表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
22/75

千尋と神回避終了のお知らせ

俺は平野にメールして、どうにか説得して夜に平野の部屋に行く約束をした。


ーーーさて、今度は高槻先輩だ。


最初の一週間は帰りも一緒だったけど、高槻先輩は忙しいから申し訳ないし、今日から別で帰るよう説得したとこだったんだよなぁ。


美村と園田と一緒に帰るからって。


一応、今夜は園田の部屋に勉強教えてもらいに行くってことにしてる。

だって、最初に生徒会関連に関わるなって言ったの高槻先輩だしね。絶対、反対するわ。


高槻先輩にはメールより、直接言っといた方がいい。

園田の部屋に行くからちょっとだけ遅くなるって伝えに、俺は放課後の風紀室に向かった。


ーーーのだが、迷った。


「ここ、どこ?」


人っ子ひとりいないし。まずいなぁ。


鞄もスマホも教室に置いてきた。美村たちが待っててくれるから。

俺はとりあえず歩いて、エレベーターを見つけた。


よっしゃ。まずは原点回帰だ。一階に戻れば、だいたい大丈夫と思う。


ーーーその時。


大きな物音がして、驚いて振り返ると1人の生徒が廊下で倒れていた。


「おい!大丈夫か!?」


俺は慌てて、走りよった。


+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+ 


倒れた生徒に走り寄って、呼びかける。


「おい!どうした?大丈夫か!?」


あんまり揺すらない方がいいんだっけ。

俺はそいつの頬っぺたをペチペチと軽く叩いて声をかけ続けた。


「しっかりしろ!聞こえるか?」


「は・・・」


意識が戻った!?


「・・・腹減った・・・」


「えっ?」


「・・眠い・・・」


「えーーーー!?」


なにコイツ。なにコイツ。


そいつは、またガクリと意識を失った。てゆうか、寝た?


腹減って、眠いだけか。

ちょっとホッとした。


「どうする?」


置いていくのもなぁ。

よく見ると、すごく整った顔の美形だ。

高槻先輩や美村でイケメンは見慣れているはずだが、コイツは更にワンランク上のイケメンだった。


身長も190いってるんじゃね?ムカつくわぁ。


ここはホモの多い学園だからな。こんなイケメンを放置する訳にもいかないか。


「しょうがないなぁ。」


とりあえずエレベーターまで運んで、誰かいるであろう一階まで行こう。


「よいしょ!」


俺はそいつの腕を肩にかけて、起き上がろうとして・・・潰れた。


「ぐえっ!!」


グシャっとカエルみたいに床に突っ伏した俺の体に重なるように、そいつの体がのしかかった。


ーーー重い!重い!


そいつの長身でゴツい体に、完全にプレスされてる。


「ちょっ・・と!あんた!起きろ!」


「・・・。」


ダメだ。こりゃ。


+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+ 


ヒィヒィ言って、どうにかそいつの体の下から這い出た。


うつ伏せで大の字に倒れたそいつの横に正座して、ふぅと一息ついた。


スマホが無いから、助っ人を呼べないし。

有栖川千尋の華奢な体では、このデカイ男を運べない。


この階に人の気配は全く無い。

かといって置いていく訳にもいかんしなぁ。


エレベーターは目と鼻の先だし。


「誰かは知らんが、御免!」


俺は寝てるそいつに一言断りを入れて、足首を持った。


「よいしょー!」


表に返して、両足首を掴んでズルズル引きずってエレベーター前まで運ぶ。


どう見たって、アレだ。


第三者が見たら、完璧、死体遺棄だろうが!って感じだけど。


だって、コイツ重いんだよ!

ほっとけないし。善意だ。善意。


「はぁ。」


やっとエレベーターの前に着いた。ボタンを押すと、すぐに開いた。

俺は再び足首を掴んで「よいしょー」と、そいつをエレベーターの中に引き入れようとして・・・


無情にもタイムアウトでエレベーターのドアが閉まる。


ガシャーン。


「うわっ!挟まった!」


そいつの太ももがエレベーターのドアに挟まった。


俺は慌てて、開くボタンを押す。


ドア開く。


足首掴んで、引っ張る。


ドア閉まる。


ガシャーン。


「いやー!また挟まった!」


今度はお腹が挟まった。


俺は慌てて、開くボタンを押す。


ドア開く。


足首掴んで、引っ張る。


ドア閉まる。


ガシャーン。


「ぎゃー!顔挟まったぁ!」


今度は顔が挟まった。

俺は慌てて、腕を引いてエレベーター内に引き入れた。


でも、全然起きない。よかった。


・・・よかった・・のか?


とりあえず1階のボタンを押した。


+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+ 


エレベーターが1階に到着した。


俺は先に外に出て、今度は両腕をバンザイさせて掴んで「よいしょー!」と引っ張る。


早くしないと・・・


ガシャーン。


「ぎゃー!」


もう、何このエレベーター!閉まるの早えよ。


「君。何してるの?」


「あっ!先生、助けて!超助けて!!」


振り返れば、保健医の伊丹いたみ 晴彦はるひこ先生だった。


俺は先生と一緒に、挟まってるそいつを引きずり出した。


「よっと。」


伊丹先生はそいつの腕を肩に回して、支えるように立ち上がった。


・・・なんか、悔しいです。


伊丹先生も180あるんだよなぁ。でも、細いイメージなのに。

白衣の下はムキムキなんだろうか。


伊丹先生は、こげ茶の髪に、ちょっとタレ目。可愛い感じのおっとりした雰囲気してる。


「千尋くん。ついておいで。」


「えっ。あっ、はい。」


俺は先生に着いて保健室に行った。


先生は、よいしょとそいつをベッドに寝かせて、コキリと肩を回した。


「先生、意外と力あるんですね。」


「そう?」


伊丹先生はふわりと微笑む。

癒し系だわ~。


「千尋くん、1人で生徒会長のこと運んだの?頑張ったね。」


えらいえらいと頭を撫でられた。


・・・ん?


「今、何ておっしゃいました?」


「頑張ったね。」


「いや、その前。」


「1人で生徒会長運んだの?」


「生徒会長?」


「生徒会長。西大路にしおおじ 真宗まさむねくんだよ。」


なんてこったい!今、一番関わりたくない奴じゃねぇか!!




エンカウントォーーーー!!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ