断崖絶壁の山越え!通常なら、困難なのじゃよ?
はあ〜っ。
観ておるアトラクションじゃったわい。
儂の方が、ハラハラ、ドキドキして、気疲れしたぞい。
岩柱を使いダリルさんが反対側の崖上へとの。
「ふむ。
慣れてきたな。
次からは、もっと早く渡れるであろう。
下へ降りる手間もなく、楽に渡れた。
師匠も、良いルートを残してくれたものだ」
そがぁなことを宣わっておったのじゃがの。
そがぁなことが出来るのは、アンタだけじゃてな。
で、反対側の崖上より先へ進む訳なのじゃがな。
をいっ!
だから、急に映像をじゃな。
『なら、ダリル殿が身を潜めつつ移動するのを、長々と視聴されます?』
いや、そうじゃのうてじゃな。
断りも無く、急なシーンカットは止めて貰えるかや。
驚くでのぅ。
『そうですか?
視聴中に声を掛ける方が良くないと思ったのですが』
そこは、意見の相違っうヤツじゃな。
ジジイには心臓に悪いでな。
『マスターは、若返っておられますが?』
確かに体は若返ってはおるがの。
ほれ、アレじゃ、アレ。
体は若者、頭脳は老人!っうヤツじゃなっ!
『なんか聞いたコトがあるフレーズですが、何か違いませんか?』
ん?
気の所為じゃろ?
ほれ、そんなん話しておる間に、ダリルさんが、は?
いや、跳び降りたぁっ!
自殺かぁっ!!
『いえ、下に岩棚が在ったみたいですね。
そこへ跳び降りたみたいです』
映像アングルが変わると、崖上から少し下へ棚が迫り出しておった。
いや、棚と言うより段差か?
足場の下は続いておるでな。
視聴アングルが違うだけで、えらい違いじゃわい。
っと、待て!
下の足場へ跳び降りただけと知り、安堵したのじゃがな。
いや、これは・・・
異様に高低差が。
儂なら助かっておらんのでは?
『そうですね。
アレ、他の狩人でも大怪我を負うでしょう。
おそらく、ダリル殿の身体能力と技術があるからこそ、可能と思われます』
あー、魔法の言葉、【人造種】じゃからじゃな。
しかし、サイボーグよりも優れておらぬかえ?
いや、サイボーグは想像上の産物じゃが。
『サイボーグなどの劣化種とは違いますからねぇ。
人造種とは、比べ物になりませんよ』
はぁ?
サイボーグが劣化種じゃと?
どう言うことじゃ?
『最終的に機械は生体に劣る、っと言うのが、本国での評価です。
まぁ、共に追求し進化させた後、との前提で、ですが』
はぁ。
それは、なぜ、そのような結論に?
『ダリル殿は、それほど強く有しておりませんが、生体は再生能力を持っており、また、進化します。
個々の機器は、単体での修復能力に劣り進化もしませんから』
いやいや、部品交換にて修理可能であろ?
それに、他の箇所かて修復すればのぅ。
『それは、単体では難しいですよね?
部品も個体が造るのは、困難かと。
金属で造られ強靭に思えますが、精密機械は衝撃に弱いものです。
物語みたいに機械にて格闘などさせると、内部から崩壊するでしょう。
また腐食にも弱いため、運用場所やタイミングを考える必要があります。
それに比べ生体の場合、取り込んだ物質にて進化する場合もあり、さらに自己再生しますので。
特にマスターは、自己再生して若返っているではないですか。
機械にはできませんよ、そんなこと』
わっ!
とんだブーメランじゃっ!
っと、そんなことよりじゃっ!
ダリルさん、早々に山を降りておるのじゃが、速くね?
『なんか、誤魔化された気が?
こほん。
本来は、下山の方が困難なのです。
滑落の危険性が、降る方が高いためですね。
ただ、こちら側は登った方に比べ足場が多かったみたいです。
段差のように、所々に足場が在ましたから。
ダリル殿は、その足場を利用して下山したみたいですね』
ふむ?
俯瞰して見せて貰うと、確かにアチコチへ段差となるように削られておる。
だが、その足場から足場の高低差と距離が問題じゃて。
ありゃぁ、普通の者なら跳び移るように飛び降りんじゃろうな。
普通なら死ぬからの。
やはりダリルさんは、化け物じゃっ!




