高槻先輩と仲直り
お昼休み。
美村と園田に先に食べててって伝えて、俺はダッシュで2-Sクラスを目指した。
上級生が珍しいものを見るように俺を見ていたが、気にしない。
昼飯を食べに生徒がわらわらと教室から出てきていた。
キョロキョロと高槻先輩を探す。
「あ!」
高槻先輩が風紀の中津先輩と一緒に出てきた。
高槻先輩が俺に気付いた。
「千尋!」
「あ、えっと。高槻先輩、俺・・・。」
「待った。ここじゃ目立つから。高槻、裏庭にでも行ってこい。勝手に食ってくるわ。」
「悪いな。中津。」
そう言って中津先輩は歩いてった。
確かに、他の生徒にジロジロ見られてた。
「・・・千尋。行こうか。」
「あ。はい。」
やっぱり、まだちょっと気まずいなぁ。
俺は高槻先輩の後をついて歩いた。
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「昼飯は買ってきたのか?」
「まだです。」
「途中で買っていこう。」
ーーーあ。お昼一緒に食べるのか。
俺はサクッと謝って戻ろうと思ってたんだけど、高槻先輩からも話したいことあるのかな?
俺は高槻先輩と昼飯と飲み物買って校舎を出た。
人気の無い方まで歩いて、ベンチに座った。
「・・・。」
気まずい。
「千尋・・・」
「あのっ」
同時に喋り出しちゃった。
「高槻先輩からどうぞ。」
「いや。千尋から。」
ダメだ。ゆずり合う主婦同士の会話みたいだ。
俺は一息に言った。
「高槻先輩、今朝はごめんなさい。隠し事もしてて、ごめんなさい。」
バッと頭を下げる。
「千尋!悪いのは俺の方だ。すまなかった。」
高槻先輩も頭を下げた。
「・・・じゃあ、おあいこってことで仲直りにしませんか?」
高槻先輩は一瞬キョトンとして、俺を見て笑った。
「ああ。」
見慣れたとはいえ、やっぱりイケメンだなぁ。
俺と高槻先輩は昼飯を食べることにした。
学校で一緒に食べるのは、初日のモーニング以来だな。
俺は照り焼きチキンサンド、高槻先輩はBLTと焼き野菜サンド。
「でも、高槻先輩も過保護すぎですよ。反対されると思うから、つい言いたくなくなっちゃうんですよ?」
「それは・・・すまなかった。」
高槻先輩は、ちょっとしょんぼりしてる。
「あっ。でもこれから、過保護やめたら全然オッケーですよ。俺も男なんだし。」
「それはダメだ。」
「えっ?」
「過保護は止めん。」
えーーーーっ!?
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言い切った!
この人、言い切ったよ。
「ちょっと、先輩。過保護やめないって・・・」
俺、あんたの子供じゃないんだけど。
「制裁のこともあるが・・・同室だからってだけじゃない。」
高槻先輩が俺を見て言った。
「俺がそうしたいんだ。お前を守りたい。」
「えっ。」
「今朝も言ったが・・・俺にお前を守らせてくれ。千尋。」
「・・・ッ!!」
高槻先輩は真摯な眼差しで俺を見ている。
見慣れたはずの顔が、男らしく、ひどく大人びて見えた。
これ・・・女だったら惚れてるよなぁ。ある意味、殺し文句だ。
多分、俺の顔は真っ赤になってると思う。
高槻先輩がふわっと笑った。
「どうした。赤くなってる。」
俺の頬を手の甲でそっと撫でた。
「ちょっと・・・!」
なんなんだ。まったく。
「・・・高槻先輩。意外とタラシでしょ。」
「そんなことないぞ。」
「今の。女子に言ったら、イチコロですよ!」
「千尋にしか言わないよ。」
「え・・あ。そっすか。」
ダメだ。この人、意外と天然だ。
俺は赤くなってるであろう頬をゴシゴシと手で擦った。




