言いたい奴には、好きに言わせてりゃいい」と男らしいことを言った。

やっぱりハリウッド委員長は違うわぁ。俺も気にしないことにして教室に入った。


「おはよう。園田。」


「・・・。」


席に座ってた園田に挨拶したら、ぷいっとそっぽ向かれた。


「?」


「アリスちゃん。おはよぉ。」


「おはよう。美村。」


美村が俺の肩に手を置いて、「園ちゃんのことは後でね。」と言った。


なに?俺なんかした?


クラスの奴らが、昨日の件を聞きたそうにしてたけど「野次馬は御影委員長にチクってお仕置きだよぉ」という美村の言葉に引いていった。毎度、美村には感謝だ。


昼休み。


いつものベンチでお昼ご飯だ。今日はパンを買った。

俺はキノコとベーコンのフォッカッチャとイチゴと生クリームのサンドイッチ。美村はカツサンドとクルミパン。園田は塩パンの野菜ハムサンドとマンゴークリームデニッシュ。

ベンチまで歩いてるときも、園田は一言も話さなかった。


「なぁ、園田。俺なんかした?」


俺は園田にぶっちゃけて聞いた。


「・・・有栖川くん。ひどいよ。」


園田が、かつてない程の真剣な表情で俺に言った。


「・・・昨日。オールスター祭・・・やったんでしょう。」


「えっ?」



「・・・僕の見ていないところで・・・。」


「えっ?オールスター祭ってなに?そんなのやってな・・・」


園田がキッと俺を睨んだ。


「生徒会VS風紀のオールスター祭だよ!」


「えっ?」


美村が「アリスちゃん。全部言わせてあげて。」と、そっと俺に耳打ちした。


「望応学園『抱かれたいランキング』同率1位の2人。柔道部や野球部のガチムチからも熱い視線を送られる望応学園いちの超兄貴・御影辰彦委員長。

対するは、チワワのみならずノンケからも『カッコイイ!』と憧れの的。超絶イケメンとは彼のこと。俺様・ゴーイングマイウェイな西大路政宗生徒会長。

腹黒優等生で危険な魅力の金髪にエメラルドの瞳。ちょっとSっぽいのも魅力的・瀧山千里副会長。

対するは、クールなメガネの美形。品あり、毒舌あり、腕っぷしも強くて、さりげない優しさが魅力。西宮雅喜副委員長。

教師から生徒、果ては学食のシェフまで甘い毒牙にかける、チャラ男界の頂点に君臨するヤリチン男・難波光彦会計。

対するは、元ヤンで御影先輩にボコられて更生して以来、御影先輩を兄貴と慕う、ヤンチャ風紀・中津勇二先輩。ちなみに会計様の天敵です。

そして、滅多にお顔を拝見できない深窓の王子さま。その儚げな透き通った瞳に崇拝者も数多い、南方蓮太郎書記。

対するは、硬派で強くて、凛々しい男前。最近では『眠り姫の騎士』としてお馴染みの高槻章大先輩。

この一同がコンビニ周辺に集結したこれをオールスター祭と言わずに何て言うの!?」


園田は一気に言い切って、カッと俺の方を見た。


「お、おお・・・。」


かつてない園田の気迫に俺はタジタジだ。鬼気迫る感じだ。


「教えてくれたら、ダッシュして見に行ったのに・・・。」


「み、見たかったのか?全然、楽しいもんじゃなかったぞ。」


「見たかったに決まってるじゃない!ひどいよ。有栖川くん!」


「えええ!?」


「まぁまぁ、園ちゃん。これでも見て落ち着いて。」


美村があるものを差し出した。


「なっ!?なんじゃこれーッ!!」


それを見て、思わず俺は叫んだ。それは校内新聞みたいだった。


『生徒会VS風紀』という見出しで昨日の写真が貼られている。


俺が高槻先輩に担がれてる写真もだ。

『騒動の最後には風紀の騎士が眠り姫を奪還し・・・』なんじゃそりゃ!?


「陰で出回ってるけど、も~奪い合いでなかなか手に入らなかったよぉ。園ちゃんにあげるから。」


「美村!なにこれ!?」


「校内新聞の号外だよぉ。」


げええ!!最悪だ。こんなもん出回ってるのか!?

園田は新聞を手にプルプル震えてた。


「・・・有栖川くんといつも一緒にランチしてるのに、現場を見れなかった。この新聞も手に入らなかった。」


「園ちゃんにあげるから、ね。」


「僕はもうBLの神様に見限られたんだっ!!」


そう叫んで、新聞を手に園田が走り去った。

えええ!?どうした?園田!美村があちゃーって顔してる。


「園ちゃんの唯一の楽しみだからねぇ。」


「なにが?」


「BLイベント。」


よく分からんが、園田が激しく落ち込んでるのだけは分かる。


「心配だし、ちょっと追いかけてくる。先に食べてて。」


美村にそう言って園田を追いかけた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。