千尋と筋肉ハリウッド
ーーー放課後。
一旦、寮に帰ってから着替えを持って、委員長とトレーニングルームへ行った。
トレーニングルームを使う為のID兼カードキーを貰った。
ただし、条件付き。
1人では行かないこと。
高槻先輩か委員長、どちらかと一緒に行くこと。
保護者かよって思ったけど、委員長から今朝あんな写真を見せられて・・・
閉鎖された男子校の闇を見た気がした。
俺は素直に委員長の条件を呑んだ。
高槻先輩は風紀のお仕事だ。
今日は委員長と2人。
「おお。」
トレーニングルームって言うけど、独立した建物だった。ホント普通のスポーツジムみたい。
二階建てで、屋内プールやテニスコート、道場的なルームもある。
ここ、学校ですよね。
俺の高校時代なんか、オンボロ体育館一個だったぞ。
「どうした?」
「いや。金持ちめって思って。」
「お前もだろうが。」
委員長が笑って、俺の頭をくしゃくしゃ撫でた。
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ロッカールームで着替えて、委員長にマシンルームへ案内してもらう。
ーーーしかし、委員長。いい体してますなぁ。
身長190あるって言ってたし、ハリウッドのアクション俳優みたいだ。
俺が委員長の筋肉をガン見してたら
「なんだ?」
と、聞かれた。
「委員長。すっげー筋肉ですね。いいなぁ。俺もムキムキになりたい。」
「お前はやめとけ。」
委員長にも反対された。なんでだ。
「こらこら。」
俺は委員長のガチムチの腹筋をツンツンつついてみた。
硬っ!!
「いいなぁ。」
ポツリと呟いたら、委員長が二の腕を目の前に差し出した。
「ちょっと掴まってみろ。」
「あ、はい。」
腕も太いな。何これ。女子高生の太ももより太いんじゃね?
「よっと。」
「うおっ!!」
委員長がヒョイと腕を上げた。俺はぶらーんと委員長の腕にぶら下がって、足が宙に浮いた。
「すっげぇ!」
ハハッと委員長が笑ったので、俺も笑った。
ストンと降ろしてもらって
「委員長。ハリウッドですね!」
と言ったら、
「なんだそれ。」
また笑われた。
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◆御影視点◆
俺と姫がトレーニングルームに入ると、今までトレーニングしてた奴らがソワソワと姫を見た。
姫は半袖Tシャツにハーパンだ。
学校ではこいつはまだブレザーを着てるから、普段ほとんど肌の露出が無い。
細くて白い腕や、可愛らしい膝小僧をチラ見してやがる。
当の本人は全く気付いていない。
ーーーやれやれ。高槻も大変だな。
「ん?」
姫が俺の腹をガン見して「いいなぁ。俺もムキムキになりたい。」とツンツンとつついてきた。
「こらこら。」
なんだこの可愛い生き物は。
ちょっとくすぐったいが、指先で俺に触れてくる様子が可愛らしくてニヤけてくる。
俺は姫に腕にぶら下がるよう言って、ヒョイと持ち上げた。
「すっげぇ!」
姫は子供みたいにキャッキャッとはしゃいで笑っている。
俺もつられて笑った。
こいつの笑顔はいい。
他の美少年と呼ばれる奴らは、媚を売るように笑う。てめぇが可愛いって言われるのを自覚して。
だが、こいつは屈託無く笑う。
その笑顔に周りの奴らが釘付けになっていた。
それを俺がギロリと睨んで一蹴してやる。
ビビったように慌てて目を反らした。
ストンと降ろすと
「委員長。ハリウッドですね!」
と、姫が嬉しそうに俺を見上げて言った。
「なんだそれ。」
つられて俺も笑う。
すっかり俺は姫が気に入ってしまった。
少し過剰にスキンシップをとって、他の生徒を牽制してやろう。
・・・まぁ、俺自身こいつとじゃれ合うのが楽しいからだが。




