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叙事詩の進行  作者: あいすに刺さる茶葉
第一章  『青年は復讐を抱く』

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第10話  星の災禍

投稿遅れてごめんなさい!

10話より先のデータが全て消えてしまった為、書き直していました。

ここからはどんどん投稿していきますよ!!(多分)



 『キィキィーン! 』と甲高い音が迷宮内に鳴り響く。

 それは荒々しい音でもあり、同時に美しい旋律にも聴こえた。



 「ハァ、ハァ…」


 既にカインは目の前の敵と相対して肩で息をしていた。

 それ程までに奴―デスナイトは強かった。



『キィーン!』



 彼等の剣が交差する。

 しかし、誰の目からみても明らかにカインの方が押されていた。


 押されたと分かった瞬間カインは真上に跳び、宙で一転して奴の背後へと回った。



 そのまま奴に剣を放つ―




 が、デスナイトは前を向いたままカインの攻撃を防いだ。


「ぐっ?!」


 防がれた事に反応できなかったカインは体勢を崩してしまい、その瞬間奴に斬られそうになる―



「泥床(マッド・フロア)!!」



 かに思われたが、ユルンの土と水の混(・)合(・)魔(・)術(・)によって奴の足元を崩し間一髪で回避する。


 そこに立て直したカインが攻撃を仕掛けるが、奴はそれを防ぎカインの腹にパンチを喰らわせた。



「ガハアッ!」


 パンチの威力はとんでもなく、カインは迷宮(ダンジョン)の壁に叩きつけられた。


 ガラガラと壁が落ちる音を聞きながらカインは吐血しながらも立ち上がる。


「ハハッ、このままじゃジリ貧だな」


「どうする?! カイン!」


 ユルンも相当焦っている様で余裕が無い。


 そもそも近接戦闘が苦手な彼女は、奴の攻撃が届かない場所で弓と魔術で援護する必要がある。    

 そのため移動量が激しく、基礎体力が少ない彼女はすぐにバテてしまう。


 どうしようと考えたカインはある作戦を思いつく。


「…ユルン!」


「何?」


 する必要が無いはずなのにひそひそ話でユルンに作戦を伝える。


「…うん、分かったやってみる!!」


「それでこそ俺の弟子だ!」


 会話を終えた後カインは奴の元へと向かう。



「よぉ、待たせて悪かったな」


 自分が圧倒的に優位だと分かっているデスナイトは彼等が作戦をしている間攻撃を仕掛けずに待っていたのだ。


「こいよ、受けてやる」


 カインは挑発をした。

 ユ(・)ル(・)ン(・)に(・)ヘ(・)イ(・)ト(・)を(・)向(・)け(・)さ(・)せ(・)な(・)い(・)た(・)め(・)に(・)


 煽られていると分かったデスナイトはその瞬間見るだけで分かるほど激怒し、今までに見ない速さでカインへ猛攻を仕掛けた。


『キィキィキィーン! キィキィーン! キィーン!!』


 先程までとは比べ物にならない程の猛攻撃。

 手加減をして遊ぶのではなく純粋にカインを殺すため。

 軽口を叩いているが完全に防戦状態だ。


 だが、彼等には作戦がある。それは――



「光よ、全てを照らす光よ、魂をも照らし安らぎと安寧を与えよ。嗚呼、我は欲する天をも焦がす光を、この世に希望を与える星の煌めきを」


 そう、彼女(ユルン)の魔術だ。


 死体(アンデッド)は光を嫌うため、光系統の魔術が弱点とされているので彼女の1番強い光系統の魔術で奴を倒すという作戦だ。


 その為に彼女は詠いながら弓でカインを援護する。



「ぐっ…流石にキツいか…」


 しかし、想定以上にデスナイトは強かった。


 速さ以外はランク6程度だが、その速さのせいでカインは苦戦を強いられていた。


 速さとは戦況を大きく響かせる。

 速ければ速い程敵の攻撃を受けづらく、更に自分の威力(パワー)を増幅させる。

 その為実質威力(パワー)もランク8に匹敵するわけだ。


 いくらカインが冷静でいられるからといってゴリ押しされたらたまらない。


「え、時間稼ぐのキツくない?」


 デスナイトの攻撃をギリギリで躱しながら、弱音を零した。


(この剣―ファトゥムもあの日以来力を貸してくれなくなっちまったし…)


(あれもしかして結構ピンチ?!)


 とんでもない速度で奴は突きを放つが、カインはそれを受け流し、奴の真横へと移動した。


 攻撃を喰らうと感じたデスナイトは



「使うしかないか…」


 そう彼が呟いた瞬間デスナイトは彼の雰囲気が変わったことに本能的に察し、防御の体制をとった。


「いくぜ?」


 笑みを浮かべながらカインはデスナイトに向かって走り、そして――







 この街――『迷宮区グラン』の中心には天へと伸びる塔が存在する。


 塔の名は――ベルトン


 この世界を創造したとされる

 『女神セルフィナ』へと祈りを捧げる為だけに作られた建物である。


 そんな塔の頂上に4つの人影が見えた。


『ハハッ、まさか迷宮(ダンジョン)で異常事態(イレギュラー)が発生するとは…やはりそろそろかな』


 その無機質の声でも嬉しそうにしているのが感じ取れた。


『ああ、もう少しだ。もう少しで最後の駒(ピース)が揃う…』


『■■様?』


 黒い斧を背負ったローブの男が心配そうに声をかける。

 彼が慕う主の名はノイズがかかり、聞こえない。


『なに、お前には関係の無い話だ』


 先程の嬉しそうな声とは一転、酷く冷たい声で答えた。


『うん、カイン君はその手段を取るのか、いい判断だね。出し惜しみなんてしてる暇無いはずだし』


 うんうんと感心している様子だ。


『でもねカイン君、僕は昔(・)からずっと思ってたんだその技(・)はとても―』







 デスナイトへと走ったカインは剣技を放つ。


「ディペンダー流 《黄》」


 デスナイトは全力で防御した。


 だが――




「ヴェールム・ハスタ」




 カインの剣が奴の防御を砕き、肋骨に突き刺さる。



『?!』



 デスナイトは驚愕した。

 今の剣速は自分よりも速かったからだ。




 ――その隙を彼女は見逃さない




「星の災禍(スター・ディザスター)」



 彼女の特(・)級(・)魔(・)術(・)が奴に襲い掛かる。


 迷宮内に眩い光が迸り、星型の恒星がデスナイトを襲う。


 見た目は小さいが、その質量は数百トンに及ぶ。


『?!?!?!?!』



 とんでもない攻撃を仕掛けられたデスナイトは驚愕と混乱していた。


 魔物には魔石が存在しており、それを破壊すると完全に消滅する。ちなみに魔石は必ずしも破壊しないといけないわけではない。

 首を落としたりしても魔物は殺せるのだが、アンデッド等の死霊類は魔石を破壊しないと討伐できない。


 魔物の中ではアンデッドの魔石はかなり硬くなっており、容易な攻撃では破壊することは難しい。

 そのため弱点の光系統の魔術で攻撃するのがセオリーだ。


 硬いアンデッドの中でも最上位に位置すると言っても過言ではないデスナイトは普通の光系統の上級魔術では何百発と撃たないと破壊することはできないのだが…


 彼女の特級魔術は普通の魔術とは違い、常軌を逸していた。


 何故なら魔力の密度が段違いだからだ。

 例を上げるとすると、普通の冒険者の密度を1と捉えると、彼女はその10倍はあったのだ。


 その為逃げようとしたのだが―



「逃がさねぇぞ?」



 満面の笑みでカインが恐怖の発言を落とした。


 カインの剣が肋骨に突き刺さっており動けない。

 自分の骨が軋む音が響く


 そう、完全に『詰み』なのだ。



『ーーーーーーーー!!!!』


 声がしない声を発し、デスナイトに星が降り注ぐ。


 その日迷宮(ダンジョン)に爆音が響いた。




「やった?!」


 フラグにしかならない発言だが、奴にあの攻撃を避ける術は無く魔石を破壊され、消滅していった。


「お前バカ! 死ぬかと思っただろ?!」


「いいじゃん、魔力障壁は張ったんだし!」


 そんな軽い喧嘩をしてこの戦いは幕を閉じた。







◇◆◇




『でもねカイン君、僕は昔(・)からずっと思ってたんだその技(・)はとても―』







『流派の名前がダサいと思うんだ』





「あ?」


「どうしたの?」


「なんかすげぇ俺の剣技を侮辱された気がする。」


 何故だか分からないがそんな気がするのだ。何故だかは分からないが。


「てかあの剣技すごいわね! ディペンダー流? だっけ?ネーミングセンスは置いておいて凄い威力だったわ!」


「お前もあ(・)い(・)つ(・)と同じ事言うのかよ…」


 どこか別の場所から刺され、この場でも刺されたカインは酷く落ち込んだ。


「あー…、なんかごめん」


「いいよ、別に」


 明らかに不貞腐れているカインにユルンは質問を投げかけた。


「ねぇ、カイン! そのディペンダー流について教えてよ!」


「ん? 別にいいけど、休憩しながらでいいか? もうヘトヘトなんだ」



 近くの岩に2人は腰をかけ休憩を行った。



最後まで読んでいただきありがとうございます。


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