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イディア聖戦記

これは物語の本編から少し離れ、

この世界〈イディア〉の歴史を記した資料です。


8話へと続く物語を、より深く理解するための一助となれば幸いです。

本書は、女神イディアによる世界創生から、竜人族が歩んだ激動の歴史、そして世界の均衡を揺るがした邪竜大戦に至るまでの正史を記録した設定資料である。数々の英雄の血の跡と、現代へ受け継がれし七つの領土の起源がここにある。


【イディア歴 89年 竜人族の創生】

女神イディアにより、世界を支える守護者として四体の竜人(火竜・水竜・風竜・地竜の始祖「四守竜」)が創造される。これがすべての始まりであり、世界の調和の礎となった。


【イディア歴 275年 第一次外敵襲来】

異界からの未知なる敵が突如として侵攻。

世界の最前線に立った地竜種が一身にその猛攻を受け止めて応戦するも、一族がほぼ壊滅するほどの甚大な被害を受けることとなる。


【イディア歴 308年 魔王マモン撃破】

再び激化する戦火の中、一人の火竜種の英雄が立ち上がる。命を賭した苛烈な一撃によってマモンを討ち果たすが、すべての力を使い果たし、その場で力尽き戦死した。


【イディア歴 514年 アスモデウス襲来】

新たな強大なる脅威「アスモデウス」が世界を襲う。

前回の異界侵攻の傷が癒えぬまま、決死の防衛戦に臨んだ地竜種は、この戦いによってついに完全に滅亡(壊滅)してしまう。


【イディア歴 520年『希龍』の名跡誕生】

圧倒的な絶望の中、再び一人の火竜種が立ち上がり、激闘の末にアスモデウスを討伐する。女神イディアはその大いなる功績を讃え、その火竜に名誉ある固有の名『希龍』を授けた。


【イディア歴 560年 鉄壁の都『グラディエ』完成】

水竜種らが一族の総力を挙げ、外敵を防ぐ絶対の要石として要塞都市『グラディエ』を建設。この時、水竜種のリーダーが『龍明リンメイ』の名を授かった。これをきっかけとして、すべての竜人に名前が与えられる歴史的転換点となった。


【イディア歴 640年 ベルフェゴール襲来】

魔神ベルフェゴールが強固なグラディエを狙って侵攻。

しかし、女神イディア自らが竜人族を率いて前線に立ち、連合軍で見事にこれを迎え撃ち、ベルフェゴールを完全撃破する。


【イディア歴 710年 グラディエ内乱】

鉄壁を誇る都グラディエが、歴史上初めて「内部」からの攻撃を受ける。首謀者は『希龍 雨』。雨は都市を破壊した後に逃亡。この前代未聞の大罪により、希龍家はグラディエから永久追放処分となる。


【イディア歴 730年 黒竜人ブラックリュウジンの出現】

永久追放された希龍 雨が、異形の軍勢を率いて再び姿を現す。彼らは竜人族と酷似しながらも、竜の鱗すら容易に溶かす「黒い炎」を操り、黒太陽の元でも平然と活動する特性を持っていた。これらは後に『黒竜人』と名付けられる。


【イディア歴 735年 邪竜大戦と女神の昇天】

激戦の最中、ついに『希龍 双』が裏切り者である雨を討ち取る。黒竜人らは戦意を喪失したかに見えたが、その背後から真の元凶である『邪竜』が出現。女神イディアは自らの全神力を引き換えに邪竜と黒竜人を世界の彼方へと放逐(封印)したが、同時に力を使い果たし、この地に没した。


邪竜大戦において、世界を救う決定打を放った『希龍 双』の多大なる献身と功績が全竜人に認められる。これにより、希龍家に科されていたグラディエ永久追放令は正式に解除された。


【イディア歴 770年 七国家への分裂と現代への継承】

絶対的な心の支えであった女神イディアを失った竜人族は、その広大な領土を「七つ」に分割。それぞれの地域でイディアの遺志、そして女神の遺品を厳重に守りながら、現代へと続く新たな歴史を歩み始めた。

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