ダリルさんが、兵糧丸を作っておるが、それ、マジか?
ダリルさんは、灰汁の塊を革袋へと。
はて、あがぁなモン、どがぁするんじゃろか?
それはパルマさんも思ったようでな。
「ダリルさん?
そんな物、どうするのさ?」っと。
したらな。
「これは恐らく、灰汁と言うより毒だろう。
そう考えれば、狩に使うこともできようかとな」
「はぁー
そんなモンなんだねぇ。
狩人の考えなんて、私には分からないよ」
そう告げつつ、麺を打っておる。
うむ、熟練の腕前じゃな。
「さて、兵糧丸を仕上げるか」
そう告げつつ、濾した湯を火晶石で煮立て煮詰めておるな。
湯が僅かになったら火を止めておる。
あがぁな高温で煮立てて良かったのかのぅ?
『いや、本当にアレ、理解せずに行っているんですかね?』
ん?
どう言うことじゃ?
『あの温度で加熱した事で、化学反応を起こしています。
分析した結果、代謝促進および治癒力向上がみこまれ、栄養吸収を促進します。
さらには、それらの成分が栄養素を内包し熱から守ったらしく、高栄養素まで含んでいますね。
本国では、大騒ぎになっておりますが?』
ふむ。
やはり、ダリルさんじゃのう。
サスダリじゃ。
そして、灰汁抜きを終えたトチナの実を粉にし、マル芋粉と小麦粉に何かを加えてから、濾した煮汁にて練っておるな。
香辛料や胡椒代わりのゴザ、味噌代わりのソイ芋に香草は分かる。
じゃが、知らぬ素材を粉にしたと思われるヤツが分からん。
今まで使用しちょらんかったハズじゃが?
『良く、お気付きになられましたね。
アレらは深層素材なんです。
薬草として、里では薬あつかいですね』
ほほぅ。
色が違うゆえ、初めて見る物と思ったのじゃが、茶色は良いとして黒に紫かえ?
いや、毒物じゃないかのぅ。
『まぁ、薬は過ぎれば毒ですし、毒も適量ならば薬になりますから。
茶色の粉はユヤハの種を炙り、それを粉にした物ですね。
マスターの世界で言うカカオでしょうか。
まぁ、発酵などはしておりませんが、その栄養価はカナリ高いですね。
しかも免疫力を高め病や毒を癒す効果があります。
黒い粉はケーナラの種を炒ってから、粉にした物です。
マスターの世界ならコーヒーでしょうか?
コチラも栄養価が高いのですが、血行を促進し細胞を活性化させる効能があります。
飲んで癒す傷薬でしょうか?
一瞬では治りませんが、短時間で傷が言える優れ物ですね。
物語などで書かれるポーションの元とも言えます。
ただ、傷が癒える場合に栄養を過度に使いますから、栄養価が高い品を合わせて摂取する必要があるのです。
そうしないと、栄養失調に陥りますので。
で、最後の紫色の粉ですが、ゾルトと言う植物です。
コチラは様々な薬の基礎素材として使われる植物ですね。
代謝促進に免疫強化などの効能の他、成長を促す効能を持っております。
まぁ、補助剤でしょうか?
コレらを適切な量で混ぜ合わせておりますね。
薬師としても、カナリの腕前ではないでしょうか』
そ、そうなのじゃな。
しかし、赤み掛かった黒紫な球が転がっておるのじゃが、え?いや、毒じゃね?
出来た兵糧丸を見たパルマさんも、同じように思ったのじゃろうな。
「ひぇっ!
それ、大丈夫なのかい!?
どう見ても毒なんだけどぉっ!!」
まぁ、そうじゃわな。
「失敬な。
毒どころか、万能薬に近い代物なのだがね。
コイツは、俺にとっては秘薬となる。
最後の保証となる品だ。
一粒食せば、恐らくは五日は食わぬとも活動可能だろう。
それよりも、傷や病を癒す働きがある。
毒も癒すだろう。
なにせ、深層の希少薬剤を練り込んであるからな。
狩りで危機に陥った際に、最後の砦になる品だ。
毒物あつかいせぬで貰いたい」
おー
そこまでの品であったのかぁっ!
「そ、そうなんだねぇ。
それは、失礼したよ。
しかし、凄い色だわさ」
うーむ。
効能は別として、その色がのぅ。
ハッキリ言って、ポイズンじゃっ!




