やはりダリルさんって、忍びの者なのでは?
っか、はぁっ!?
ダリルさん、何処消えたぁっ!!
いきなり見失ったのじゃが?
どう言うことじゃ?
『気配を消し去り、静かに移動していますね。
陰から陰へと、スルスル移動しています。
ですが、先程とは、移動速度が激減しておりますよ。
なるほど。
接敵より移動速度を重視していましたか。
移動に倍近く掛かっておりますから』
あ、なるほどのぅ。
移動速度を重視しとったのかえ。
『ダリル殿の歩みは遅くなっておりますが、獣に邪魔されないため、逆に移動効率は上がっておりますね』
まぁ、アレだけ獣が突っ掛かって来ておったからのぅ。
さもありなん。
ん?
いや、アドバイザーさん?
何故に映像を飛ばしたのじゃ?
いきなりのシーン変更は戸惑うのじゃが?
『いえ、同じような景色が永遠と続く感じでしたので。
観たかったですか?』
あー
変わり映えせん森の景色を、長々と観せられるトコじゃったか。
そら、ノーサンキューじゃてな。
で、イキナリ崖かえ?
っか、巨大な亀裂っと、言った方が良いかのぅ。
対岸っう感じで良いのじゃろうか?
崖向こうまで1キロは離れておるじゃうか?
流石に跳び越えるのは、無理じゃてな。
いや、無理じゃよな?
『流石にダリル殿でも、この距離は無理ですよ。
いや、無理ですよね?』
流石のアドバイザーさんも、ダリルさんの非常識さに断言できなんだか。
まさに予測不能な男じゃてな。
「ふむ。
下へ降りて登っても良いが、確か師匠が言ってたルートが有ったハズだ」
いやいやいやいやっ!
先程と同じく、垂直に切り立った崖じゃぞっ!
ん?
さっきと同じ?
あ。
断崖絶壁を既に登っておったか。
なれば、降りて登るのも有りなのか?
『いえいえ。
登るよりも降る方が困難なんですが?
しかも、大量の荷物を背嚢へ入れ背負っていますし』
まぁ、ダリルさんなら可能じゃろ。
そう思っておったらな。
「ふむ、ここか?
確かに聞いた通りだが、師匠も結構な無茶しやがるな。
アソコの棚が迫り出している。
石筍のような岩が、崖下から点在しておるし、おそらくは、ココだろう」
何がじゃろうか?
地が裂けた際に取り残されたのじゃろか?
確かに、崖下から柱が点在しておるの。
崖下へ裂け目から迫り出すような棚も見えておる。
だが、それが、どがぁしたと?
『まさか、ですが』
ん?
『あの岩の柱を使って、向こう側へ向かうつもりでは?』
はぁ?
何を言っておるのじゃ?
確かに岩柱が立ってはおる。
だが、高さはバラバラで、一つ一つが離れておるのじゃが?
とてもではないが、人の跳躍力で届くとはの。
『マスター』
なんじゃ?
『ダリル殿は、軽々と川を跳び越えておられましたよ?
あの川幅より離れている柱もありますが、大半は、あの川幅未満かと。
しかも、全力で跳び越えずに対岸へ跳び移っられたことを鑑みるに、跳び移れない場所はないかと』
いや、マジで言っておるのかや?
っと、いつの間にか、崖上から少し下にある岩棚へと降りておる。
いつの間に?
『マスターが岩柱を確認している間にです。
無造作に跳び降りておられましたね。
着地音など皆無でしたから、着地の衝撃を完全に殺していたみたいです』
ふぅ、相変わらずの忍者さんじゃな、ダリルさんは。
しかし、縄鏢を手にしとるが、何するんじゃろうかぁあぁぁつ!
をいっ!
イキナリ跳ぶなぁぁつ!
ビックリしたわい!
っか、物理的に、おかしくないかえ!?
なんで岩棚より高い位置へ跳び移っておる!
っか、飛び石を渡るみたいに跳び移るなぁっ!
はい?
岩柱から出ておる岩へ、縄鏢を引っ掛けて跳び移る補助にしおったぞ?
あがぁな簡単に、縄鏢って操れるのかえ?
つか、跳び移った際の反動を利用しておるのかえ。
最早、人の所業とは思えぬわい!
『いまさらですよ。
それに、人造種ですから。
人とは違います』
そうは言ってものぅ。
姿形は人と変わらんでな。
観ておると、頭がバグりそうじゃわいっ!




